暑熱対策その1湿度

気温30度以上、湿度40%以上の状況における暑熱対策としては、日傘はおそらく一番良い製品であると考えられます。

日本の夏は上記以上の状況が多くみられるため、日本では日傘を使用する人が多いです。
逆に世界的には湿度が不足している地域も多く、そのため日本ほど日傘の愛用者は多くありません。湿度が低いので帽子で十分であるという地域が多いのです。

つまり暑熱対策において傘がすぐれているという事象のキーワードは湿度になります。

帽子はその構造上、どうしても頭部からの発汗によって、湿気がこもります。常に風を当てている状況でない限り、どうしても湿度が高くなり、外気温が体温に近い場合は帽子の中の暑さ指数が「危険」レベルになってしまいます。

ちなみにややこしい話ですが、外気温が30℃程度であるならば、人間の体から出る熱よりも帽子の温度が低くなるため、頭の温度は31℃程度になり、湿度が50%を超えても暑さ指数は「危険」にはなりません。これならば帽子は暑熱対策として機能していることになります。

問題は30℃を超えてきたあたりの温度帯です。帽子は湿気を保ちやすいために、その機能を極端に低下させます。これは洋服や日焼け対策スリーブ等でも同じ話であり、人体の近くで熱を受け取ってしまうと、どうしてもその熱を逃がすのが難しくなってしまいます。

体温より10℃低い状況であれば問題なかったわけですが、ほぼ体温と同程度の外気温になると、どうしても湿度の下げにくい体の近くで太陽の熱を受け取るのは悪手になってしまうわけです。

その点、日傘であれば人体の頭部から20㎝以上離れたところに遮蔽物を創り出すことが出来る上に、横の空間は開いていますから、湿気がこもりにくい状況を創り出すことが出来ます。もちろん風通しの良い日傘の方が湿度は上がりにくいので、太陽光も抜けるが風も抜ける日傘も、太陽光は遮断するが風は抜けにくい日傘も一長一短ではあるのです。

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