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#11 「A Hard Day's Night」 - もはや新人ではない【The Beatles Album Review】

今回のアルバムレビューはビートルズの3枚目のオリジナルアルバム「A Hard Day's Night」です。

基本情報

オリジナルリリース 1964/7/10 (UK)

  1. A Hard Day's Night

  2. I Should Have Known Better

  3. If I Fell

  4. I'm Happy Just to Dance with You

  5. And I Love Her

  6. Tell Me Why

  7. Can't Buy Me Love

  8. Any Time at All

  9. I'll Cry Instead

  10. Things We Said Today

  11. When I Get Home

  12. You Can't Do That

  13. I'll Be Back
    Total Time 30:10

レコーディング機材もいいのが使えるようになったので、
「泣き別れステレオ」は解消されました。
ちなみに日本版の旧アルバムタイトルは
「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」 でした。
全然違いますね。

レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8/10)

ビートルズの初主演映画のサントラでもあり、
全曲完全オリジナルのみで構成された初のアルバム。
カバー曲に頼らず自分たちの曲だけでアルバム制作を行い、
更に映画にまで出ちゃう。
「売れっ子アイドル」から「スーパースター」への変貌が感じられるアルバムです。

楽曲解説

以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。

A Hard Day's Night

リンゴが「今日キツかったわ〜(It's been a hard day)」と言った後で
もう夜になっていたことに気づき「...'s night」と付け足したのを
ジョンとポールが面白がってこのタイトルになったそうな。
最初に「ジャーン」て鳴るギターは専門家によって解釈が色々らしい
「謎」のコードという話です。

And I Love Her

ポールによるアンプラグドな曲。
「光り輝く星のように」なんて詩的な表現が出てきたりして
初期ビートルズの中ではとりわけ美しい曲だと思います。

Can't Buy Me Love

セブンスコードで進行する王道ブルースな曲。
アメリカBillboard Hot 100ではこの曲を含めて
1位から5位までをビートルズのシングルが独占するという偉業を成し遂げました。

1964年4月4日付けチャート

I'll Cry Instead

「ぼくが泣く」という邦題が付いています。
メロディだけを聴いていると軽快な感じなのですが、
「フラれた腹いせにひどいことしてやりたいけど、
そうもいかないから俺はただ泣くしかない」
というみじめな心の内を歌った結構重い歌です。

Things We Said Today

ポールが「ジョンみたいな曲」を作ろうとしたらこうなるのかな。
「こうやって君と話したことを後でしみじみ思い出すんだろうなぁ」と
マイナーコード主体で淡々と進んでいく、
自らの恋愛をどこか客観視しているような曲です。

I'll Be Back

そのジョンは自らの詩世界でもう一段階先まで進んでました。
「嫌がらせするんだったら出てくよ。まー戻ってきちゃうんだろうけどね」
というフラフラした気持ちを表現している曲。
それを裏付けるようにAメジャーとAマイナーが両方出てきて、
曖昧な感じが表現されています。

まとめ

リリース順に聴いてみると、
ビートルズが着実に進化しているのが分かって非常に興味深い。
デビューからまだ1年半ほどでここまで登りつめたんだなぁ。

それでは、かしまさでしたー。

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