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瀬戸内の海辺を走ってみる〜コロナだから「密」を避けたクルーズに出かけたい

 瀬戸内海をクルーズしてみたいんだという友人を案内して、今週、神戸から岡山、広島、愛媛の海辺を車と海上タクシーでぐるっと回ってきました。
 岡山県の牛窓は、小豆島にも近くまるで地中海のようでした。百貨店オーナー一族が運営しているホテル・リマーニには専用桟橋もあってヨットで直接乗り付けることも可能です。だけど、最近人気を呼ぶ大型のヨットやクルーザーの接岸は難しいようでした。


 愛媛県の弓削島は外国人にも人気のスポットで、今年度から新しい体制になった「海の駅」では英語堪能でヨット好きのスタッフが世話してくれます。外国人所有の大型ヨットの管理を請け負っている外国人定住者もいるそうです。


 先日の町長選で当選し、4年ぶり4期目の就任が決まった上村俊之次期町長は80〜100フィート級のメガヨットが停泊できる港を整備するお考えのようでした。海辺の風景がとてもゴージャスになるかも知れませんね。
 岡山県の笠岡諸島も海上タクシーでぐるりとまわりました。真鍋島には古い小学校を移築した宿「三虎」が専用の桟橋を持っていて、海上タクシーやヨットが接岸できます。今回は港めぐりを優先して宿泊せず、北木島、白石島などを訪問しました。地元魚介類の美味しそうな料理は次の機会にお預けです。
 笠岡諸島の魅力は小林嘉文笠岡市長のFacebook投稿で知りました。定期航路もありますが、グループでの旅なら海上タクシーも意外と便利で陸上のタクシーよりむしろ割安に利用できるかもしれません。
 友人は息子さんがアメリカで飛行機操縦の教官を務めているとあって、市長おすすめの農道空港に興味津々で、さっそく見学しました。


私も若い頃、農林水産省の取材を担当していて、当時の加藤六月農相(加藤勝信官房長官の岳父)が農道空港建設構想を発表し、記事を書いたことがある懐かしの空港です。友人はここへ「飛行訓練の学校を作ればいいのに」という感想を漏らしていました。
 農道空港は当初の目的だった農産物出荷には使われていませんが、ラジコンマニアの聖地になったりしてイベントが絶えないようです。飛行訓練もできるようになるとおもしろそうですね。

次に向かったのが尾道のマリーナ「ベラビスタ」です。70フィートくらいの長さがあるイタリア産の大型クルーザーの優美な姿に見惚れてしまいました。100フィート級の大型艇、スーパーヨットが停泊できるバースも新設していました。ホテルからの眺めやレストランの食事も群を抜いて素晴らしいものでした。
 平谷祐宏尾道市長を表敬訪問したところ、尾道中心市街地にある「海の駅」もスーパーヨットに対応する方向で桟橋の改造など準備を進めているということです。
 尾道起点の本四架橋「しまなみ海道」がサイクリングの名所として国際的に知られるようになって、外国富裕層の瀬戸内への関心は高いようです。


 コロナ禍でインバウンドの観光は途絶え、いずれ復活するとしても昨年までのような大型豪華客船で一度に数千人がよし寄せる「密」な観光より、個人やグループが日本の海辺の景色と料理を楽しむゆったりした観光が伸びていくのでしょう。きっと。

 ところで、ベラビスタから尾道市街地へは陸路よりも近くの戸崎港からいったん渡船で向島の歌桟橋に渡り、そこから橋を渡るのが近道です。そう友人にアドバイスしてクルマを走らせたところ、道に迷い急斜面の狭い舗装路で脱輪、あわや横転かという危機に遭遇しました。

 レッカー車を救援に呼ぶにも時間がかかって夜になってしまうかもしれません。ダメでもともとのつもりで付近の民家庭先で仕事中のおじいさん達に相談したら、救出に来てくれました。その坂道、時々脱輪があるのか、斜面に落ちた後輪の下にコンクリートブロックひとつ置いただけで、指示通りにハンドル操作をしただけで路上に戻ることができました。

「わしら、専門家じゃけ。いう通りにしてみい」

 ホントにその通りでした。アドバイスするだけではなく、危険を顧みず斜面に降りてクルマを支えてくれました。坂道を引き戻し、渡船に向かいましたが、わずか15分余りの間に、2つの世界を行き来したような気分になりました。
 歳をとるならこういうじいさんになりたいものです。ありがとうございます、尾道のおじいさんたち❗️感謝です。

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