​イキガミについてメモ


国家繁栄維持法
小学校入学時に受ける「国家繁栄予防接種」に使われる注射器の0.1%に「ナノカプセル」を混入させておき、投与された国民を18歳から24歳の間に突然死させるというものである。国民はその時期(死亡予定の18 - 24歳)が来るまで「自分は突然死ぬのでは」という危機感を常に持ちながら成長することになり、その「危機感」こそが「生命の価値」に対する国民の意識を高め、社会の生産性を向上させると謳われている。また、この時期が過ぎる前に子供を作ることは、親の突然死による別離を招く恐れが高いため、25歳以降に子供を作り、生むことが望ましいとされている。(Wikipedia)

設定について
・死がランダムであり1000人に一人という高くもあり低くも感じるような確率であることがミソであるように思える。これくらいだとぼんやりとした死の恐怖として感じられると思う。
・これが100人に一人だと確率が高すぎてむしろ自暴自棄になる人が増えそう。まして死を意識するのは子供である。おそらく漠然としたものでないと自分の感情をコントロールできないのではないか。「まぁ俺は死なないだろうけどひょっとしたら死ぬかもしれない」くらいのぼんやりとした危機感であれば精神崩壊せず日常を送れるような気がする。
・18~24歳で死ななかった人間はその後の人生においてもそれまで訓練された危機感を持った生き方をする可能性が高い気がする。危機感を持って明確な意志で行動することは「良い」ことではあると思う。
・気がするとか思うとか可能性が高いとかおめえの主観だろが、というところもポイントでそういうことをなんとなく思わせることでフィクションとしてのリアリティをギリギリで保つ数字であるように思う。

法の欺瞞、問題
・前提として間違いなく国家による無差別殺人である。
・実際物語にあるように国民に危機感を持たせることで生産性を上げる効果はあるような気はするがその危機感が国家によって強制されたものである。本来そういうものも含めて人の自由の範疇であるはず。
・国家による殺人を合法化している。

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