#17 「Anthology 1-3」 - 深遠なる沼の入口【The Beatles Album Review】
今回は1995年から96年にかけてリリースされたビートルズの未発表音源集
「Anthology」シリーズをレビューします。
基本情報
Anthology 1
オリジナルリリース 1995/11/20
Free As A Bird
Speech: John Lennon
That'll Be The Day
In Spite Of All The Danger
Speech: Paul McCartney
Hallelujah, I Love Her So
You'll Be Mine
Cayenne
Speech: Paul
My Bonnie
Ain't She Sweet
Cry For A Shadow
Speech: John
Speech: Brian Epstein
Searchin'
Three Cool Cats
The Sheik Of Araby
Like Dreamers Do
Hello Little Girl
Speech: Brian Epstein
Besame Mucho
Love Me Do
How Do You Do It
Please Please Me
One After 909
One After 909
Lend Me Your Comb
I'll Get You
Speech: John
I Saw Her Standing There
From Me To You
Money (That's What I Want)
You Really Got A Hold On Me
Roll Over Beethoven
She Loves You
Till There Was You
Twist And Shout
This Boy
I Want To Hold Your Hand
Speech: Eric Morecambe And Ernie Wise
Moonlight Bay
Can't Buy Me Love
All My Loving
You Can't Do That
And I Love Her
A Hard Day's Night
I Wanna Be Your Man
Long Tall Sally
Boys
Shout
I'll Be Back
I'll Be Back
You Know What To Do
No Reply
Mr. Moonlight
Leave My Kitten Alone
No Reply
Eight Days A Week
Eight Days A Week
Kansas City / Hey-Hey-Hey-Hey!
Total Time 124:54
Anthology 2
オリジナルリリース 1996/3/18
Real Love
Yes It Is
I'm Down
You've Got to Hide Your Love Away
If You've Got Trouble
That Means a Lot
Yesterday
It's Only Love
I Feel Fine
Ticket to Ride
Yesterday
Help!
Everybody's Trying to Be My Baby
Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
I'm Looking Through You
12-Bar Original
Tomorrow Never Knows
Got to Get You Into My Life
And Your Bird Can Sing
Taxman
Eleanor Rigby
I'm Only Sleeping
I'm Only Sleeping
Rock & Roll Music
She's a Woman
Strawberry Fields Forever
Strawberry Fields Forever
Strawberry Fields Forever
Penny Lane
A Day in the Life
Good Morning Good Morning
Only a Northern Song
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Lucy in the Sky With Diamonds
Within You Without You
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
You Know My Name (Look up the Number)
I Am the Walrus
The Fool on the Hill
Your Mother Should Know
The Fool on the Hill
Hello, Goodbye
Lady Madonna
Across the Universe
Total Time 127:41
Anthology 3
オリジナルリリース 1996/10/28
A Beginning
Happiness Is a Warm Gun
Helter Skelter
Mean Mr. Mustard
Polythene Pam
Glass Onion
Junk
Piggies
Honey Pie
Don't Pass Me By
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Good Night
Cry Baby Cry
Blackbird
Sexy Sadie
While My Guitar Gently Weeps
Hey Jude
Not Guilty
Mother Nature's Son
Glass Onion
Rocky Raccoon
What's the New Mary Jane?
Step Inside Love
I'm So Tired
I Will
Why Don't We Do It in the Road?
Julia
I've Got a Feeling
She Came in Through the Bathroom Window
Dig a Pony
Two of Us
For You Blue
Teddy Boy
Medley: Rip it up/Shake, Rattle and Roll/Blue Suede Shoes
Long and Winding Road, The
Oh! Darling
All Things Must Pass
Mailman, Bring Me No More Blues
Get Back
Old Brown Shoe
Octopus's Garden
Maxwell's Silver Hammer
Something
Come Together
Come and Get It
Ain't She Sweet
Because
Let It Be
I Me Mine
The End
Total Time 145:33
トラックリストを列挙するだけで既に膨大な量になってしまいました。w
2枚組アルバム3作、全部通しで聴くと6時間40分くらいかかります。
1995年頃に始まった「アンソロジープロジェクト」の一環として制作されました。
プロジェクトではこれらのアルバムの他、ドキュメンタリー映像や書籍も制作され、
ビートルズの始まりから終わりまでを圧倒的ボリュームで体感することができます。
とかいう自分は、書籍も映像も見たことがありませんw
レビュー
☆☆☆☆☆☆★★★★(6/10)
かなり上級者向きの作品です。
ファンというよりもマニア向けと言えるかもしれない。
ビートルズ結成前の音源や貴重な音源も含まれていますが、
オリジナルアルバムを飽くほど聴いた人
(あのアルバムの何曲目はこれ、と諳んじることができるくらい)でないと、
ありがたみを最大限に享受することはできないと思います。
とかいう自分は、まだそのレベルに達していないので
未だ通しで聴いたことはありません。
いつかじっくり味わおうと思っています。
楽曲解説
以下、アルバム内で特筆すべき曲について一言ずつ。
Free As A Bird
かしまさはこれが聴きたくてAnthologyシリーズを買いました。
ジョン亡き後、解散から25年を経て発表されたビートルズの「新曲」。
ジョンのデモテープに残り3人がオーバーダビングして制作したそうです。
YouTubeで公開されているPVには、ビートルズに詳しい人なら
思わず「!」と思ってしまうものがたくさん映ります。
In Spite of All the Danger
ビートルズの前身バンド「クオリーメン」の曲。
ジョン、ポール、ジョージの3人が初めて
「レコーディング」を体験した記念すべき曲でもあります。
「自分の作った曲がプレーヤーから聴こえる」って、
どんな気持ちだったんでしょうね。
Love Me Do
言わずと知れたビートルズのデビュー曲ですが、
ピートベストがドラマーVer.が収録されています。
確かになんかノリ方が違う。
One After 909
Appleビルの屋上でも演奏され「Let It Be」に収録された曲ですが、
ずっと初期から存在していました。
Anthologyバージョンはもっと縦ノリ感が強いです。
Real Love
かしまさはこれが聴きたくて(ry
こちらもジョンのデモテープを元に制作された「新曲」です。
詞も曲も補作する部分がなかったので、ビートルズの曲で唯一
ジョンレノン単独のクレジットになったそうな。
当時50代のメンバーの「今」と「昔」が交錯するPVがいいね。
Oh! Darling
「Abbey Road」収録のポールの曲。
「俺の方がもっとうまく歌えてたよ」と
後年のインタビューでジョンが語っていたそうですが、
Anthologyではジョンとポールのツインボーカルによる本曲が聴けます。
確かにジョン向きな曲かもしれんけども。
まとめ
解説しようとするとキリがない。w
また近年のオリジナルアルバムリミックスには
Anthologyに収録しきれなかった更なる秘蔵音源も収録されたり、
(同じものが重複していることもあるけども)
そういうところが気になりだすと非常に深遠な世界が広がっています。
海賊盤まで手を広げたら一生かかっても追いきれないくらい。
まーでも、アルバムの中で気に入っている曲をAnthologyで探して、
その曲が完成するまでを解説見ながら聴くのは、
マニアという程ではないファンでも楽しめると思います。
そういえば、CD6枚分の音源をギュギュッと濃縮した
「Highlights」っていう配信限定アルバムもあるみたいです。
「新曲」は2曲とも入ってますし、
ボリューム感にビビっちゃう人はこちらだけでもどうぞ。
余談ですが
今年(2023年)、ビートルズの 「最後の新曲」が出るんですってね。
タイトルは「Now And Then」らしいです。
「AIを使ってジョンの声を得た」との話ですが、
ジョージのギターはどうするんだ? って最初思ったんですよ。
そんで、そういえば「Anthology 3」には新曲入ってないなと思い至りまして、
調べてみたところ、3にも新曲を入れる計画はあったみたいなんです。
その時に制作してみたけれど、
デモテープの雑音が取り切れずお蔵入りになっていたものが、
最新技術により日の目を見ることになったようです。AIってすごいなぁ。
更に調べてみると、ポールはこの「Now And Then」を
ずっと完成させたいと思っていたみたいですし。
どんな曲なんでしょうね。楽しみです。
それでは、かしまさでしたー。
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