備忘録 2015年3月13日 ティーシーワークス不正経理事件の真相を株主に説明すべきだ〜総会屋・小川薫の日経本社来訪で何があったのか?
今年春、日経社員が大量に退職している、編集局でのパワハラの横行もその原因の一つだ、とする月刊FACTAや週刊文春の報道が続きました。日経は20年前の子会社不正経理事件を機に大がかりなガバナンス改革に取り組んだはずですが、まだ改革が不十分だったということなのでしょう。考えてみれば、不正経理の始末にだってずるずる十数年もかけた会社です。2015年3月13日、今から7年前の日経株主総会より二週間ほど前に喜多恒雄社長にあてて電子メールで送った手紙の原文がパソコンにまだ残っていたので、公開します。事件の発見者として、いつか検証しなければと思っていましたが、その作業を少し急がなければいけないのかもしれません。
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社長あての手紙
年頭のスピーチで喜多社長はティーシーワークス(TCW)の処理に言及されましたが、社員、株主として私もこの10数年の出来事の中でこれほど忌まわしい事件はないと思います。財務的な損失だけではありません、社内で憶測、風評がはびこり、無用の混乱、対立を生みました。本当なら袂をわかつ必要のない人たちまで日経を去り、遠ざかっていきました。残念なことです。
昨年の株主総会で「社長在任中に決着をつける」と発言された通り、その清算が最終的に完了したことは、とてもよろこばしいことと思います。
しかし、私は巨額の損失をもたらしたこの事件について、株主や社員、読者などに対して十分な説明がなされているとは思いません。
また、当時、調査を担当した社長室の木村氏から「(株主代表訴訟を提起した)大塚なんかに情報を流しているのはお前ではないか。裁判資料にだれも知らない大分のことが書かれている」と社員食堂の中で恫喝されたことは、今なお忘れることができないほどの屈辱です。TCW事件を機に、そのようにして日経の伝統ともいえる和やかな雰囲気が、社内のあちこちで壊されていったのです。
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