ピースの方舟〜中古の客船「ニューいぶき」はどこへ行く
また新たな「ふるさと納税」の寄付集めの「道具」として手に入れてきたのでしょうか。広島県の認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、神石高原町、大西健丞代表理事)が、なんと船齢26年という300人乗りの中古客船を購入して愛媛県上島町の岸壁に係留していたことがわかりました。
他に利用者もいる公共の施設なので、期限を超えての長期係留は困ると町役場から移動を求められて、1日に渋々ながら出航したということです。
上島町役場とはヘリコプターなど災害時などに活躍する乗り物の発着場を利用できる協定を結んでいたそうです。「救助船」として活用するのだから離島の施設くらい好きなように使わせてくれるだろうと思い込んでいたのでしょうか?
過疎地医療や災害時の支援に活躍するのだったら、もう少し事業計画を関係自治体に具体的に説明した方が良いです。
それにしても1994年竣工の引退客船の改造や災害時のオペレーション訓練など、いったいどんな事業計画を立てて、費用を工面するつもりだったのか興味津々です。手入れ次第ではまだまだ活躍できる船だと思われますが、財務諸表を見る限り、PWJは負債が膨らみ続け、お金に困っているはずです。
殺処分されそうな犬を救うといって悲しげな犬の映像を流して寄付を募るピースワンコのように、近いうちこの引退船の再生美談が仕立てられるのでしょうか?
PWJに客船を売ったのは香川県観音寺市でした。離島の伊吹島航路に就航させていたのですが、新船建造により退役する船を公売にかけたのです。
観音寺市役所から電子メールでこんな回答があったのは11月30日でした。
◆旧船「ニューいぶき」の取り扱い状況についてですが、こちらにつきましては新船の就航に伴い行政財産としての役目を終了したため、船体及び付属機器(備品含む)は公売により処分することとし、R2年8月5日執行の入札により売却先を決定し、R2年9月4日に売却手続(船体等の受け渡し)を完了しております。したがいまして、現在の「ニューいぶき」の所在や運用状況につきましては観音寺市は把握しておりません。(中略)費用負担につきましては、売買契約代金の7,777,777円と所有権移転登記(ピースウィンズジャパン様が実施)に係る費用をご負担いただいております。
http://www.wakanatsu.com/photo/newibuki.html
以上のような内容で「売却後の使用目的については特に確認は行っておりません」ということでした。
それにしても、ヘリコプターといい、クルーザーといい、ここの代表の大西健丞さんはまるで乗り物オタクのようですね。この客船、いったいどこを母港にするつもりなのでしょう?
行き当たりばったりで、事業には使わず、外国にでも売り飛ばす結果になりませんように。汗を流してお金を稼ぐことを教えてあげたい気持ちです。