そこが知りたい!ピースウィンズ・ジャパン「内輪の人々」とのお金の流れ⑦サポーター獲得に5千万円支払い、お金集めにもお金がかかる
NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)が毎年度公表している事業報告書を読むと、この団体がどんな会社や個人と取引をしてきているのか、すべてではありませんが、かなりのことがわかります。
「特定非営利活動に係る事業 財産目録」(2019年1月31日現在)から少し抜き出して、紹介すると、こんな具合です。
・商品)コーヒーなどフェアトレード商品 5188万円
・未収入金)1月末締分ふるさと納税交付金 佐賀県6474万円、広島県神石高原町310万円、愛媛県上島町193万円
・立替金)広告費用立替金 NPO法人瀬戸内アートプラットフォーム(SAPF)200万円
・前払い金)保護犬事業犬舎用地賃借料前払い金 (株)帝釈峡スコラ35万円
・前払い金)捜索救助チーム育成事業業務委託費前払費用 (株)帝釈峡遊覧船 90万円
・固定資産)航空機 1億1045万円、美術品4億5000万円
・投資有価証券)(株)神石高原ティアガルテン 3000万円、(株)カシワダイリンクス 1250万円
・長期貸付金)NPOアジアパシフィックアライアンス2000万円、NPO瀬戸内アートプラットフォーム1000万円、カシワダイリンクス440万円
・未払金)航空機リース料・委託費未払金 (株)高橋ヘリコプターサービス 1116万円
・未払金)2月給与(2019年1月1日から同31日締め分) 5255万円
・未払金)サポーター獲得広告費 gooddo(株)4820万円
コーヒーは東ティモールでの自立支援でしょう。海外援助活動の中には、他のNGOと同じようにコツコツ時間をかけて育ててきたものもあります。
仮払金はシリア、アフガニスタン、バングラデシュの事業資金提携団体に向けたものが多いですが、東ティモールへの仮払金の大きさ(5649万円)が群を抜いています。
投資有価証券や貸付金の欄に出てくる「カシワダイリンクス」という会社は、東日本震災を受けて福島県から広島県神石高原町に移住してきた旧相馬藩主の末裔という方が経営する牧場です。
同社は原発避難者を受け入れる「相馬ヴィレッジ」を全国各地に作るという触れ込みで、その最初のプロジェクトとして神石高原町に新しいコミュニティを作る事業に取り組むことになっています。
2000万円の資本を一般財団法人東北共益投資基金(東京都千代田区)から拠出してもらってもいますが、その後の進捗は検証が必要です。
未払いの欄にあるgooddoという会社にPWJは5千万円近く支払う義務があるわけですが、ここは社会貢献プラットフォーム「gooddo」の運営、非営利団体及び非政府組織に対する広報の支援およびコンサルティングを業務としているようです。
PWJの成長(膨張)は、こうした専門サービスを買うことで可能になっています。会員や寄付金を集めるにもずいぶんとコストはかかるものです。
新聞や雑誌に記事を売り込む広報コンサルタントともそれなりの金額を払って契約しているはずですが、この事業報告書からはわかりません。
本部のある広島県神石高原町や愛媛県上島町など取り組んでいる地域創生事業にはNPO法人瀬戸内アートプラットフォーム(SAPF)という別法人を立ち上げています。
別法人であってもPWJがお金を貸したり、費用を立て替えたり、会社に例えれば子会社みたいな存在なのですが、収支の状況や責任の所在は明確になります。
保護犬事業のピースワンコもいっそ別法人にすれば、お金の使い方や責任のあり方もはっきりするのではないでしょうか?
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