特定の世代にはウケるBS番組、○さんの”ガラクタ”ベースの正しい楽しみ方
BSフジで毎週土曜日深夜11時半から放送されている、高齢芸能人の私生活を追うという趣味番組があります。これが、1年間視聴してみて、大変面白い事がわかりまして、私流の楽しみ方を今回ご紹介していきたいと思います。
・今回はどんな失敗をしてくれるのかな?(笑)
番組内では、文字通り裕福な芸能人の私物が数多く登場し、その物品を褒めちぎる関係者が、番組総じて笑顔で微笑ましく見守る、あるいみ”温かい”雰囲気があります。その私物は、「ミニタリー雑貨」、「骨董スポーツカー」、「骨董オートバイク」、「家具」、そしてDIYというカテゴリで、そのどれもが、所有者本人がお金をだして購入したものです。旋盤とか、トルクレンチとか、そういった専用工具はまず出てこないところは強く言っておきたいところです。
番組では、主に中高年男性が幼少期から憧れを抱いていた、お金の掛かりそうな趣味を通じて、一種の夢を叶える印象があります。もちろん、”プライスレス”なところもあるんでしょうが、とにかくこの番組は、”作る”とか、”創意工夫”と言いながら、主人公の芸能人が不器用すぎるという、なかなか面白い部分が見逃せません。
最新の番組内容では、本人だけが自己満足する「水漏れ修理は融着テープで」と、「理容チェアの不要部品を除去して格好良く」、「ベンチの座面をペンキ塗り」という3つのシンプルなDIYをメイン・ディッシュにしていますが、どの構成でも、毎回、この芸能人は必ず失敗をする点が楽しみになります。
今回も、ベンチをペンキで塗る際に、「油性か水性かを気にしている様子がない」、「塗る素材との相性を考慮して塗料を選んでない」、「塗料をムラ無く塗る技術を知らない」、「ハケの養生テープを取り忘れて塗料に漬けてしまった」などなど、大変笑える内容でした。マホガニーの塗料が想像と違っていたらしいのですが、見た目、普通の野外に使うベンチだとすれば、趣味人なら敢えて柿渋を使うとか、オイルステインで色を変えてニスで仕上げるとか考えそうなものですが、壁面に使う野外用ペンキでは、仕上げもへったくれもないのは、公園でベンチを観察したことがあるのかな?と、これも観ていて楽しみではあります。また「そもそもそれって理容チェアですよ?」という基本を知らず、邪魔だから肘掛けを取ろう!となっていました。色々と、この方、製品用途を知らずに独自解釈で工夫しちゃうところが、「それって使ってるウチ壊れまっせ?」と、これまた大いに笑えるわけです。ハケ塗りも、前後にハケを振りながらガンガン、ムラになってましたからね。
色々ムリしてますね!おじいちゃん!(笑)
・メイドインUSAは素晴らしい!(笑)
今回の「水漏れ修理は融着テープで」は、市販の伸ばして巻くと自然にテープ同士が融着するという、ホームセンターに行けば、大抵の場合、似たような製品はズラーっと並んでいますから、そんなに珍しいものではないのですが、「こんなのあるの知ってる?」と、嬉しそうにわざわざ水道ホースにピンホールを開け、それに巻いて見せたりしています。
この番組では、プロデューサー自体が出演者と同年齢の、どこか始末の悪い私が苦手とする”ちょい悪オヤジ”が担当しているようなのですが、このコーナーでは、この融着テープが「アメリカ製」という部分に、彼はやけに食いついています。出演者は後期高齢者の焼け跡以後の世代なので、アメリカ憧れが強いというのも、なんとなくわかるのですが、1.自慢するほど珍しい技術でも製品でもない、2.その製品を使った応用編でもない、この2つの点で、DIYとしては”創意工夫”じゃなく、使い方と”アメリカ生まれ”の方が極めて重要なポイントになってます。USA!USA!の叫び声が・・・・。
「融着テープメーカーは喜びそうかもな(笑)」
・でもガラクタです(笑)
番組では、視聴者コーナーと称して番組出演者を喜ばせようと、せっせとファンが手作り物品を送ってきます。どれも工夫がされてなかなかすごいのですが、ほぼ間違いないのは、奥さんからは評価されないガラクタが多いということです。中には実用的なもの?もあるのかもしれませんが、家庭に1個あればそれ以上は必要ない物ってありますよね?
特に大きな模型とか、モデルガンやハンコ、ポスターとか100個集めても、満足するのは集めているコレクターだけです。何かに使えるわけではないが、心を満たしたいだけに、多額の費用を投じているのは、偏見かもしれませんが、私はゴミ屋敷の主人と似ていると思うのですね。私は「そういうのもあるんだねー」という珍しさだけに価値を感じる感性は持ち合わせていないので、形を変えただけの置物やおもちゃには興味がないというのがあります。
私自身、部屋の模様替えはそんなにしませんし、気分転換したくなるほど、私は日常にストレスを感じてもいないからなのかもしれません。見て楽しむだけなら、店頭で見て充分満足できます。そもそも他人に自分の部屋を公開すること自体がないですからね。
「なのに、なぜ自慢してくる?」ってツッコミたくなる番組の楽しみ方が、あるわけです。(笑)
・整理整頓が苦手なのに、物だけ増やす
どんなにセンスが良くても、これはテレビ番組ですから、背景とか、”絵”って大事じゃないですか?床に乱雑に転がる得体の知れない汚れた布、いかにも何か懸命にやってる感じにすればカッコイイとか、それって美的を無視して、他人からどう見られるかばかりを意識した、ヘタな修理屋がよくやることです。あらゆる物に手を出して、途中で放り投げ、出来る事だけ強調しましょうというのは、趣味はそうだと言えば仕方ないにしても、受け入れてくれるのは一部の人以外にまず居ないでしょうね。
出来ない技術をお金でカバーというのが、どこか悲喜劇ですよね。チャップリンのシネマのようです(涙)
だからBS番組なんだろうなーとは思うのですが、不器用と根本的な知識が無いという点では、「今回も何をしでかして失敗してくれるんかな?」という楽しみだけは残るんです。かなり前にも、古い置き時計の壊れたムーブメントを取り替えて、動かせる骨董にしようと言う企画で、見事にムーブメントの規格を知らなかったので、時針が取り付けられずにあえなく失敗。しまいには、大声で”両面テープを持ってきて~!”と。CM直前に”創意工夫”とテロップが映され、「もはや何がやりてぇのか、わからんな」という大変、面白いコーナーになってました。(笑顔)
「本人が満足してんだから良いじゃん!」・・・・・まぁそうですが、ご自分が不器用で、何をやってもマトモにできないことくらいは、多少自覚しても損はないかな?と。痛々しいお年寄りって、なんだか悲しいじゃないですか?お手本になりきれない部分がね。
まぁ、私は冷たい人間かもしれませんが、私が浪費しているわけでもないので、毎回、無駄な消費と役に立たないことばかりに夢中になる痛々しい高齢者を客観的に観察するという意味では、かなりオススメできる番組ではあると思うので、今回記事にしました。(笑顔)あの、”ミャミャミャ~ン♪”というテーマが聞こえると、私はついついニヤけてしまうのです。