岡山県開示文書から読むピースワンコの諸問題⑧収容犬200頭に常勤3~4人では少なすぎる!
「収容150頭ではあるが、100頭未満程度にすること」
岡山県動物愛護センターによる認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)の保護犬事業ピースワンコを見る目は段々厳しくなっていきます。
2018年11月14日、愛護センター職員は岡山県高梁市西山地区に完成したばかりのピースワンコ西山犬舎の新しい施設を検査しました。堆肥場跡地犬舎の増築分で、新たに13の犬房とドッグランを整備したそうです。
13犬房の犬の収容能力は合計150頭ですが、愛護センター職員は次のように指導しました。
「入れることばかり考えるのではなく、入ることを抑えること、収容している犬を譲渡することを検討すること」
そして冒頭に紹介したように、
「収容150頭ではあるが、100頭未満程度にすること」
と申し渡したのです。
新しい施設を作ってもすぐに満杯にして、次の増築計画を聞かされることの繰り返し。そうした状況に岡山県動物愛護センターはもう我慢ならなかったのでしょう。収容能力よりかなり少なめに頭数を抑制するよう指導したのです。
堆肥場跡地犬舎は既存施設と合わせて300頭収容可能となりましたが、その時点ですでに200頭前後が収容されていたもようです。動物愛護センターは、「収容頭数2施設で200頭程度に対しスタッフ(常時3~4人)が少ないため、スタッフを増やすこと」と指摘していました。
1人あたりの飼養頭数は50頭以上に相当します。岡山県動物愛護センターは動物取扱業を監督する際、1人あたりの飼養頭数30頭を目安としていて、西山犬舎の現状は人が少なすぎるのです。
ピースワンコの犬舎は清掃を外部委託していているようですが、常勤者のように終日仕事をするわけではないようです。
この検査より少し後、2018年12月6日発売の週刊誌報道に反論する形でピースワンコは「保護犬の飼育には現在、雇用や委託等の契約関係にあるスタッフが計100人以上携わっています。1人あたりの頭数は平均26頭」と明らかにしていますが、常勤者とパート、短時間勤務者の割合がどのように計算されているのか不明なので、常勤者換算すると1人で世話する頭数はもっと多くなる可能性もありそうです。
PWJ/ピースワンコは「100人以上」というあいまいな表現を多用します。
そして犬舎ごとのスタッフ数、収容頭数を明らかにしません。
それゆえ、断定的なことは言えないのですが、西山犬舎はロッジ犬舎も堆肥場跡地犬舎も大幅なスタッフ不足が続いていると思われます。
大西健丞PWJ代表理事やワンコ担当理事を自認している英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授(元・東大教授)は、2021年に環境省が導入する犬猫の適正飼養のための数値規制の要件を満たすための計画を示すことができるのでしょうか?
犬の譲渡団体の場合、スタッフ1人あたりの飼養頭数上限は20頭です。
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