教えて大西さん、シビックフォース代表理事を辞任した理由③質問から逃げ回る代表理事～悲しき「チーム大西」の現実
１、質問への回答なし
認定ＮＰＯ法人ピースウィンズ・ジャパン（PWJ、広島県神石高原町）代表理事の大西健丞氏が今年８月７日、公益社団法人Ｃｉｖｉｃ Ｆｏｒｃｅ（シビックフォース、東京・渋谷、根木佳織代表理事）の代表理事を突然辞任した理由について、私はシビックフォースに質問を送りましたが、回答はありません。
退任した大西氏や後任で事務局長を兼務したままの根木佳織氏はコロナ禍の前からほとんど東京の本部に出勤していないようでした。いつ、電話をしても両名とも不在で、スタッフも問い合わせへの対応に苦慮している様子でした。
所轄官庁の内閣府には代表理事は「常勤（週３日以上勤務）」として届けているのですが、２人は代表者として報酬・給料に見合う仕事を本当にしているのでしょうか？不思議ですね。
２、慶大・神保教授への質問
そこで大西、根木の２人からは回答が来ないものと判断し、私はシビックフォースの前理事、現理事の２人に質問を送りました。
９月４日まで理事を務めていた慶応義塾大学総合政策学部の神保謙教授と、同日付で退任した神保氏の後任理事に就任した佐賀大学高度救命救急センター長の阪本雄一郎教授です。
私は、大西氏の辞任理由は、私が調べてきたシビックフォースからPWJへの資金貸し付け問題に関連しているのではないかと睨んでいました。
まず、神保教授とのQ&Aから紹介します。
私が10月19日に送った質問の要点は以下の２点です。
問１ シビックフォースからPWJには、シビックフォースの期末貸借対照表に記録されない形で巨額の資金が貸し出されています。荒木監事は理事会の承認のもとに行われたと取材で回答していただきました。使途等について事務局や大西氏からは一切の回答がありません。
①どのような目的で貸し付けられたものでしょうか？
②なぜ、シビックフォースの期末決算時点では貸し付け残高ゼロとする操作をしているのでしょうか？
問２ PWJは緊急医療ARROWS事業のため、外部から５千万円の特定寄付を受ける計画を今年度立てています。これはシビックフォースからの寄付なのでしょうか？
３、「事務局に問い合わせを」
これに対し、神保教授からは以下のような回答がありました。
答 小生はCivic Forceの理事（非常勤）に2012年5月に就任し、2020年9月に退任をいたしました。理事に就任した経緯は、大規模災害に対する民間の支援活動、日本国内における政府・民間連携の重要性に共感し、アジアにおける国際的事業に対する助言などを行うことを要請されたことです。
本年同団体理事を退任した経緯につきましては、小生が本年8月末より非常勤の国家公務員を兼職することとなったため、公益法人の理事を退任するべきと判断したことによります。
お問い合わせの件につきましては、恐縮ですが既に理事を退任していることから、Civic Force事務局に照会をお願いいたします。尚、公益法人の運営に関するご質問に事務局や代表理事から回答がない状況は望ましくないと考えます。
ARROWS事業に対する特別寄付については、小生は存じ上げません。Civic Force理事在任中の議題にはなかったと考えております。
最初の質問では、実質的に回答をいただけず、神保教授のいう通り、根木新代表理事兼事務局長に以下のような質問を送りました。
４、根木代表理事への質問
・シビックフォースの期末バランスシート（貸借対照表）には公益目的に使用すべき財産として銀行預金がおよそ４億円預けられています。しかし、その大半は期末前後の一時期を除いて、大西健丞氏が代表理事を務めるＮＰＯ法人ピースウィンズ・ジャパンに貸し付けていることが広島県への情報公開請求で判明しています。
・その金額は2019年1月末３億円、2020年１月末2億５千万円に上ります（ピースウィンズジャパンの1月期末決算時点での残高）。その利息収入とみられる金額は、公益目的の勘定ではなく、法人の勘定に計上されています。シビックフォースの本来の資金の使用目的から逸脱した資金運用（金融機関がピースウィンズジャパンに貸さない資金を代わりに貸し付けている可能性がある）ではないかと繰り返し、問い合わせています。
・ＡＲＲＯＷＳの活動に充当するとして、ピースウィンズ・ジャパンは今期から大幅に事業計画を拡充しています。地元の神石高原町ふるさと納税申請のための事業計画によると、その活動資金には５千万円の寄付を外部団体から受け取ることも記載されています。これはシビックフォースからの寄付金なのでしょうか？これらはシビックフォースの理事会でも報告を受け、承認された寄付計画なのでしょうか？
あらためて点検すると、うっかり、他の理事にあてた質問をコピペしてしまい、大西、根木両氏から回答がない等々の文言も残していたので、そのところは削除し、再構成しましたが、質問の内容は上記の通りです。
しかし、残念なことですが、予想した通り、事務局長も務める根木「全権」代表理事から回答はありません。
寄付を募るときには、ピースワンコのような美談を仕立てて広告に惜しみなくお金を投じ、都合の悪い質問には徹底して沈黙し、逃げ回る。
これが「チーム大西」の悲しい現実、本当の姿なのでしょう。（続）