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ピースワンコの犬鑑札装着状況の報告求める~広島県がようやく実態を把握へ

■法令違反「解消せず」認める

 広島県庁はなぜ、NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、神石高原町、大西健丞代表理事)による狂犬病予防法義務(犬鑑札等の装着)違反行為を放置しているのですか?
 9月14日付で動物取扱業者らの指導監督にあたる県食品生活衛生課と県動物愛護センターに質問状を送ったところ、同30日付で回答が届きました。

 県の回答によると、PWJの保護犬事業「ピースワンコ」に関して、犬の鑑札や狂犬病予防注射済み票の装着状況の報告を求め、実態を把握することにしました。PWJは広島県警から狂犬病予防法違反容疑で2018年6月下旬に強制捜査を受けましたが、湯崎英彦県知事は同年7月、6月末の県の立ち入り調査によって法令違反解消を確認したと虚偽の発表をしていました。

 県警はPWJが狂犬病予防法で義務付けられた登録、狂犬病予防注射それに鑑札や注射済票の装着を済ませていない事実を確認し、書類送検していますが、県が確認したのは予防接種のみでした。犬鑑札の未装着は今年6月、ピースワンコが譲渡適性のない犬を中心に隔離している犬舎がある岡山県高梁市議会の質疑で明るみに出ました。

 広島県は鑑札の未装着などが解消されていないことを対外的には隠し、県の収容犬の引き渡しを中止すると殺処分再開につながるため県知事の虚偽発表の当日からピースワンコへの引き渡しを再開しています。今回の質問への回答でようやく違反行為がまだ解消されていないことを認めました。

 全頭装着が終わるまで県収容犬の引き渡しを中止すべきではないかという質問に対しては、「計画的な立ち入り検査により飼養管理状況を確認するとともに、報告書を徴収するなどして適切に判断いたします」として、法令違反があっても引き渡しを継続する可能性を示唆しました。

 また、SNS上で県動物愛護センターがパルボウィルス対策の消毒をピースワンコに行ってもらったことがあるとの情報が流れていることについては、「そのような事実は確認できない」と回答しています。ピースワンコへの特別な扱いは、パルボウィルス感染対策で便宜供与を受けたことが理由ではなさそうです。

■質問と回答

Q1 立ち入り検査では、鑑札及び注射済み票を装着していない犬の頭数を把握していない、と愛護センター中村所長から電話で説明を受けました。なぜ、調査(検査)の時点で、鑑札や注射済み票が装着されていない犬の頭数を確認したり、ピースワンコから報告を受けたりしないのですか?(今後は頭数を把握する用意はありますか?

A1 ご指摘を踏まえ、報告書を徴収するなどして鑑札や注射済み票の装着頭数を把握することとしました。

Q2 食品生活衛生課への電話による取材では、立ち入り調査のたびに鑑札等を装着するよう指導をしているということですが、頭数を把握しないままで、どのようにフォローアップをするつもりだったのですか?指導したふりを装うことが目的で、現場の担当者とピースワンコとの間で「指導はするが装着しないでも告発しない」と示し合わせていたのですか?

A2 「質問1に対する回答」のとおり、鑑札や注射済み票の装着頭数を把握することとしております。なお、質問にあるような示し合わせはしておりません。

Q3 岡山県高梁市は9月4日にピースワンコ西山犬舎を訪問して、プロジェクトリーダーの安倍誠氏に対し、速やかに狂犬病予防法の義務を履行するよう指導し、9月9日にその指導内容を確認するために高梁市役所を訪れた國田博史国内事業部長にも同様の指導を行っています。厚生労働省も指摘していますが、法令では「装着」以外の選択肢はありません。西山犬舎に移送された犬も大半は広島県動物愛護センターがピースワンコに引き渡した犬ですが、県が決めている譲渡要領等に基づき、全頭への鑑札の装着を見届けるまで県からの犬の引き渡しを中止すべきではありませんか?

A3 本県登録団体への譲渡の継続については、引き続き計画的な立ち入り検査により飼養管理状況を確認するとともに、報告書を徴収するなどして適切に判断いたします。

Q4 facebook上で「県はパルボのメッカでした、殺処分数よりパルボで亡くなる子が多かったのですが、ピースが犬舎消毒をしてくれパルボがぐんと減りました」という指摘を読みました。広島県動物愛護センターでは、おそらく2016年か2017年頃のことと思いますが、①パルボウィルス感染により死亡する犬の数が殺処分数より多かった時期はありますか?②ピースワンコ関係者から愛護センターの犬舎消毒という便宜供与を受けた事実はありますか?

A4 ①そのような事実はありません。②そのような事実は確認できません。

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