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教えて大西さん、ピースワンコのこと⑪PWJから「犬事業」の分離・独立を!


■純子夫人と渋谷先生の野心

 「実は渋谷先生と2人で、悪だくみをしております。きょうはピースウィンズ・ジャパンの20周年ですが、今度、開催するときには、ピースワンコ・ジャパングループとしてやりたいなと」

 ピースワンコ初代プロジェクトリーダーの大西純子さんがそういうと、運営団体のNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町)代表理事で夫でもある大西健丞さんもこう答えます。

 「子会社に買収されるような(笑)」

 「渋谷先生」というのは、大西健丞代表理事に誘われて、PWJの理事に就任(2014年4月〜)している渋谷健司さんのことです。前・東京大学教授の公衆衛生学者で、現在はロンドンに拠点を移していますが、PWJの「ワンコ担当理事」を自認されている方です。

 冒頭のやり取りは、ピースワンコ絶頂期の2016年秋のPWJ20周年の祝賀会での発言として、大西健丞代表理事の著書「世界が、それを許さない。」(2017年)に紹介されています。

 妻・大西純子さんに言わせれば、「ピースウィンズを神石高原町に引き込んだのは、私が飼い始めたボーダーコリーだった」ということです。愛犬の運動場を探して歩くうちに神石高原町に行きついたというわけです。大西夫妻の仲睦まじい様子が伝わってくるなんとも微笑ましいエピソードです。

■別法人創設のススメ

 そこで提案です。大西さん、ピースワンコ事業を「子会社」に分離してはいかがですか?

 本当の「会社」にすると、神石高原町の「ふるさと納税」の支援を受けられません。観光・アート支援部門のNPO法人瀬戸内アートプラットフォーム(6月から愛媛県上島町に移転、大西健丞理事長)と同じように、別のNPOを作って、事業を移管しましょう。

 そう「NPO法人ピースワンコ・ジャパン」の創設です。最近も熊本豪雨被災地に災害救助犬とともに駆け付けた大西純子さんに戻ってきてもらい、代表理事も任せてあげたらいかがでしょう。ピースワンコ創設者として経験豊富ですから、現在のプロジェクトリーダー、安倍誠さんをしっかり指導できるはずです。

 PWJの財産を分割しておけば、いざというときのリスク分散にもなります。

■保護犬事業のリスクとは?

 独立すれば、事業単独の収支が明確になり、長期的な事業計画も描きやすくると思います。

 ピースワンコはこれまで毎年大きな黒字を計上してきました。しかし、譲渡適性のないワンコたちを、つい最近まで引き受けていたわけですから、彼らを養っていくお金も蓄えなければなりません。ワンコたちは健康である限り、10年以上生き続けるのですから、いつ制度がかわってしまうかわからない「ふるさと納税」に頼り続けるのは危険です。

 いままでのように「殺処分対象を全頭引き受けます。広島県内の犬の殺処分をゼロにします」と訴えて寄付を集めることは、もうできません。

 全頭引き受けは2019年度から中止しているのですから、「全頭引き受けている」と支援者が誤認しないよう正確に詳しく運営法人を説明していかなければなりません。会員を増やしたり、大口スポンサーを探したりして、犬の養育に使う財源を安定させなければいけない時期を迎えているのではないでしょうか。

 大西さん、あなたは昨年末、支援者への手紙の中で、「事業資金が減り、私は個人として返済の保証をしながら、常識では非営利団体が行わないような借り入れもして、必死に頑張ってきました」と訴えました。

 「多くの友人から『個人でも団体でもリスクを取り過ぎだ』と忠告を受けました」とも書いています。

■赤字部門との縁切りを

 私の分析では、これまではピースワンコは毎年大きな黒字を出していて、事業資金が足りないのは地域創生や緊急支援など犬保護以外は赤字だらけというPWJ全体のことだと思われます。むしろ、赤字放漫経営のPWJの窮状を救うためにピースワンコはたくさんの寄付を集め、そこからの余剰金を本部に上納する役割を背負ってきたとみています。

 あなたはの手紙は、あたかもピースワンコが重荷であるかのように支援者に錯覚させているような印象を受けます。

 私は、PWJの赤字部門の負担軽減に働かされることこそがピースワンコが抱え込んでいる「リスク」だと思います。そしてワンコたちの長い命の保全を考えると、赤字体質のPWJとのどんぶり勘定をここで清算したほうがよいのではないかと思うのです。

 もう一度、同じグラフを掲げておきます。ピースワンコは将来のために蓄えが必要です。PWJの赤字部門はリストラが必要です。縁を切りましょう。

 大西さん、決断のときですよ。

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