広島県、神石高原ティアガルテンに処理計画作成を要請、廃棄物の「不法投棄」疑惑
神石高原ティアガルテンの廃棄物不法投棄疑惑を調査した広島県東部環境事務所福山支所は、町有地の公園を管理している株式会社神石高原ティアガルテンに対し、園内に放置した廃棄物を適切に処理する計画を作成するよう指導したことを明らかにしました。
県は9月25日に地元の神石高原町と共同で神石高原ティアガルテンを訪れ、木屑や廃プラスチック、木板などが投棄されていた現場を調査しました。
県・町のゴミ処理担当による事情聴取に対し、町の指定管理者として公園を運営している株式会社神石高原ティアガルテン(河相道夫社長)は木屑などの堆肥化などリサイクル利用や、外部のゴミ処分場への搬出を検討していたと説明し、不法投棄ではないと主張したようです。
現地を調査した県の担当者は「木を伐採したものを堆肥化しようとしていたということだが、法面においていて不法投棄しているようにも見える」と指摘。神石高原ティアガルテン社がいうように本当に「堆肥」にすることを考えていたのなら、堆肥化計画書を作るよう指導したということです。
また外部に廃棄物を搬出するための一時的な置き場だとする神石高原ティアガルテン社の主張に対しても、県は搬出するための計画書を作って提示するよう指導したもようです。
県が調査した当日には、現場で目撃されていた廃棄物のうち廃プラや板は撤去されていたといいます。県によると、神石高原ティアガルテン社はビニールシートなどプラスチック類の廃棄を否定、公園を利用したひとたちが捨てた可能性もあるとのことです。
9月半ば、地元の方からの情報提供をうけて、筆者が指定管理者の神石高原ティアガルテン社に確認したとき、同社のマネージャーは以下のように説明していました。
① 段ボールは業者「オガワエコノス」が引き取ってくれるが、木くずなどは引き取り先が見つからず、今年初めくらいからあの場所に捨ててきた(念を押すと「おいてきた」と言い換え)
② 自分たちの認識では、木は自然のものなので(捨てた場所で)土にかえるだろうと思っていた
③ あの土地は町有地で、ごみ置き場としての利用は町にも伝えていたはず
④ 置いていただけで運び出す予定だった。過去に運び出したこともあるが記録は残っていない
⑤ 運び出すつもりだが、業者や時期は決まっていない。
一時的な置き場と言いつつ、かなり長期間放置していたり、木屑だから土にかえるだろうと思っていたとか、「堆肥化」「搬出予定」という考えが本当にあったかどうか疑わしい内容でした。そのように考えていたのなら計画を作るよう県が指導したのは当然でしょう。
ただ、気がかりなのは、この現場には数年前から付近にある大規模な保護犬シェルターのゴミも捨てられていたという声が地元住民から聞こえてくることです。事実かどうか関係者からの事情を聴いたり、現地を掘り起こしたりして調査したらいいのではないでしょうか?
神石高原ティアガルテン社が町役場にも伝えていたとしている点について、入江嘉則町長宛に質問を送ったところ、町役場からは「確認中です」というあいまいな回答しか戻って来ていません。
町役場としては「不法投棄を認めることはありません」としていて、「詳細な調査については、これから行うこととなろうかと思いますので、現時点では不明です」という現場のゴミ投棄量の把握や、もう一か所ささやかれている別のゴミ投棄場所などについても引き続き調査を行うそうです。
いずれにしてもゴミ処理場を勝手に作ることは法律違反です。場所は町有地ですから町自身の責任も問われるでしょう。本当に今年初めから一時的にゴミを置いてきただけなのかどうか、町役場は指定管理者に命じて現場付近の土壌調査を行わせる必要もあるのではないかと思います。