PWJ/ピースワンコ対策、県の田中剛・健康福祉局長と入江嘉則・神石高原町長との協議内容明かさず、広島県書面回答から⑤
神石高原町はNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の懐事情を勘案してか、広島県に財政的援助などを検討するよう申し入れています。
入江嘉則町長の陳情相手は田中剛健康福祉局長です。田中氏は国からの出向者です。広島県に着任する前からPWJ理事らと親しい関係にある人物で、PWJが2017年末、狂犬病予防法違反の疑いを持たれていた時、医療・がん対策部長だった田中氏はPWJからの相談を直接受け取り、部下である食品生活衛生課長らに検討を指示しました。
田中健康福祉局長と神石高原町やPWJとの関係について、広島県広報課に問い合わせしていたところ、9月20日付で担当の健康福祉局から電子メールで回答が来ました。
以下はその全文です。
Q1 神石高原町長は2018年12月7日の町議会質疑で、狂犬病予防法違反で代表らが書類送検されたピースウィンズジャパン(PWJ)問題について県健康福祉局長と2回ほど会談したと答弁しています。会談は事実でしょうか?
A1 神石高原町長と話をしたことは事実です。
Q2 町長によれば、会談では「経費の問題」「持続可能な枠組み」「譲渡先拡大(10か所程度)」などが話し合われたとのことです。県はそれぞれについてどのような見解を示されたのでしょうか?
A2 神石高原町とはお互いに連携し,情報共有しながら対応することを確認しています。
Q3 PWJは医療・がん対策部長時代から田中局長に狂犬病予防法注射の遅れ等について特段の配慮を直訴するなど、動物愛護センターからの指導を飛ばし、田中局長に直接相談し、田中局長も部下にPWJの言い分を聞くよう指示したことが明らかになっています。今年6月、動物愛護管理法違反で書類送検された後、PWJの大西代表から直接相談を受けたことはありますか?
A3 局長が外部から相談等を受けた場合は,担当部署にその内容を伝えることになります。なお,局長からPWJの言い分を聞くよう指示を受けた事実はございません。
(回答者:広島県健康福祉局 健康福祉総務課・食品生活衛生課)
県と神石高原町が話し合っている内容はとても重要なのですが、広島県は情報公開でも黒塗りにして説明を拒んでいます。
神石高原町長は、県によるSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)型の財政支援、つまりPWJが捨て犬を引き取った分、県の仕事の肩代わりをしているのだからそれに見合う財政的な援助があってもいいのではないか、ということについて話し合っていると議会などで度々説明しています。
隠し立てする必要もないことに思えるのですが、県は頑なに内容の説明を拒むのです。県の動物愛護センターと関わる多くの譲渡団体、ボランティアの皆さんにも影響があることなので、もっとオープンに話し合うことを期待します。
◆参考◆
2018年12月7 日 神石高原町議会
入江嘉則町長答弁
「県の健康福祉局長とこの書類送検があった時期から2回ほど直接お会いをして,そういう経費の問題とか持続可能な仕組みづくりを一緒に考えていきましょうという話をしてます。県のほうも,先ほども申しましたように三原の動物愛護センターからピースウィンズにだけ来てるんではなくて,今その譲渡先を探していると,今10カ所程度増やしてるんだと」
「それから3年後というふうに言われたと思いますけれども,県が譲渡センター,大規模なものをつくると,そうするとかなり数が減ってくるんだろうというふうに県のほうも,今がピークだろうというふうな認識でおられました」
「私も県と,県のほうも動物愛護センターの経費を何とかならないかというお願いをしているところですけれども,県のほうもまだ,じゃあわかりましたとは言ってくれてませんから,また引き続きしっかり協議をしていきたいというふうに考えております」
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