岡山県開示文書で読むピースワンコの諸問題①過剰収容解消狙って「四国の有人島に犬のサファリパーク」構想⁉️
岡山県動物愛護センターによる認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)の西山シェルター立ち入り検査記録などPWJが運営する保護犬事業「ピースワンコ」の監督、指導に関する岡山県の行政文書を情報公開制度により入手しました。
開示文書によると、PWJ/ピースワンコは岡山県にも第二種動物取扱業の届出をして、2017年8月から保護犬の飼育など保管事業を営んでいますが、翌2018年4月の時点で早くも岡山県動物愛護センターから「岡山県で収容犬を増やさないようにすること」と指導を受けていました。その後も繰り返し、収容頭数の抑制やスタッフ不足の解消指導を受けています。
こうした岡山県側の指導にも関わらず、当初50頭でスタートした西山シェルターを2018年3月時点では約700頭に拡大しています。スタッフ1人当たりの飼養頭数を30頭以下とする県独自の目安を持っている岡山県だからこそ、頭数抑制指導をできたわけですが、拘束力がないためPWJ/ピースワンコを動かす力には限界があったようです。
施設増強を思いとどまるよう指導する岡山県に対し、四国にもシェルター建設を準備していることを示唆したり、「四国地方の有人島に犬のサファリパークを検討している」と説明したりしていた事実も明らかになりました。
四国の有人島とは、愛媛県上島町に所属する島とみられます。以前、上島町在住者から「犬を飼える場所をPWJが探しに来ていた」という情報を耳にしたことがあります。
上島町は、PWJの打ち出す事業計画の多くが計画倒れ、とん挫していることや、もともと条例で「ふるさと納税」により支援するNPOを町内に主たる事務所を置く法人に限定していることもあって、2021年度以降はPWJをふるさと納税で支援しない方針を明らかにしています。
PWJが岡山県に話した「犬のサファリパーク」構想も具体化せずに終わった事業計画の1つだと思われますが、念のためPWJ本部に確かめてみる必要もありそうです。
「広島県の殺処分対象の犬を全頭引き取り、広島県内の犬の殺処分をゼロにする」と宣言したのは2016年春のことです。動物愛護関係者が危惧した通り、事業計画の無理がたたって、PWJは2018年に狂犬病予防法違反など法令違反を犯していたことが発覚しました。
岡山県側の記録では、広島で収容しきれずに岡山に振り向けられた保護犬の激増と混乱ぶりがはっきりと記されています。PWJ/ピースワンコは、2019年2月から始まる2019事業年度から「全頭引き取り」を中止していますが、いまだ一般の支援者らにその状況を詳しく説明していません。
PWJのスタッフ数もこれまでの対外説明とは一致していないようです。
来週以降、岡山県開示文書の内容を詳しく紹介します。お楽しみに。