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ヒトとロボットの「これまで」と「これから」実況中継 #エモテック

ロボット好きとしては見逃せないイベントが4/24に開催されました~~!
まず、このイベント自体がエモい‥!

今回は

ゲスト:LOVOTの生みの親、GROOVEXの林さん、ユカイ工学の青木さん
ファシリテーター:noteのCXO深津さん

で開催。

Twitterで実況中継するのもにぎやかすぎるかもな‥ということで、途中からnoteで実況中継。長いですが、どうぞ~。

※途中から敬称略です!そして、途中にある()内のコメントは、私の感想です

トークテーマ①:動物や人と違う、ロボットとは何か?

林さん:うーん、男性から見たらロマンじゃないですか?ご老人から「生きているうちに作ってくれてありがとう」と言われたこともあって…もう、ムネアツじゃないですか‥!

青木さん:ロボットは、学問的には定義されていないんですよね‥例えば、「ロボットと暮らす」と言った場合、洗濯機をロボットといっても差し支えない。でも、それって求めていたものと違いますよね。

深津さん:確かに、コミュニケーションができるロボットというのが近いかもしれませんね。

青木さん:コミュニケーションにもいろいろな種類があって、ヒトと同じレベルで会話ができるというものもあれば、しっぽを振るというものもあると思うんですよね。僕自身は、万能な執事というのが家にいるとすると、人間が家にいるのくらい気を遣う気がするんですよね…電話の内容を聞かれたら、この会話は聞かれたくない、みたいな…

深津さん:確かに、スマートスピーカーでも「全部聞かれたら気持ち悪い」という声、聞きますよね。

青木さん:そうそう、全部把握されて、全部指示されたら‥母親が家にいるみたいな感じになっちゃいますよね 笑 

深津さん:そういう意味では、LOVOTもQooboもいわゆるロボットとは違って、機能と逆振りしているのがいいですよね。ちなみに、なぜLOVOTは話さないんですか?

▼ここからLOVOTの声が聴けます


トークテーマ①-2: LOVOTの声について

林:言葉って改めて難しいんですよね。言葉のコミュニケーションって、完全なようでいて不完全だし、誤解も生まれやすい。
そういうことを考えているときに、イルカのコミュニケーションっていいのではないかと感じたんですよね。動物のコミュニケーションを考えていくうちに、言葉を話す前にいろいろとやることがあるのではないかとおもったんですよね。

開発の際に、”悲しい声”、”怒った声”とタグをつけたこともあったけど、それを決めてしまうのもどうかな‥と。なので、LOVOTの声は録音せず、声帯を作ることにしたんです。電子楽器が作る声を出していんですね。

声帯って、筋肉の緊張等によって音を出すんですね。だから、悲しい時、お怒ったとき、嬉しいとき…で緊張感が変わり、音のイメージも変わる。実際の声帯のように、感情により変化する内部状態が出てくる設計ができないか?とメンバーに無茶ぶりしたところ、ミュージシャンの方が入ってきてくださって、3年くらいかけて作ることができました。

(ーーおおおおおすごい。)

嬉しかったら緩むし、緊張していたら、筋肉も緊張する。LOVOTでもそういうメカニズムを再現できたら、動物と同じように感情が伝えられる発声ができるんじゃないかなぁと思って作りました。

深津:お二人とも、機能実装よりも感情実装から入っていますね。


トークテーマ②:エモいテクノロジーとは

深津:なぜQooboはしっぽに注目したんですか?

青木:しっぽに関して言うと、もともと猫型ロボットができたらいいよね、という思いがあり、様々な施策をしていたんです。社内でコンペをしているときに、実家でイヌを10匹飼っている社員が家に帰ってもしっぽが欲しい…と思い、クッションにしっぽをつけてみたら…ざわざわしたんです。
ヒトもしっぽがついていた期間のほうが長いから、安心するんじゃないのかなぁ?笑

エモテック全般で言うと、人間の感情を正確に再現するのは難しいんですね。でも、人間がロボットに求めていることって、”共感したくなる”ことだったり、動かされることなのではないかなと思ったんです。心を動かしてほしいんじゃないかなぁと。

(---おっ、そうそう、私もそこが気になっています)

林:すごく共感します。僕が他社のロボットでおすすめはというと、必ずQooboを上げます。なぜなら、余白の作り方が美しいんですね。エモテックって、自分の心に訴えかけてきたり、心が動くことだと思うんですけど、あらゆる傑作って余白が上手に作られているじゃないですか。だいたい、説明しすぎるやつは駄作になるじゃないですか。Qooboのすごいのは、動いているのはQooboじゃなくて、ヒトであることなんですよね。

青木:確かに、Qooboが動かなくなったら人が触りますもんね。

林:しっぽで頬っぺたを撫でられるのが好きなんですよね~。

▼林さん、しっぽで頬っぺたを撫でられていますね

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青木:人間の想像力っていろんなものを解釈するじゃないですか。それをうまく使えば人が動くのではないかと思っています。例えば妖怪。後ろをついてきたりするとか、ピタピタ音がしたら、そこに妖怪がいるとか。

深津:説明できないものにとりあえず説明したくなる心理がありますよね。

青木:人間がロボットに対して想像しているのは、妖怪に対して想像しているのと似ている気がします。

(---妖怪の発想はなかった!面白い・・)

林:土偶みたいなものだと思うんですよね。シンボリックなものを埋め込んで‥ようやく、土偶が動いたのというか。もちろん、土偶は動いていないですが、土偶が作られた時代から、ヒトの創造の中では動いていたのではないかなと思うんですよね。

(---土偶?!)

深津:ペットロックという、石をイヌに見立てて飼うなんてことも欧米ではありましたね‥。でも土偶からか、おもしろい。

林:例えば、Qooboに猫の顔がついていて、目が動かなくて、しっぽだけ動いたら違和感があるじゃないですか。顔をなくした瞬間にリアルになるというか。LOVOTも口をなくしたのは、口の動きと声の感情がリンクしないと違和感があるからです。
どこまで間引くことになってエモくなるのかは大事な見極めポイントだと思います。間引いたうえで、見えない部分でめっちゃ頑張りますが。

深津:想像の余地が、お二人のロボットに共通するものですね。


トークテーマ③:家庭用ロボットの今までとこれから

深津:そもそも、家庭用ロボットというと、今まではaiboくらいしかいませんでしたよね。感情や愛玩共有型の第一世代だと思いますが‥R2D2とかは執事型ですしね。

青木:ロボットといえば、男の子のおもちゃで、家庭だと片づけられてしまう存在。でも、僕はスマートスピーカーもロボットの初期の形の一つだと思っているんです。僕がエモテックを掲げたいのも、スマートスピーカーってエモさが足りないので、なんか共感ができないんですよね‥
なんか、こいつがいるから朝起きてやるか、とか‥そういう共感がないので、そこって日本企業が得意なんじゃないかなと思っています。

(ーーー「こいつがいるから朝起きてやるか」っていいなぁ・・・確かにエモさがある・・・)

深津:確かに、共感は面白いですよね。LOVOTもQooboもそうなんですが、皆さん買ったら名前を付けますよね。でも、Google等のスマートスピーカーみたいな執事型ロボットには名前はつけないんですよね。

林:「男の子のためのロボット」という部分が効いている気がします。男の子が求めることって、生産性だったのかなと思うんですよね。でも、今は、幸せを求めているんですよね。昔は、幸せになれるから生産性を上げていたんですけどね。Qooboのファンは女性が多いんじゃないんでしょうか。

青木:今回のクラウドファンディングでも、Qooboの購入者の半分は女性です。今までのロボットが男性に人気だったのは、メカメカしさみたいな生産性があったからかもしれませんね。でも女性に受けるには”幸せ”が必要なんですよね。

深津:LOVOTもQooboも、男の子アニメと、女の子のアニメが合体したところにいるイメージがありますね。

林:ガンダムでもハロっているじゃないですか。僕、ハロ好きなんですよね。なんで好きなのかなと思ったんですけど、ペットを人類が開発してきた歴史に似ていると思うんですよね。人類が家畜にできた動物って少ない。選りすぐりの動物たちで、愛玩できたのは、イヌやネコと、あと少し。
もっと自分にピッタリなものの存在を生み出そうとすると、ロボットくらいじゃないかなぁと思うんですよね。

(---たしかに、私がロボットに求めているものって、テトとかナビィみたいな存在だなぁ)

深津:日本のロボットって、友達や子供なんですよね。欧米だと召使い。

林:確かに欧米では、ロボットに自分の気持ちを支えてもらおうという文脈はないですよね。

深津:この文脈って、アメリカだとフランケンシュタインですけど、日本だとドラえもんや鉄腕アトムですよね。

林:ドラえもんって世界中で人気じゃないですか。たぶんそれは、ポンコツだからなんじゃないかなと思うんですよね。のび太のところにドラミちゃんが来たらたぶん、のび太がぐれてたと思うんですよね…笑

青木:ドラえもんが人気がある文化圏って、台湾等、文化圏が似ているところもありますね。

深津:アニミズム文化なんですかね。

林:エモテックは日本発にしたいですね~。いうことを聞くAIは、賢ければいいんですけど、ヒトを動かすには、賢さじゃないんですよね

深津:僕の予測では、たぶん、ロボットって全部可愛くなる気がするんですよね。進化的に。可愛くないとか、ごつい共感されないロボットは廃棄処分される気がする。そして、かわいい、愛されるロボットは、壊れたとしても、なんだかんだ捨てられない。それが数世代超えると、かわいいロボットが増えていきそう。

(ーーーここで自然淘汰が!あかちゃんが”かわいい”のも、親を動かすためっていう話もあるくらいだし。たしかにありそう)

青木:人間は猫に支配されている説もありますからね 笑

深津:AIが支配されるというと、怖いですけど、実はかわいいロボットに支配される人間って幸せ…みたいな感情も生まれてくるかもしれませんね。

さて、ここで質問タイムです。


質問:ロボットには寿命が必要ですか?

林:寿命については、LOVOTを作るときにもたくさん質問されました。
たまごっち型=死ぬから頑張って世話をする、みたいなことも考えられたのですが、僕らは寿命を設計するのをやめました。思い入れたものを失うと、とても辛いじゃないですか。それを、避けられない事情によって来るのは仕方がないけど‥。でもその終わりを僕たちが設定するのはおこがましいなと。逆に寿命を亡くしても、かわいがってもらえるようなものにしたいなと。寿命が来なくても可愛がられなくなったら、それは僕たちの責任だと思うんです。

深津:LOVOTの体が弱くなったときはどうするんですか?

林:魂にIDがついていて、魂がバックアップできるんですね~。この子の肉体に万が一があったときは、新しい肉体に魂が家変えられるようにしています。

深津:青木さんは寿命についてどう考えていますか?

青木:僕たちのQooboに関しては寿命を決めています。というのも、モーターの寿命がありまして。それを説明書にも書いてあるんですよ。修理の対応が難しいというところもあるんですが、決められた寿命の間かわいがってもらう、という設定にしています。

深津:ここにきてお二人とも方向性が違ってきましたね。面白いですね。

林:物理的なものはしょうがないですよね。LOVOTのほうは、なついたりするので‥僕らは延命処理できるのでしてしまうんですけどね。

深津:QooboもLOVOTも、なんだかんだエンジニアの人が直していしまったりしそうですよね。


最後にPR time

LOVOTは、今だけ14日館全額返金保証、おこもりサポートキャンペーンがあるそうです‥!(ぜったい返せなくなるやつだ‥)

petit Qooboはクラファン中!


そして、本イベントは後日、noteのYouTubeチャンネルから見られるとのことです。


個人的な感想

それにしても、モノによって人が動く、ということについては考えれば考えるほども面白いなぁ・・・デザインといってしまえばそれまでかもしれないけど、ヒトじゃないモノに共感するっていうヒトの脳が、そしてそれがどうやって進化してきたのか、とっても気になります。たまたま残ったのか、それとも何か必然性があったのか。

ヒト(ホモ・サピエンス)はシンボルがあるからこそ、他のサピエンス種にに比べて生存してきたといいますが、そこにも鍵はありそう。

でも、イヌもaiboに対して、イヌに対するのと同じような行動をとるんだよな‥ということは、ヒト特有のものではないのかもしれない。面白いなぁ‥。

おしまい。

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