ピースワンコをどうする〜町長選の隠れた大きな争点
公職選挙で応援演説をするのは初めての経験です。広島県神石高原町。あのピースワンコのNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、大西健丞代表理事)が東京から引っ越して本部を置いている山の中の町です。
町役場のある小畠地区と、景勝地・帝釈峡に近い神石地区の2箇所で、ピースワンコの問題点について住民の方々に解説してきました。
ろくに情報を公開もせずに、ふるさと納税の看板を使って寄付を集めまくるピースワンコ対して、疑念や不安を抱く町民が多いことを実感します。候補者の地縁で言えば、神石地区はホーム、小畠地区はアウェイです。しかし、いずれの会場でも聴衆のまなざしが真剣なのです。
役場職員出身の現職はPWJと包括連携協定を結び、災害対応や過疎地医療までNPOに依存してしまいかねない勢いですが、ピースワンコの黒字が吹き飛ぶくらいこのNPOが赤字放漫経営の体質で、借金が15億円にも上っていることを知る町民は少なかったようです。
私が応援した新人候補は会社経営者で、6月に町議を辞職し、今回16年ぶりという町長選に挑みました。町役場がまるでお小遣いにように配る起業向け投資事業の廃止も訴えるなど、経営者ならではの現実的な切り口で町の行財政改革を進めようとしています。現職町長が公開討論会の開催を拒んだのもわかるくらい、ひとの心をつかみ、説得力のある話ができる候補者です。
危機管理マニュアルを作らせるとか、糞尿垂れ流し対策を協議するとか言っていた町役場のトップとして、現職候補はピースワンコの諸問題を正面から議論するのは得策ではないと考えていらっしゃるのでしょうか。昨年7月から始めたピースワンコ問題の検証結果は町長さんと町議全員にお届けしたのですが、残念ながら現職町長さんからは講演の依頼はありませんでした。
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