大西健丞さん、お願いです!ピースワンコの黒字を法令順守のために使いましょう!西山犬舎、大半の犬が鑑札未装着、散歩にも連れ出せず?
クリスマスの立ち入り調査
新年早々、少し気が重くなるような話を聞きました。岡山県高梁市にあるピースワンコ西山犬舎の様子についてです。高梁市役所の市民生活部環境課が2020年12月25日に狂犬病予防法の順守状況を調査に行ったところ、西山地区に2か所ある犬舎のうち「堆肥場跡地犬舎」とも呼ばれる民有地に設置されている犬舎では、収容されているおよそ580頭の犬の大半が、犬鑑札や狂犬病予防注射の注射済票を装着できていない状態だというのです。
市の幹部によると、散歩に出ることができる状態の犬の犬房には、いつでも装着できるよう鑑札を付けた首輪が置かれているようですが、そうした犬はごく一部ということです。首輪を取り付けられるほど飼いならされていない野犬が多く、1つの部屋に1頭から10頭程度まで群れごとに収容されているのだそうです。
西山犬舎の一般公開を
にわかには信じがたいことです。犬房はその中で運動してストレスを発散できるくらい十分な広さがあるのでしょうか?「見かけ上は衛生的に管理されていた」ということですが、もしも、長期間にわたって同じ犬房の中に閉じ込められた状態のままであるなら、犬たちはかわいそうです。
ピースワンコ運営団体である認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)には、ぜひ、岡山県高梁市の西山犬舎を公開していただき、メディアや動物愛護関係者に見学させて欲しいと思います。
市は狂犬病予防法で義務付けられている通り鑑札や注射済み票を犬に装着するよう指導し、犬を一頭ずつケージに分けて収容したり、トレーニングによって首輪を装着できるよう馴らしたりすることも助言したようです。野犬なので逸走防止も徹底するよう求めたもようです。
野犬トレーナーを確保できるのか?
ピースワンコ側は、市に対して、今年春にはスタッフを増員する計画だと説明をしたようですが、野犬を譲渡可能な状態にできるくらい高いスキルを持つトレーナーを確保できるのでしょうか?
「ふるさと納税」を含めて年間10億円程度の寄付を一般から集めているピースワンコは、決して順調とはいえない保護犬事業の現状とこれからの展望について、ホームページや寄付募集サイトで誠実に説明をしていって欲しいと思います。
市の調査は、狂犬病予防法に基づく登録や予防注射に関する義務が履行されているかどうかを点検することが目的なので、犬の世話をするスタッフの数や施設の大きさなど飼養環境に関しては調べていないようです。
2020年10月半ばに、高梁市環境課が岡山県動物愛護センターと共同で調査した際は、その対象が数十頭を収容する市有地(キャンプ場用地)に立つ比較的小規模な犬舎(ロッジ犬舎)だけだったので、「犬鑑札の装着は8割以上」(高梁市幹部)でした。
ピースワンコの収支は黒字
西山犬舎全体では、「収容頭数がやや減少傾向にある」(市幹部)ものの、狂犬病予防法上の義務の履行が不十分な状態は続いています。運営団体のピースウインズ・ジャパンは、事業部門別に収支をみると、多額の寄付収入で毎年億単位の黒字を計上しているピースワンコ部門の資金を他部門の赤字補てんに使ったりせず、トレーナー確保を含めてピースワンコ部門の法令順守のための投資に優先的に充当すべきです。