譲渡適性で犬を選別処分④「背伸び」に懲りた?ピースワンコ、引き取りを週13~15頭に抑制

1、譲渡申請書を開示請求

 譲渡を受ける個人や団体が広島県動物愛護センターに出す申請書のうち2019年度分の情報公開するよう求めて、ピースワンコの実際の引き取りの状況を確認してみました。

 文字の判読が難しい書類もあるため、集計結果はあくまで参考値(速報)として示しますが、2019年度中の実績はPWJ/ピースワンコ636頭、エンジェルス451頭、その他団体40、個人135でした。

 これまでピースワンコ対策を議論する県庁内の文書では、団体別の譲渡数が黒塗り、非開示扱いになっていたので、県が公開を拒むかもしれないと思って1年分しか請求しなかったことを後悔しています。

2、出入りのバランスも考慮?

 ピースワンコは毎週火曜日を中心に県動物愛護センターの収容犬を引き取りますが、引き取り数を13頭もしくは15頭に制限している様子がうかがえました。

 PWJが広島県に提出した2019年度事業報告では、同年度中にピースワンコが個人飼い主に譲渡・返還できた保護犬は648頭とあります。

 譲再び法令違反に問われ、処罰されようものなら動物取扱業が廃業に追い込まれてしまいます。個人家庭などへの再譲渡数や収容中の死亡頭数などを勘案して、シェルター全体での収容頭数が増えないようにしているのでしょう。ピースワンコというPWJのもうけ頭を失うことは避けたい、という気持ちも働いているのかもしれません。

3、「殺処分拡大」で譲渡数は減る

 滋賀県からやってくるエンジェルスのほうは、子犬が多いこともあってか一度に30頭から40頭をまとめて引き取っていくことも珍しくありません。

 県による犬の譲渡頭数は合計しても1200頭台で、前の年度(譲渡数1479頭)より200頭余り減っていました。攻撃性のある犬など譲渡に向かないと判定された犬を県が安楽死させる方針を1月に決定し、実施しているため、これまでは「全頭引き取り」を掲げるピースワンコが連れ帰っていたワンコたちも動物愛護センターのもとで安楽死処分されてしまったからです。

 広島県は団体別の譲渡頭数を非開示にしていたので、比較が困難ですが、エンジェルスに尋ねたところ、同団体は2018年度とほぼ同水準で推移しています。県から譲渡数が減ったのは主にピースワンコ分ではないかと思われます。

  

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