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103万円を178万円
年収103万円の壁を178万円になると、月いくらまで働くのがいいのでしょうか?(東京都23区在住K/Tさん40歳パート主婦)
NPO法人マネー・キャリアカウンセラー協会に相談がありました。https://rika.sakura.ne.jp/cca/
24年10月からは手取りが1万円以上減らされるので月8.8万円以下で働いています。51人以上の会社でパートとして働いているので、106万円(月8.8万円)以上だと社会保険料(健康保険、厚生年金)が給与から引かれるためです(*1)。
今後は、178万円まで働いても損しないのでしょうか?
現状は基礎控除48万円、給与所得控除55万円=103万円まで所得税がかかりません(103万円の壁)。夫の配偶者控除(48万円)も受けられます。夫の健康保険が扶養として使えます。103万円以上働くと、住民税、所得税は収入が増え、約10%あまりの手取りが減ります。130万円以上だと所得税、住民税、社会保険料がかかります。
もし国民民主党の玉木さん案の178万円が実施されると、パート、アルバイトだけではなく、全員の基礎控除と給与所得控除が178万円になるので、その分、夫の税金も安くなることになります。例)基礎控除55万円⇒123万円 給与所得控除55万円⇒55万円。単純に言えば、妻も夫も税金が安くなり、178万円まで働いたほうが得することになります。ただし、現状106万円(51人以上の会社)または、130万円から社会保険料(目安:15%)の分が減っています。178万円(月14万~15万)働いても26.7万円(月2万2千円余り)の手取りが減り150万円余りになります。夫の年収が500万円の場合、これまでは200万円働いて150万円ほどの手取りだったことを考えると、得にはなります。
ただし、現状では130万円以下で、51人以下の小さい会社で働く方法もあるでしょう。
いずれにしても、すでに国家公務員の配偶者手当を廃止する方向で、いずれ民間企業においても、配偶者手当が廃止されることが予想されます。自身のキャリアをつけておくことも大事です。
*1)24年10月から51人以上の会社で106万円以上働くと社会保険料が手取り月1万円余り減ります。130万円以上の場合は、51人以上でなく小さな会社でも該当します。厚生年金は
★配偶者控除(103万円から少しずつ減り201・6万円までどんどん減ります)
★年収100万円以下なら「住民税」がかかりません。(非課税世帯として免除)
★社会保険料は給与の15%ほどが目安です。