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#17 「Anthology 1-3」 - 深遠なる沼の入口【The Beatles Album Review】

今回は1995年から96年にかけてリリースされたビートルズの未発表音源集
「Anthology」シリーズをレビューします。

基本情報

Anthology 1

オリジナルリリース 1995/11/20

  1. Free As A Bird

  2. Speech: John Lennon

  3. That'll Be The Day

  4. In Spite Of All The Danger

  5. Speech: Paul McCartney

  6. Hallelujah, I Love Her So

  7. You'll Be Mine

  8. Cayenne

  9. Speech: Paul

  10. My Bonnie

  11. Ain't She Sweet

  12. Cry For A Shadow

  13. Speech: John

  14. Speech: Brian Epstein

  15. Searchin'

  16. Three Cool Cats

  17. The Sheik Of Araby

  18. Like Dreamers Do

  19. Hello Little Girl

  20. Speech: Brian Epstein

  21. Besame Mucho

  22. Love Me Do

  23. How Do You Do It

  24. Please Please Me

  25. One After 909

  26. One After 909

  27. Lend Me Your Comb

  28. I'll Get You

  29. Speech: John

  30. I Saw Her Standing There

  31. From Me To You

  32. Money (That's What I Want)

  33. You Really Got A Hold On Me

  34. Roll Over Beethoven

  35. She Loves You

  36. Till There Was You

  37. Twist And Shout

  38. This Boy

  39. I Want To Hold Your Hand

  40. Speech: Eric Morecambe And Ernie Wise

  41. Moonlight Bay

  42. Can't Buy Me Love

  43. All My Loving

  44. You Can't Do That

  45. And I Love Her

  46. A Hard Day's Night

  47. I Wanna Be Your Man

  48. Long Tall Sally

  49. Boys

  50. Shout

  51. I'll Be Back

  52. I'll Be Back

  53. You Know What To Do

  54. No Reply

  55. Mr. Moonlight

  56. Leave My Kitten Alone

  57. No Reply

  58. Eight Days A Week

  59. Eight Days A Week

  60. Kansas City / Hey-Hey-Hey-Hey!
    Total Time 124:54

Anthology 2

オリジナルリリース 1996/3/18

  1. Real Love

  2. Yes It Is

  3. I'm Down

  4. You've Got to Hide Your Love Away

  5. If You've Got Trouble

  6. That Means a Lot

  7. Yesterday

  8. It's Only Love

  9. I Feel Fine

  10. Ticket to Ride

  11. Yesterday

  12. Help!

  13. Everybody's Trying to Be My Baby

  14. Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

  15. I'm Looking Through You

  16. 12-Bar Original

  17. Tomorrow Never Knows

  18. Got to Get You Into My Life

  19. And Your Bird Can Sing

  20. Taxman

  21. Eleanor Rigby

  22. I'm Only Sleeping

  23. I'm Only Sleeping

  24. Rock & Roll Music

  25. She's a Woman

  26. Strawberry Fields Forever

  27. Strawberry Fields Forever

  28. Strawberry Fields Forever

  29. Penny Lane

  30. A Day in the Life

  31. Good Morning Good Morning

  32. Only a Northern Song

  33. Being for the Benefit of Mr. Kite!

  34. Being for the Benefit of Mr. Kite!

  35. Lucy in the Sky With Diamonds

  36. Within You Without You

  37. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)

  38. You Know My Name (Look up the Number)

  39. I Am the Walrus

  40. The Fool on the Hill

  41. Your Mother Should Know

  42. The Fool on the Hill

  43. Hello, Goodbye

  44. Lady Madonna

  45. Across the Universe
    Total Time 127:41

Anthology 3

オリジナルリリース 1996/10/28

  1. A Beginning

  2. Happiness Is a Warm Gun

  3. Helter Skelter

  4. Mean Mr. Mustard

  5. Polythene Pam

  6. Glass Onion

  7. Junk

  8. Piggies

  9. Honey Pie

  10. Don't Pass Me By

  11. Ob-La-Di, Ob-La-Da

  12. Good Night

  13. Cry Baby Cry

  14. Blackbird

  15. Sexy Sadie

  16. While My Guitar Gently Weeps

  17. Hey Jude

  18. Not Guilty

  19. Mother Nature's Son

  20. Glass Onion

  21. Rocky Raccoon

  22. What's the New Mary Jane?

  23. Step Inside Love

  24. I'm So Tired

  25. I Will

  26. Why Don't We Do It in the Road?

  27. Julia

  28. I've Got a Feeling

  29. She Came in Through the Bathroom Window

  30. Dig a Pony

  31. Two of Us

  32. For You Blue

  33. Teddy Boy

  34. Medley: Rip it up/Shake, Rattle and Roll/Blue Suede Shoes

  35. Long and Winding Road, The

  36. Oh! Darling

  37. All Things Must Pass

  38. Mailman, Bring Me No More Blues

  39. Get Back

  40. Old Brown Shoe

  41. Octopus's Garden

  42. Maxwell's Silver Hammer

  43. Something

  44. Come Together

  45. Come and Get It

  46. Ain't She Sweet

  47. Because

  48. Let It Be

  49. I Me Mine

  50. The End
    Total Time 145:33

トラックリストを列挙するだけで既に膨大な量になってしまいました。w
2枚組アルバム3作、全部通しで聴くと6時間40分くらいかかります。

1995年頃に始まった「アンソロジープロジェクト」の一環として制作されました。
プロジェクトではこれらのアルバムの他、ドキュメンタリー映像や書籍も制作され、
ビートルズの始まりから終わりまでを圧倒的ボリュームで体感することができます。
とかいう自分は、書籍も映像も見たことがありませんw

レビュー

☆☆☆☆☆☆★★★★(6/10)

かなり上級者向きの作品です。
ファンというよりもマニア向けと言えるかもしれない。
ビートルズ結成前の音源や貴重な音源も含まれていますが、
オリジナルアルバムを飽くほど聴いた人
(あのアルバムの何曲目はこれ、と諳んじることができるくらい)でないと、
ありがたみを最大限に享受することはできないと思います。

とかいう自分は、まだそのレベルに達していないので
未だ通しで聴いたことはありません。
いつかじっくり味わおうと思っています。

楽曲解説

以下、アルバム内で特筆すべき曲について一言ずつ。

Free As A Bird

かしまさはこれが聴きたくてAnthologyシリーズを買いました
ジョン亡き後、解散から25年を経て発表されたビートルズの「新曲」。
ジョンのデモテープに残り3人がオーバーダビングして制作したそうです。
YouTubeで公開されているPVには、ビートルズに詳しい人なら
思わず「!」と思ってしまうものがたくさん映ります。

In Spite of All the Danger

ビートルズの前身バンド「クオリーメン」の曲。
ジョン、ポール、ジョージの3人が初めて
「レコーディング」を体験した記念すべき曲でもあります。
「自分の作った曲がプレーヤーから聴こえる」って、
どんな気持ちだったんでしょうね。

Love Me Do

言わずと知れたビートルズのデビュー曲ですが、
ピートベストがドラマーVer.が収録されています。
確かになんかノリ方が違う。

One After 909

Appleビルの屋上でも演奏され「Let It Be」に収録された曲ですが、
ずっと初期から存在していました。
Anthologyバージョンはもっと縦ノリ感が強いです。

Real Love

かしまさはこれが聴きたくて(ry
こちらもジョンのデモテープを元に制作された「新曲」です。
詞も曲も補作する部分がなかったので、ビートルズの曲で唯一
ジョンレノン単独のクレジットになったそうな。
当時50代のメンバーの「今」と「昔」が交錯するPVがいいね。

Oh! Darling

「Abbey Road」収録のポールの曲。
「俺の方がもっとうまく歌えてたよ」と
後年のインタビューでジョンが語っていたそうですが、
Anthologyではジョンとポールのツインボーカルによる本曲が聴けます。
確かにジョン向きな曲かもしれんけども。

まとめ

解説しようとするとキリがない。w
また近年のオリジナルアルバムリミックスには
Anthologyに収録しきれなかった更なる秘蔵音源も収録されたり、
(同じものが重複していることもあるけども)
そういうところが気になりだすと非常に深遠な世界が広がっています。
海賊盤まで手を広げたら一生かかっても追いきれないくらい。

まーでも、アルバムの中で気に入っている曲をAnthologyで探して、
その曲が完成するまでを解説見ながら聴くのは、
マニアという程ではないファンでも楽しめると思います。

そういえば、CD6枚分の音源をギュギュッと濃縮した
「Highlights」っていう配信限定アルバムもあるみたいです。
「新曲」は2曲とも入ってますし、
ボリューム感にビビっちゃう人はこちらだけでもどうぞ。

余談ですが

今年(2023年)、ビートルズの 「最後の新曲」が出るんですってね。
タイトルは「Now And Then」らしいです。

「AIを使ってジョンの声を得た」との話ですが、
ジョージのギターはどうするんだ? って最初思ったんですよ。
そんで、そういえば「Anthology 3」には新曲入ってないなと思い至りまして、
調べてみたところ、3にも新曲を入れる計画はあったみたいなんです。
その時に制作してみたけれど、
デモテープの雑音が取り切れずお蔵入りになっていたものが、
最新技術により日の目を見ることになったようです。AIってすごいなぁ。

更に調べてみると、ポールはこの「Now And Then」を
ずっと完成させたいと思っていたみたいですし。

2007年4月29日にマッカートニーがハリスンの演奏をアーカイブから使用し、スターと共に完成させ、配信限定のフォーマットで発売することを発表したが、この発表以降も本作は発売に至っていない。一方、レノンによるデモ音源については、海賊盤で流通している。
マッカートニーは、2012年にBBC Fourで放送されたリンのドキュメンタリー番組の中で本作について触れ、リンとともに完成させるつもりであることを語っており、2021年10月にも本作を完成させたいと考えていることを明かしている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ナウ・アンド・ゼン_(ジョン・レノンの曲)

どんな曲なんでしょうね。楽しみです。
それでは、かしまさでしたー。

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