「現代日本で使える武器」を考える
※本記事は現実世界での武器の携行を推奨するものではありません。
※武器の携行は没収、場合によっては刑事罰の可能性もあります。必要のない携行は控えましょう。
こんにちは、カセダです。物騒なタイトルと注意書きの後に失礼します。
皆さんは現代日本を舞台にしたTRPG中、こんな悩みはありませんか?
「武器がない!!」
「武器を持ち歩くわけにはいかない!!」
「けど素手での戦闘は心許ない!」
……すごくよくわかります。明らかに日本刀のようなものを持って街を歩けば職質からの没収は間違いありません。たとえGMの温情で見逃してもらえたとしても日本刀は人目を引きますし、何より雰囲気がブレてしまいます。
今回はそんなトラブルを解決するため、個人的観点から「携行できる武器」を考えて行こうと思います。
以下の技能値やダメージ値は全て新クトゥルフ神話TRPGのものを採用しています。
1.「武器として作られた」もの
世の中には変な武器がいっぱいあります。日用品型武器は結構な種類があり、言い逃れがしやすいのでおすすめです。
1-1.タクティカルペン
タクティカルペンは、非常時にクボタンとして使えるよう、強固な金属で出来たボールペンです。
クボタンとはペンほどの長さの鉄や強化プラスチックの棒で、護身用の道具として人気です。
ちなみに考案者は日本人のクボタさん。ネーミングそのまんまかい。
持った感じはちょっと太くて重いボールペンなので扱いやすいのも特徴。
窓ガラスを破る時にはかなり便利です。
しかし対人戦闘となると、刺突によるダメージは(刺されば)大きいですが、ナイフ武器と違って貫通が発生することはなさそうです。ただエッッッッッグい痛いので、クリーンヒットすれば次のターン回避不可にするみたいな恩恵はあげてもいいのかも?
リーチも短いので、武器というよりは非常用ツールとして持っておくのがいいかもしれません。
職質を食らっても「いや、ただの頑丈なペンですよ?」といえばカバーできる……はず。
ダメージ 1d4
技能 〈近接戦闘:格闘〉
価格 ¥5,000〜¥10,000
1-2.仕込み杖
中に刀や銃を忍ばせることもできる杖ですが、現代人は持つことはないかもしれません。
しかし服装によっては違和感なくファッションに取り入れられます。
職質された際は仕込み杖としての機能が見つからないか、〈幸運〉ロールを要求する必要があるかもしれません。
怪我しているふりをして松葉杖を持ったりすることもできますね。
中に武器を隠す仕込み杖は、19世紀から存在していたようです。
ダメージ(殴打) 1d 4+1
技能 〈近接戦闘:格闘〉または〈近接戦闘:刀剣〉
価格 ピンキリ
1-3.エアガン
モーター機構、またはガス圧力などでBB弾を発射する玩具。
現代日本でもある程度の携行が許されていますが、剥き出しの携行は流石にNG。ハンドガンなら適当なカバンに入りますが、ライフル型ともなれば収納にもサイズが必要。専用のケースやギターケースに入れることでカモフラージュできます。
エアガンの場合、問題は威力です。対人性能は、「ちょっと腫れる程度」。つまりダメージはほぼないと考えていいでしょう。
対人性能として期待できるのは顔を撃った場合。感覚器に衝撃を与えることができれば相手の対応を封じることができるし、目に当たれば視界を奪えます。(マジで失明するので、絶対に現実世界では行わないでください。)歯にあたれば歯も折れます。(マジで折れるので以下略)
技能についてはエアガンは反動がほぼないので、射撃技能にボーナスをつけてロールを要求すると良いでしょう。
ダメージ 5発につき1d2
技能 それぞれの〈射撃〉に+30%
価格 ¥10,000~
1-4.ナイフ
職質をやり過ごせるナイフは数少ないです。
必要なのは「目的」。例えば寿司職人が研ぎ屋に包丁を持って行くところ、というストーリーを演出できれば包丁の携行は許可されます。
キャンプに行く途中の車内に斧があっても、あまり不自然ではありません。
それらのように、武器を持つ理由と目的を演出できれば明らかな
武器も携行できるかもしれません。
1-5.実銃
どうにかして銃を手に入れたとして、明らかな実銃の携行が許可されるストーリーはありません。あきらめましょう。
2.「武器ではない」もの
すぐそこに手近な鉄パイプがあるのに、素手で殴り合う状況は違和感だらけです。活用できるものを活用して、死に物狂いで戦うことこそがTRPGの魅力でしょう。この章ではそれに活用できるアイデアを紹介します。
2-1.ドライバー
ハンドサイズの細い鉄の棒。武器としてこれ以上扱いやすいものが他にあるだろうか?切ることはできないが、刺すことは十二分に可能だ。
ダメージ 1d4
技能 〈近接戦闘:格闘〉
マイナスドライバーであれば、窓ガラスに傷をつけて大きな音を立てずにガラスに穴を開けることが可能です。
理由なく所持していると「強盗予備罪」として逮捕される危険性があります。
2-2.本
知識の宝庫である本だが、その使い方は一つではない。知識と教養の通用しない相手でも、時には本が役立つものだ。特に、ハードカバーなら尚更。
ダメージ 1d3+1
技能 〈近接戦闘:格闘〉
2-3.ビン
ガラス製の容器だ。そのまま飲めるように細くなった飲み口は、握りやすい持ち手に変容する。殴るのも、割って刺すのもお手のものだ。
ダメージ 殴打 1d4
刺突 1d4+2
技能 〈近接戦闘:格闘〉
2-4.鉄パイプ
少し文明的な街中なら、錆びた鉄の棒はどこでも見つかるだろう。建築資材にも使われるものなら、強度はバッチリだ。
ダメージ 殴打 1d4+1
技能 〈近接戦闘:格闘〉
備考 〈近接戦闘:刀剣〉や〈近接戦闘:槍〉などで振った場合はダメージ増加などにしても良いでしょう。
2-5.木の棒
森の中でも、公園でも、木の棒切れはいくらでも見つかる。悪いものを遠ざける「棒」は、人類が最初に発明した道具だ。
ダメージ 1d3+1
技能 〈近接戦闘:格闘〉
備考 基本的には一度使用すると壊れます。
2-6.ヒモ状のもの
ツタ、電源コード、鎖、ロープ……人類の2番目の発明は、良いものを引き寄せる「紐」だった。ただしそれで引き寄せるものが、必ず良いものであるとは限らない。
ダメージ さまざま
技能 〈近接戦闘:鞭〉マヌーバによる組付からの窒息など
3.最後に
以上が、個人的な知見と考察でかき集めた「使える武器」と「武器に使えそうなもの」です。
ダメージ値や技能は、シナリオの雰囲気や難易度など、さまざまな状況に応じて変動するのであくまで目安として利用してください。
完全に後半の「アイテムの描写」が書きたくて作った記事ですが、有効活用していただけると幸いです。