ピースワンコ抜き打ち調査~岡山県動物愛護センター、保護犬飼養環境改善促す
1、広島の野良犬、県境を越えて岡山へ
岡山県動物愛護センターが23日、高梁市の山中にあるピースワンコ西山犬舎を抜き打ち調査しました。運営団体のNPOピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)に対し、犬の飼養環境の改善を指導したものとみられます。
「ピースワンコ」はPWJの保護犬活動の事業名です。西山犬舎は、広島県内で保護された野良犬・捨て犬の民間シェルター(収容施設)が県境を越えて岡山県側に設置されたものです。
岡山県は今後、広島県動物愛護センターとも連携してPWJ/ピースワンコに対する監視・指導を強化するでしょう。広島県からの安易な保護犬持ち込みに対して、事実上「待った」をかけることにもなりそうです。
2、30頭に1人配置が最低の目安
PWJ/ピースワンコは2016年4月、広島県内での「捨て犬の殺処分ゼロ」を実現するため、殺処分対象の犬を全頭引き取ると宣言しています。
現在進行中の「ふるさと納税」募集サイトによると、およそ2900頭をシェルターに保護しています。累計引き取り数は公表していません。
西山犬舎は「殺処分対象の全頭引き取り」を宣言した翌年、2017年4月に開設されました。ホームページによると、現在第3犬舎も建設中ということです。野良犬発生源である広島県内で収容しきれず、岡山県側に溢れてきたかたちです。
最近、動物愛護関係者の間で「スタッフが大量に退職したらしい」「収容頭数も急増しているようだ」との噂が流れていました。
実情を調べるため22日に西山犬舎を訪ねた高梁市議会議員の森上昌生さんによると、市有地の旧キャンプ場施設にある犬舎には80頭、少し離れた民有地にある犬舎には600頭が飼養されている、とピースワンコ責任者は説明したそうです。
「昨年訪れた時400頭だった。かなり頭数が増えている」(森上さん)
犬を収容する施設のスタッフ数の目安として、岡山県動物愛護センターは少なくとも「30頭に対し1人」を配置するよう動物取扱業者らに指導しています。
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