資金繰りピンチ!認定NPOピースウィンズ・ジャパン① 再び公益法人資産を借用、利益相反の恐れ、どう解消?

1.Civic Force貸借対照表に記載なし

 財務内容が再び悪化している認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)が所轄官庁の広島県に提出した2019事業年度(2020年1月期)活動報告関係資料によると、決算期末に必要とした資金2億5千万円を、内閣府所轄の公益社団法人Civic Force(法人コードA003708、東京都渋谷区、大西健丞代表理事)から再び借り入れていた事実がわかりました。

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 PWJは2018年度(2019年1月期)末の時点でもCivic Forceから3億円を借り入れていました。2期連続の借り入れです。

 そして奇妙なことに、Civic Forceの2019年度(2019年8月期)末の貸借対照表(バランスシート)には、その貸し借りを思わせるデータがありません。つまり、PWJはCivic Forceからの借り入れをCivic側の決算期にあわせて、いったん解消したようなのです。

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 2つの団体の決算期ごとに同じおカネが行ったり来たりしているわけです。不可解であり、不気味でもあります。

 ともあれ、PWJの2019年度(2020年1月期)決算で借り入れの事実が再び確認されたことは、そのナゾを解くカギとなります。PWJとCivic Forceの間の貸し借りは、実質的には期間1年を超す長期融資であること、そして、貸し手であるCivic Forceの期末バランスシート(貸借対照表)からその事実がつかめないよう巧妙に計画された取引である可能性もうかがわせます。

 なぜ、取引自体を見えにくくし、隠そうとするのでしょうか?

 不自然な資金の動きに関しては、公益社団法人であるCivic Forceも、認定NPO法人であるPWJも浄財を寄せてくれた市民に対し、わかりやすい形で積極的に説明をしていく責務を負っているはずです。

2.「公益目的事業」の預金、大半をPWJに貸す?

 先にも書いたようにCivic Forceの2019年度(2019年8月期)決算資料に、PWJへの貸付金を思わせるような資産は計上されていません。貸借対照表で唯一の「億」単位の資産は特定資産の災害支援引当資産(3億5288万円)のみです。

 財産目録をみると、その資産はほぼ全額、「公益目的事業に使用する目的で保有している普通預金」として三井住友銀行青山支店に預けられていることがわかります。善意の寄付金や助成金などが活動資金のもとになっている公益法人の資産は、簡単には他の目的に流用できないことになっているのです。

 PWJがCivic Forceから借りたお金は2019年1月末時点で3億円、そして2020年1月末時点で2億5千万円です。Civic Forceが銀行や協賛団体などからお金を借りてPWJに転貸することも不可能ではないかもしれませんが、三井住友銀行青山支店に預けた公益目的事業のために使う資金がPWJへの貸し付け原資になったとみるのが自然でしょう。

 そもそも全財産が3億9766万円という小さな公益社団法人です。資産のほとんどをPWJに貸してしまっては事業に支障が出てしまわないものなのでしょうか?                        (続く)

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