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選べるのは返礼品だけじゃない!             使い道ファーストなふるさと納税        

※2024年12月20日更新

しかふる1号です。

「使い道ファーストなふるさと納税」を鹿嶋市から全国に提案するため、ふるさと納税forGoodさんが主催するイベントに登壇させていただきました。

地域から始まる変革ストーリー LOCAL CHALLENGE STORY #3

イベントは終了しています

イベント中にもご寄附を賜り(ありがとうございます!)、プレゼン資料を共有してほしいとのお声をいただきました(本当にありがとうございます!)。

少しでも「使い道ファーストなふるさと納税」に興味を持っていただき、ふるさと納税制度がより良くなるのであれば、資料を公開したいと思います。

興味を持っていただき、プレゼンも聴きたいという方がいらっしゃいましたら(いるかな?)、そのような機会も別途作りたいと思います。

ふるさと納税forGoodさんのご厚意で、鹿嶋市分のプレゼン動画を公開することができるようになりました。

資料は👇


令和6年10月1日、鹿嶋市は「返礼品だけじゃない!使い道ファーストなふるさと納税」クラウドファンディングを開始しましたのでお知らせします。

ふるさと納税 for Good 鹿嶋市トップページ



ふるさと納税戦略室はこんな問題意識を持っています

ふるさと納税戦略室は、現在の「返礼品ありきのお得競争」になりつつあるふるさと納税制度のあり方に一石を投じたく、「まずふるさと納税の使い道から選んでみませんか?」ということを全国のふるさと納税寄附者のみなさんに提案したいと思っています。

ふるさと納税の本来の趣旨は、①地域を応援する「ふるさと納税」をとおして自分の税金の使われ方を考えること、②そして応援するにふさわしい地域とはどんなものか、そのあり方を考えること。

しかし、実態としては「ふるさと納税返礼品として、何をどれだけお得にもらうか?」ということが前面に押し出されて、本来のふるさと納税の趣旨がスルーされていないでしょうか?

ふるさと納税は、ざっくり言えば「寄附金額マイナス2,000円分が翌年度に徴収される税金から差し引かれる制度」。ということは、「税金の前払い制度」とも言えます。

税金の使われ方について、あちらこちらで本来の「使い道」とは違うことに使われている様子などが報道されると、大きな議論が巻き起こったりします。納税者の権利として「使い道」について声を上げています。

しかし、ふるさと納税の「使い道」についてはどうでしょうか?

何の返礼品をもらったかは覚えていても、どこの自治体に寄附をしたのか?何の使い道に使ってほしいと指定したのか? 覚えていますでしょうか?

ふるさと納税の使い道は「自治体にお任せする」というのもひとつの選択です。しかし、納税者の権利でもある「使い道」を明確に意思表示できるチャンスがあるのであれば、行使したほうがいいのではないかと考えています。


どんなふるさと納税の使い道を生活者は求めているのか

地方自治体では、様々なふるさと納税の「使い道」が提示されています。

でも、その「使い道」、どちらかというと地方自治体側の都合によるもので、寄附者が使ってほしい「使い道」とは違うかもしれません。

そこで、寄附者のみなさんがまちづくりにどのようなことを求めているのか調べてみました。

鹿嶋市では、KASHIMA Colorful Base(カシマ カラフルベース)というオンラインコミュニティをクオン株式会社さんと一緒に運営しています。

KASHIMA Colorful Baseに登録しているメンバーは、約5.5万人(R6.10.1現在)。鹿嶋市の人口が6.5万人なので、関係人口としてかなりのボリュームです(しかもドンドン増加しています!)。メンバーの属性は、99%以上が鹿嶋市以外にお住まいで、20‐50歳代の方が中心になっており、ふるさと納税の対象者となっています。

このKASHIMA Colorful Baseでは、生活者のリアルな「声」を聴き、それを鹿嶋市の施策に反映させる目的で、これまでメンバーのみなさんとたくさんの「おしゃべり」をしてきました。意見をぶつけ合うカタい「議論」ではなく気軽に思っていることが話せるような「おしゃべり」ができるよう、我々鹿嶋市職員も話に参加し、気軽に意見が言えるよう間口を広げ敷居を下げる姿勢で取り組んでいます。

これまで「子育てしたいまち・したくないまち」「こんなまちには住みたくない」「寄附金を何に使ってほしいか」「鹿嶋市のふるさと納税を大ヒットさせるためには」など様々なトピックを立てて,多くの「声」を集めてきました。

そして、しかふる1号、KASHIMA Colorful Baseの立ち上げから関わっていて(今年で4年目)、全てのコメントに目を通しています(ガチです)。

これまでに集まった、たくさんの生活者の「声」。これを鹿嶋市の事業や施策に生かしていくために「テキストマイニング」という手法を使って,ひとつひとつのコメントを分類し、「声」の種類や大きさ、関係性などを分析します。

子育てしたいまち・したくないまちの共起ネットワーク
こんなまちには住みたくない の共起ネットワーク

上記のような共起ネットワークだけではなく、ひとつひとつのキーワードがどのような文脈で使われているのかなど、様々な角度で検討してみました。

「思う」というキーワードの前後の文脈を確認

そして、このような分析をとおして、生活者が「まち」に求めているであろう要素を導き出しました。

【生活者の「声」の分析から導出した「まち」に求める要素】
・病院や医療へのアクセスの良さ  ・子育て支援などの福祉の充実  
・活気や賑わい,そこへのアクセス ・治安や衛生環境の良さ  
・自然環境    ・災害への備え    ・教育施設や教育内容の充実

どれも「当たり前じゃん!」と思われるかもしれません。

そうなんです。それ,すごく大きな気づきだと思います。

生活者(≒ふるさと納税寄附者)が「まち」に求めるのは、奇抜なことや物珍しいことではなく、当たり前のことを当たり前のようにキチンと取り組むことだと。当たり前のことに一生懸命な行政を求めているんだと,仮説を立てました。


鹿嶋市の取組みの中から、ふるさと納税で応援していただきたい事業を抽出

生活者の「声」の分析から導出した「まち」に求める要素をベースに、鹿嶋市で行っている多くの事業の中から、決して目立つような特異なことをしているわけではないが,市民生活に欠かせない大切な事業を4つのジャンル、9つのプロジェクトとして抽出しました。

そして,使い道からふるさと納税を選ぶという寄附募集のプラットフォームを開設する,ふるさと納税forGoodさんと一緒にクラウドファンディングを立ち上げました。

下記リンクより,プロジェクトページを参照できます。

【命を守り,支えあう】
1 救急医療対策経費 & 夜間小児救急診療事業 

医師数全国ワースト2位の地域でも、安心して生活できる医療体制を作る!


2 生活困窮者自立支援事業 & 障害者地域生活支援事業

耳を傾け、共に歩む。困難を抱える人を地域で支える鹿嶋市


3 介護予防・地域支え合い事業

ひとりじゃない。地域で支える幸せな老後


【賑わいを生み出し,未来を創る】
4 総合戦略推進事業(新スタジアム周辺のまちづくり)

新スタジアムで紡ぐ、鹿嶋の未来と賑わいの365日


5 港湾振興事業(洋上風力発電建設の推進)

sustainable city KASHIMA & WIND 


6 商工業振興事務経費

鹿島神宮の門前町に新たな賑わいを - 出店のチャレンジを応援!


【安全と安心,住みよい街】
7 ごみ処理施設管理経費 & 清掃美化対策経費

地球にやさしい街づくり:鹿嶋市から広げる資源循環の輪


8 防犯対策事業 & 災害対策経費

みんなで守る鹿嶋市。市民とともに災害・犯罪に立ち向かう!


【未来を担う子供たちを育てる】
9 教育センター活動費 & 英語・国語・算数指導事業経費

なりたい自分へ!子どもたちの願いに寄りそう学びの環境を創出


地域の未来を創るための投資だったり、困難を抱える方々を支えたり不安を取り除くものだったり、ないと生活が成り立たないもの、もしもが起きてしまった時の対応など、生活者にとって当たり前だけどとても重要で、しかも、言われてみないとそういうことが行われていることに気づきにくいものを選び出しました。

今回実施する「返礼品だけじゃない!使い道ファーストなふるさと納税」クラウドファンディングでは,この4つのジャンル、9つのプロジェクトで、全国のみなさんに応援をいただきたいと思います。

実は,今回の取組みに嬉しい応援コメントを寄せていただいております。

 鹿嶋市には2020年、2021年、そして今年もアントラーズのクラウドファンディングにおいてご支援頂いております。今回鹿嶋市が新たに開始する、自治体の取り組みたい課題やプロジェクトを明確に打ち出して寄付を募る「ふるさと納税 for GOOD」は、既存の枠組みにとらわれないかたちで寄付と関係人口を生み出す素晴らしい取り組みだと思います。
 この新たな取り組みをきっかけとして、鹿嶋市の中で新たな挑戦が生まれ、共感する鹿嶋市のファンが増えていくこと、そして今後さらにアントラーズやKXとの連携を通じて鹿嶋市がより魅力に溢れる街になっていくことを期待しています。

株式会社メルカリ 取締役会長
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長
株式会社KX 代表取締役社長
                           小泉 文明

応援ありがとうございます! ともに地域を良くしていきましょう!


ここまで読んでいただいて、もしかしたら、「そんな当たり前の事業を行うお金は、自分たちで用意すべきでは?」と思われるかもしれません。

鹿嶋市が「ふるさと納税」に力を入れている理由

そんな当たり前の事業を行うための財源は自分で用意すべき。

我々もそう思います。

では,なぜ,全国からの応援を求めるのか?

それは,鹿嶋市がなぜふるさと納税に力を入れているのかと同じ問いになります。

詳細については,過去のnoteでまとめていますのでご笑覧ください。

簡単にまとめると,

・基幹産業の構造改革により主要な生産設備が24年度末に休止の見込み
・そこで働く人が,配置換え等で市外へ転出する可能性が大きい
・転出するのは,働く世代やその家族が中心となる 
・働く世代=税を納める世代 市税収入が大幅に減る可能性がある
・市税収入が減ると,市民サービスを行う費用が足りなくなる
・費用不足で市民サービスを低下させなくてはならない可能性がある
・市民サービスを低下させないために,新たな産業を育てて収入を得る
・新たな産業として,洋上風力発電関連産業の見通しが立ちつつある
・しかし新しい産業は,そんなに一朝一夕では育たない
・新しい産業が育って市税収入に繋がるまで【ふるさと納税】で繋いでいく

以上のとおり,当たり前の事業に使う費用が足りなくなるかもしれない。
そんな状況が,もう目の前の来年に迫ってきている。

そんな強い危機感をもって「ふるさと納税」に取り組んでいます。

ふるさと納税制度が,いつまで続くのか。先のことはわかりません。

でも,今,目の前に,当たり前のことを続けるための方法があるのであれば,全力で取り組まなければならない。

そう考えています。

そして,全国の寄附者のみなさんに応援をお願いしたいと考えています。


選べるのは返礼品だけじゃない!使い道ファーストなふるさと納税 

鹿嶋市は,

鹿嶋らしい返礼品と鹿嶋ならではの使い道で,エモいふるさと納税なら鹿嶋

というキャッチフレーズを掲げています。

鹿嶋らしい返礼品で「地域経済の活性化」を,鹿嶋ならではの使い道で「地域課題の解決」を目指していく。そして,返礼品が美味しかったこと,寄附が鹿嶋市の誰かのために使われたことを実感していただき,ほっこりした気持ち(エモさ)を感じてほしいと考えています。

ですので,「返礼品なんてなくしてしまえ!」という乱暴なことを言っているわけではありません。

本当の地域特産品が返礼品になっていれば,地域の事業者のみなさんに返礼品代が支払われ,地域にお金が回ることになります。

返礼品なしでふるさと納税をすれば,市の財源がその分増える
返礼品ありでふるさと納税をすれば,市と地域の事業者が折半する

そのように考えていただいて間違いではないと思います。

鹿嶋市の美味しいもの,選んでください!
鹿嶋市の体験型返礼品,選んで遊びに来てください!

返礼品も選ぶ。でも,まずふるさと納税の使い道に思いをはせる。
「使い道ファーストなふるさと納税」はそのような意味を込めています。

ColorfulBaseで集めている、今のふるさと納税に対する「声」も、鹿嶋市と同じ方向を向いているのではないかと実感しています。

【本音で語ろう!】今のふるさと納税って、ぶっちゃけどう思いますか?

今回のクラウドファンディング。

「使い道ファースト」なんて時期尚早。みんな返礼品やポイントが欲しくてふるさと納税をやっているんだから,失敗するんじゃないか!?

そういう声もありました。

でも,今のふるさと納税に一石を投じ,波紋を広げることはできます。
まずは第1歩を踏み出す。鹿嶋市は,ファーストペンギンになります。

みなさんは,鹿嶋市のどの事業に共感していただけるでしょうか?
みなさんは,鹿嶋市のどの事業を応援したいと思うでしょうか?

鹿嶋市の取組みを通して,みなさんのふるさと納税のあり方,みなさんの住む地域のあり方を,もう一度振り返っていただく機会になれば本望です。

どうぞ,鹿嶋市の応援,よろしくお願いいたします。


総務省ふるさと納税ご担当者様へ
もし、この記事を見てくれていたら、一緒に「使い道ファーストなふるさと納税」ムーブメントを創っていっていただけないでしょうか?

ふるさと納税戦略室、連絡お待ちしております!笑

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