見出し画像

行政書士ってどんな仕事? 行政書士まとめ

割引あり

行政書士 
行政書士法に基づく国家資格で、官公署への提出書類および権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続、行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、作成に伴う相談などに応ずる専門職で、職務上請求を行うことができる八士業の一つである。徽章はコスモスに「行」の字。
八士業とは、士業の中でも特に、職務上の必要から住民票や戸籍謄本などを請求することが認められている8つの職業をいい、弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、海事代理士のことをいう。

行政書士は、他人の依頼を受け、報酬を得て官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)および権利義務・事実証明に関する書類に関して、法律に基づき作成、またはその代理または代行(使者)し、加えて、当該書類作成に伴う相談に応ずることを業とする。また、特定行政書士の付記がされた者は、これらの他に行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、およびその手続について官公署に提出する書類を作成することを業とすることができる。

「行政書士の書類提出先の官公署」とは、各省庁、都道府県庁、市・区役所、町村役場、警察署等をさし、法務局又は裁判所に提出する書類など他業種の独占業務にかかる書類は取り扱うことができない。
「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいい、主なものとしては、遺産分割協議書、各種契約書、即ち贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇傭、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解に関する契約書、念書、示談書、協議書、内容証明書、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書、定款等がある。
「事実証明に関する書類」とは、社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書をいい、主なものとしては、実地調査に基づく各種図面類、即ち位置図、案内図、現況測量図等の図面、各種議事録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表、申述書等がある。

行政書士が作成する書類は、簡単な届出書類から複雑な許認可手続に至るまで多岐にわたり、3000種類に及ぶと言われる。代表的な例としては、新車を購入した際の登録手続、飲食店や建設業を開業する際の許認可手続、法人設立のために認可を要する際の認可手続および定款認証手続・議事録等の作成(登記手続は除く。また登記が効力要件になっている法人設立は除く。)、外国人の在留資格の更新および変更手続などが挙げられる。
これらを取り扱う書類に関する実務的知識と理解力は業務上で必須であり、建設業法、不動産および農地などに関する法令の習熟も求められる。書類を作成するうえで、要旨を的確に表現する文章力も欠かせない。
また、近年、官公署に提出する書類は簡素化される傾向にあり、行政サービスの向上も伴って、官公署に提出する書類のうち簡易なものは本人が容易に作成し提出できるようになった。そのためこれからの行政書士は、高度な専門知識を必要とする書類作成へ関与を深めてゆくことになるであろうと予想される。
行政書士の職業分類例としては、「法務・経営・文化芸術等の専門的職業 」と分類される。

行政書士の歴史
1951年(昭和26年)に行政書士法が成立するまで、誰でも事務所の所在地を所轄する警察官署の許可を受ければ、代書業を営むことができた。しかし中にはでたらめな代書人もいたため、明治30年代後半ごろからそのような代書人を取り締まるため、各地方レベルで代書人取締規則が発令された。その後、1920年(大正9年)にその各地の取締規則を統一した代書人取締規則が内務省の省令として発令され、この全国統一の規則によって定義された代書人が現在の行政書士に至る系譜をたどることとなる。

行政書士となる資格
次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。

一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者
六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算して20年以上にな  る者
(以下詳細は省略)

欠格事由
次のいずれかに該当する者は、上記にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。

・未成年者
・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
・禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
・懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者(詳細略)
・その他(以下詳細は省略)

登録
行政書士となる資格を有する者が行政書士となるには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録を受けなければならない。2023年3月末時点の登録者数は51,041名、1,185法人である。

行政書士法上の業務

独占業務
官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類を作成することは、他の法律に別段の定めがある場合等を除いて、行政書士または行政書士法人でない者が報酬を得て業として行うことはできないとされ、違反すれば刑事罰を科されうる。

独占業務の例外
他士業の職域等多数の例外がある。(以下省略)

業務上の義務
守秘義務
行政書士は、正当な理由なく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならず、行政書士でなくなった後も同様である。これに反した者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される。

記名義務
行政書士は、その作成した書面について記名しその職印を押印しなければならない。
業務継続義務
行政書士が引き続き2年以上行政書士業務を行わない場合には、日本行政書士会連合会はその登録を抹消することができる。

依頼に応ずる義務(受任義務)
行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。

特定行政書士
日本行政書士会連合会が実施する特定行政書士法定研修を修了(全講義の受講および考査に合格)した行政書士は、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、およびその手続について官公署に提出する書類を作成することができるように特定行政書士の付記がなされる。なお、特定行政書士の付記がされている行政書士は全体の10%程(令和5年12月現在)であり、少ないのが現状である。

行政書士法人
行政書士は、業務を行うことを目的として法人を設立することができる。

行政書士会(単位会)
行政書士は、都道府県の区域ごとに、会則を定めて、一箇の行政書士会を設立しなければならない。行政書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導および連絡に関する事務を行うことを目的とする。

行政書士の職務に関連する基本事項についての解説

書留郵便について

ここから先は

4,777字
この記事のみ ¥ 100〜

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます(^^ゞ