日経・酒井氏と顧問契約なし、PWJの広報会社が訂正・削除・謝罪

動物愛護管理法違反容疑などで広島県警から代表らが2度書類送検されたNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)のPRを請け負うソーシャルピーアール・パートナーズ(SPP)代表取締役の若林直子氏は26日夜、日経BPなど日本経済新聞社のグループ企業の取締役を歴任した酒井綱一郎氏(現在は日本経済新聞出版社副社長)がSPP社顧問であるとするホームページ等での紹介が虚偽であることを認め、酒井氏に謝罪し、掲載を削除したことを明らかにしました。

筆者は日経広報室にも酒井氏とSPP社の関係などについて23日に質問を送っています。調査に必要な時間も考慮して回答は28日までとしていて、日経側の説明を待たねば不明な点もありますが、とりあえず、SPPの若林氏が回答を寄せてくれたことを考慮し、彼女の弁明を先に紹介しておきます。

もちろん、私は説明を鵜呑みにはしていません。若林氏のSNS上の投稿を読むと、彼女は日経グループの規定で酒井氏が顧問になれないことを知った上で、ホームページやSNS上で酒井氏をSPP社の顧問と紹介し続けていた可能性があります。

酒井氏の側もホームページやSNS上で顧問と紹介されていることを知っていたはずです。

利益相反行為があったかどうか、そして顧問としての報酬や契約の有無などは、日経も社内調査するものと思いますので、日経の回答も待ちたいと思います。

契約上の顧問かどうかはあまり重要でもないように思います。実態が顧問かどうか。酒食のもてなし等、報酬のかたちにもいろいろあるでしょう。若林氏が酒井氏をメンターと呼ぶように、もし2人は精神的にも深く結びついた関係にあるとすれば、酒井氏は顧問以上の影響力を持つ存在かもしれないのです。

それにしても日経ビジネス誌の発行元である日経BP社の副社長を「私の会社の顧問」と呼んで、執務室に出入りしたり、ホテルに呼び出したりする広報コンサルタントは周囲にどう映っていたのでしょう。

オンライン版も含めて日経ビジネスなどにこの広報コンサルタントが自慢げに紹介するクライアントの記事が多数掲載されています。日経本社は日経BP社に対し、記事が掲載された経緯や便宜供与の有無を徹底的に調べさせる必要があるでしょう。

「顧問」に忖度して、PWJ代表の大西健丞氏をはじめクライアントたちの提灯記事を書いたりしていないか、しっかり検証して欲しいと思います。

もし、私が日経社長だったら、このコンサルタント会社を出入り禁止にするでしょう。「顧問」と呼ばれてニヤついていた人物、酒井綱一郎氏にも自発的な辞任を期待します。

ホームページなどで若林氏が酒井氏を顧問と紹介し続けた事実は問題が多いと私は思います。

たまたまホームページをリニューアル中という若林さん、SNSフォロワーやホームページ閲覧者に伝わるよう酒井氏を顧問と紹介し続けた理由や、それが事実ではなかったことを周知されてはいかがでしょう。

【SPPと日経酒井綱一郎氏の関係についての樫原の質問と若林氏の回答】

Q SPPのホームページで、酒井綱一郎氏が顧問であると紹介されていました。顧問の役割と報酬の有無を教えてください。現在、ホームページは閲覧できない状態になっていますが、酒井氏が顧問に就任した時期と、もし現在は退任されているとすればいつ退任されたかを教えてください(コンプライアンス上の問題点等を含めて日本経済新聞社にも問い合わせております)

A 酒井綱一郎氏との顧問契約はございません。従いまして、報酬も一切発生しておりません。ホームページの表記ミスをそのままにしてしまっておいたことを
酒井氏にもお詫びをし、削除いたしました。
ちょうどホームページをリニューアルする話し合いをしていたところだったので、今後はこのようなことがないように十分気を付けます。。ご指摘いただき、ありがとうございました。

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