コードフォーイマバリ大手通クエストに参加して
参加の経緯
シビックテックの活動に興味のあった筆者は昨年の10月頃、知り合いとの会話でコード・フォー・イマバリについて知り、入会に至った。
今回の「大手通クエスト」はコードフォーイマバリ2回目の街歩きイベントであり、満を持して参加させて頂くこととなった。
コードフォーイマバリとは
まず、コードフォーイマバリってどういう団体なの?と思った人の為にこの場を借りて(僭越ながら)説明させて頂こう。
「コード・フォー・イマバリ」は、テクノロジーやデータを活用して今治市やその近隣地域の社会的な問題を解決し、住民のウェルビーイングの実現や未来志向の地域社会づくりを目指す団体である。(参照:コードフォーイマバリHP:https://www.code4imabari.org/)
具体的には、写真を通じて今治の「昔」と「今」を結びつける「今治今昔写真」、今治市の街歩きマップデータ「オールドイマバリ街歩きマップ」などの活動が挙げられる。
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もとより、コードフォーイマバリの前身がこれらの活動にあたるそうだ。現在は、国内最大のシビックテック組織「Code for Japan」のブリゲート団体となっている。
ちなみに今治出身でなくとも、今治にゆかりのある人や活動に興味のある人は誰でも入会可能である。(かくいう筆者も郊外出身者である)
いざ、「大手町クエスト」へ
オリエンテーション
11時、今治ホホホ座へ集合。会場はすでに大盛況となっていた。
まずは、今回の街歩きのスペシャルゲストとしてドンツキ協会会長の齋藤さんが登壇。
路地に潜む袋小路、即ち”ドンツキ”について、公式ガイドブックに目を通しつつその魅力や見つけ方、分類の仕方までご指導を受けた。
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東京・向島のドンツキをはじめとし、全国各地で出会った魅力的なドンツキを分類学に基づいて紹介していただいた。
齋藤さんは、お気に入りのドンツキについて3Dフォトグラメトリを施し、デジタルアーカイブとして残すことがあるそうだ。(通称DDA:ドンツキ デジタル アーカイブス)
永久に変わらぬドンツキの姿を鑑賞することが出来る、ドンツキ×デジタルアーカイブの相性は抜群である。
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(出典:コード・フォー・イマバリ)
ドンツキの成り行きや誕生秘話などを交えながらレクチャーして下さり、密度の濃い30分となった。
続いて、オールドイマバリの提唱者であるBAR ROKUSANの小池公一さんと、コード・フォー・イマバリ代表モリリューさんによるクロストーク。
オールドイマバリのコンセプトやコードフォーイマバリ設立の経緯について語ったのち、今回の大手通クエストで巡る計7か所の目玉スポットを紹介。
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各スポットにあるステッカーにスマホをかざすと、コードフォーイマバリの公式マスコットキャラクター「座迎夢(ざげいむ)ちゃん」のNFT(デジタルカード)がGETできるそうだ。
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ゆるかわな雰囲気のある、なんとも愛らしいマスコットキャラクターである。
7カ所のチェックポイントに潜む座迎夢ちゃんを全て集めると、ご褒美として今治の老舗「あわびや餅店」さんのバター餅がいただけるとのこと。これはコンプリートせねば。
前回同様、進行役の片上さんとの和気藹々とした掛け合いも相まって、今治の歴史をインプットしつつの楽しい時間となった。
街歩きへ出発!
昼休憩の後、ホホホ座を出ていざ街歩きへ。
大手通クエストのルートは、今治城の外堀(三の堀)だった金星川の川岸端から始まり、今治城本丸への入り口となる美保義橋が終点となっている。
商店街横の金星川沿いを歩いてクエストの巡回スポット「川岸端」から「辰之口」へ。
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海に繋がっている金星川だが、覗いてみると今日はかなり水位が高くなっているようで。
引き潮時は川へ降りる石階段の跡なども見られるそうで、こんな風に潮の満ち引きによって姿を変えるのも金星川ならではと言えるだろう。
辰之口に到着。ちなみに辰之口は地名ではなく、この界隈(区画)につけられた名称である。それにしてもなぜここが辰之口なのだろうか。
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小池さん曰く、東京にもかつて「辰ノ口」(現在の丸の内)があり、そこに東京電話交換局が設置された歴史があったそうだ。この辰之口近くの建物を観察してみると、「今治電信発祥の地」というプレートを発見。つまりこの辰之口という名称は、今治の情報通信発祥の地として東京の辰ノ口にあやかってつけられたと考えられるそうだ。
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その後、辰之口から今治城方面に向けて、今治の繊維業の始祖といわれる興業舎第一工場跡の赤レンガの壁を拝見。なかなかのスケールである。
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すぐ側には、今治にて大正8年創業の歴史を誇る青鬼運送本社があり、特別に戦後から今まで残る馬小屋を見学することができた。
その後も、着々と道中でコスプレ姿のNFT(座迎夢ちゃん)を集めつつ進んでいったのだが、今治城が近づくにつれて、石垣だったと思われる岩が道中で散見された。
埋め立て後とはいえ、やはりお堀に使われていた石垣は、姿を変えて今も尚残っているところは感慨深いものを感じる。
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大手通を抜けると、ついに今治城の土台を成す巨大な石垣が目前に広がった。数十メートルは離れているにも関わらず、なかなかのスケール感である。石垣の上の角っこにはかつて天皇がこの地を訪問された際に立てられたであろう石碑が聳え立っており、天皇様様といった感じが伝わってくる。
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その後、美保義橋で最後の座迎夢ちゃんを捕獲し、楽しい街歩きの時間はここで終わりとなった。
初トゥクトゥク
なんと、今回の街歩きにはトゥクトゥクも参戦。
トゥクトゥクという乗り物があることは知っていたが、これまで乗ったことがなかった為、すかさずクエストに参加していた子供達の後を追って筆者も乗せて頂いた。
後方部から乗り込むと、中には6人ほど座れるベンチが。
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トゥクトゥク、正直バイク寄りなのか自動車寄りなのか気になっていたのだが、運転席を覗くとハンドルはバイク仕様になっている。
アクセルもバイク同様ハンドルのグリップでかかるそうで。(しかしブレーキは足元らしい)
運転手の方曰く、乗り心地はどちらかというとバイク寄りらしい。
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このトゥクトゥク、噂に聞いたところ100キロ近い速さが出るらしい。
高速道路も走れるそうだが、想像してみるとなかなかシュールな光景である。
乗り心地は非常に安定しており、ベルトなしでも快適に街歩き(街乗り)を楽しむことができた。
クエストを終えて
昨年からコードフォーイマバリのイベントに参加させて頂いている筆者だが、やはり今回の「大手通クエスト」も小池さんのパッション溢れるナビゲートに加え、ドンツキ協会の齋藤会長によるドンツキレクチャー、Bigisland-tukさんのトゥクトゥクとかなり盛り沢山なイベントとなっていた。
今治市内はもちろん、私のように郊外からの参加者も多数居り、参加者間の交流を通じてオススメのパン屋さんや食事処を教えて貰ったり、昔はここにこういう場所があったという話が飛び交ったりと非常に有意義な時間となった。
自分1人だと、ここまで今治の街の魅力を堪能することはできなかっただろう。
クエスト後は今治市内の「あわびや」さんに赴き、無事ごほうびの“バターもち”をGET。
バターの香りとやさしい甘みに餅の柔らかな食感がマッチしていて、美味しく頂くことが出来た。
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(出典:コード・フォー・イマバリ)
「大手通クエスト」また参加したくなるような、楽しいイベントとなった。
<完>