恩人が夏にメジャーデビューする話
その名は、3markets[ ]。通称スリマ。
今から15年ほど前かな。まだお互いのブログのコメント欄でしか話したことがなかった、ヴォーカルの風間崇史さん。彼がいなければ、今のわたしはいない……かもしれない。
具体的な話をすると、当時、わたしも彼もまぁまぁ病んでいて。よくないんだけど、お互い励ますというかお互いを頼りにしていた。(彼には彼女がいたし、決して恋愛関係などではない)。心療内科への受診を勧めてくれたのも、どうしても電話がこわくてできなかったわたしに代わって予約の電話をしてくれたのも、彼だった。
その後、「いつ死んでもいいや」みたいな感じのある日、ちょうど近くのライブハウスにスリマが来ると知り、飛び込みでライブを観に行った。その衝撃ったら。「死んでもいいや」が、「死にたくない」に変わった。
そんな彼が、スリマが、この夏メジャーデビューするという。
本当にびっくりした。でも、彼のうたが、存在が、認められたみたいで、うれしく思った。
幾度もメンバーチェンジをし、現在は初期と違い4人で活動している3markets[ ]。もはやずっと活動し続けているのは風間さんだけ。
以前、彼は、わたしが生きていてくれるのが希望だと言った。ハグもした。直筆のハガキをもらったこともある。
売れてゆく彼に、ちょっぴり嫉妬してしまいそうだけど、それ以上に光が見い出せる。
わたしもそこそこ元気になった現在。スリマのライブを観に行く頻度は、ずいぶんと減ってしまった。それでもふいにイヤホンから流れるスリマの音楽と共に、落ちていったり元気をもらったりする。
6月には、スリマがきっかけで仲良くなった友人と、久しぶりに――おそらく3年くらいぶりに、スリマを観にライブへ行く約束をしている。
彼らのこれからと、わたしのこれから。時に交差することがあるのなら、とてもうれしいと思う。