マジパン細工を続けている理由②
こんにちは、うめ木です。
こちらは、前回に続く内容になります。
少し長くなりますので、
…いえ、長い上に過去作品の写真を載せているのでとても恥ずかしいのですが、
温かい目で見てくださると嬉しいです。
県内洋菓子コンテスト初出品
恐怖のうさぎマジパンから早1年半、
マジパン細工を始めるにあたり、まずひとつ作品を作ってみることにしました。
ちょうど良い時期でもあったので、約1ヶ月後に開催される県内洋菓子作品コンテストに出品することにしました。
過去の受賞作品写真が教科書に
何から手を付けたらいいのか分からなかった最初の頃、無心になってやっていたのは、
過去にジャパンケーキショーで撮影した受賞作品の写真をひたすら観察することでした。
その時に役立ったのが、正面だけでなく、多方向から撮影した写真です。
洋菓子協会が発行するガトー誌に掲載されるのは正面の写真のみです。
しかし、優れた作品は横から見ても後ろから見ても粗がなく作られています。
展示方法によっては難しいかも知れませんが、自分が気に入った作品は、是非色々な角度から観察してみてください。
ありとあらゆることが手探りの中で、様々な画角から撮影した作品写真を観察することが制作の大きなヒントになりました。
たくさん写真を撮っておいてよかったな、と過去の自分に感謝したものです。
処女作にもらった評価
千葉県洋菓子作品コンテストは、
作りたいパーツの中から自分に出来そうなものがないかを探して試すことを繰り返す。
消去法のような、限られた技術のコラージュのような、そんな作品づくりでした。
かろうじて出来上がった作品で、私は金賞を取ることができました。
今振り返ると大変に稚拙なものですが、あの時に評価していただけたことが、今もこうやってマジパン細工を続けているひとつのきっかけになっています。
実のところ少し拍子抜けしてしまったのは今だから言える話なのですが…
そんなこんなでいきなり賞をいただいてしまった私は、秋に開催されるジャパンケーキショーの出品資格を得て、国内最大規模の製菓コンテストに挑戦することになりました。
ジャパンケーキショー東京初出品
当時はまだジュニア枠(22歳以下)で出品可能だったにも関わらず、何故か一般枠で出すことにしました。
その判断の良し悪しに関しては未だによく分からないところですが、背伸びをしても周りの先輩方と同じ土俵で戦ってみたかったのだと思います。
デザインを考える難しさ
作品づくりを始めるにあたり、当然ながらデザインを考えなければなりません。
ジャパンケーキショーを見学した際にも
「この人の作品はすごく繊細で上手なのに何故入賞していないのだろう…」
と思うことが何度もありました。
コンクール出品において、デザインを考えることは大切だとは理解しつつも、アイデアというのはそうそう出てくるものでもなく…
すぐに行き詰まってしまいました。
そこで、当時の職場の上司が助言してくださったのが
ディズニーランドのウィンドウディスプレイを観察すること!
これに関しては、こちらの記事に詳しく書いています。
ただ、残念ながら当時の私はここまでの考えに至ることはなく…
『私もこんなかわいい作品が作りたい!』
という制作意欲だけを燃やしてディズニーランドから帰還したのでした。
デッサンすら描けなかった作品づくり
完成イメージ(理想)はあったものの、当時は自分に作れるものと作れないものの判断も出来ていなかったので、下絵を描くこともままなりませんでした。
地方予選と同様、作ることのできたパーツを組み上げていくしかなかったので、予定はあくまでも予定でしかなく、常にデザインを変更しながらの作業が強いられていたという記憶があります。
そんな中での私のモットーは、
私にも作れる簡単なパーツで、でも粗を見せないでした。
今考えると、結構的を得ていたのではないかとも思いますが、
デザインが思い通りには作れない分、マジパンそのものの艶や、作品の発色で見た人の目を惹くように意識しました。
作っては壊すを繰り返していたので、搬入までの時間的な余裕はなく何とかカタチにして出品しました。
搬入日の夜、受賞の連絡を受けたときは、ただただ驚きしかなかったことを覚えています。
ギリギリのラインで銅賞に滑り込ませてもらったことは、展示会場で自分の作品を見てすぐに分かりました。
上位入賞作品と比較すると、技術力も構成力も圧倒的に不足していました。
それでも、トラウマのあったマジパンを再び触り始めて約半年で全国コンテストを受賞できたことは自信になりました。
何より、パティシエの仕事の中で【得意なこと】がひとつ増やせたことがとても嬉しかったです。
県内洋菓子コンテストリベンジ
マジパン細工からは一旦離れクリスマスからホワイトデーの繁忙期を過ごし、翌年の春に再び県内洋菓子コンテストに出品しました。
経験値も技術も、多少は成長したはずなのですが、結果は前回同様の金賞でした。
振り返ると慢心があったように思いますし、この金賞はすごく悔しかったのを覚えています。
【人は、やって失敗したことよりも、やらなかったことに後悔する】
とはよく言ったもので、本当にその通りだなと思いました。
いつかまたコンテストに
その後、転職を経て自分のライフスタイルも変わり、コンテストに出品することからは遠ざかってしまいました。
しかしながら、未だに
てっぺんを取るまでマジパンから卒業できない
という想いがあります。
実力はさておき、出品しなければ1番を取れることもないので、再挑戦の時を密かに画策しています…
これが現在もマジパン細工を続けている大きな理由です。
…ですが、次にいつコンテストに出品するかも決めていない中でマジパン細工を続けることができたのは、
「マジパンにハマる瞬間があった!」からなのです。
※ハイキュー‼︎の名シーンより
そしてマジパンを続けてきたからこそ、マジパンやコンテストを通してたくさんの人と繋がることができました。
マジパン細工を続けている理由シリーズの最後は、私がマジパンにハマった瞬間について書きたいと思っています。
誰得な自分語りは難しいですね…
乱文長文を最後まで読んでくださりありがとうございました。