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「理系学生にとって大阪大学の人間科学部は意外とねらい目という話」




高校生になると、どこの大学を受験するのかというのが大きなテーマとして降りかかってきますよね。進学校ともなると、1年生のうちから志望校を決めていて、そこに向けて必死に勉強をしているというのは、昔から変わらない姿なのかなと思います。
皆さんはどうやって志望校を決めていましたか?
「医学部に入って医者になりたい」「慶応大学でおしゃれなキャンパスライフを送りたい」「旧帝国大学のどこかに入って高学歴と言われたい」などなど、いろいろと思いがあったと思います。
ちなみに私は「自分が入れる大学のうち一番偏差値の高いところ」という、受験モンスターのような決め方をしていました。結果的にはそれが人生において非常に大きなプラスとなっているので後悔はないのですし、今となってはそれでよかったとも思っています。

さて、そんな受験モンスターだった私が入学したのは、大阪大学人間科学部です。なんちゃって進学校と言えるか言えないか微妙なラインにある高校から、大阪大学に入学を決めるまでに考えていたことを書き連ねてみたいと思います。

前置きが長くなりましたが、このnoteで伝えたいことはタイトルにも書いてある通り「理系学生にとって大阪大学の人間科学部はねらい目」ということです。「自分には大阪大学なんて入れないよ…」「理系だから関係ないしな…」と思っている人にぜひとも読んでいただきたいです。


私について

何がどうねらい目かということを書く前に、まずは私の話をさせてください。学生時代はもちろん、社会人になってからの今でさえも、大阪大学を卒業したというと「頭がよかったんだね」「小さいころから勉強してたんだね」なんて言われることがままあります。でも、実際はそうでもないんです。

小学生のころ、私は勉強が好きではありませんでした。当然、学校の宿題なんてまともにやらないし、授業中も遊んでばかりです。三者面談で当時の担任の先生から言われて強く印象に残ったセリフがあり、それが「君の机は横を向いているのかな?」です。ずっと隣の誰かと話をするか、校庭を眺めていたんだと思います。これだけでも、いい子ちゃんではなかったことがわかりますね。成績は、きっと真ん中程度だったんでしょう。
そのほかにも印象に残っているのが、もちもちの木という本を読めなかったことです。小学校中学年くらいの頃の夏休みの宿題で読書感想文があり、親から指定されてもちもちの木を読み始めたのですが、最後まで読み切ることができず、でも宿題として読まなくてはいけなくて、どうにもならずに泣いたことを覚えています。本はコロコロコミックやジャンプなどの漫画しか読んでおらず、かいけつゾロリすら読むのが嫌いなくらい、読書が苦手でした。今になって思うと、これだけ本にアレルギーあったってやばいですね(笑)

中学生になると、少し変わります。なんと、読書が楽しくなったのです。朝の読書という時間があり、毎朝10分間は全員が自分で選んだ小説を読まなければいけませんでした。読書に抵抗感があった私に母が「星新一のショートショートから始めたらどうだ」と勧めてくれ、いやいやながら読み始めたのですが、意外にもそれが面白く、そこから星新一を読み漁っていました。そこからオタクの才能も開花しはじめ、ライトノベルをよく読んでいました。デュラララやバカとテストと召喚獣、物語シリーズなんかが好きでしたね。時代だな……。
本はよく読むようになったのですが(とはいえライトノベルばかりですが)、学校の成績はと言うと、ちょうど真ん中くらいです。真ん中より上と下を行ったり来たりしていました。親は勉強については口出しすることはなく、いつも決まって言うのは「宿題だけはちゃんとしなさい」でした。まあ、宿題すらまともにやらなかったんですけどね。そんな私がなんちゃって進学校に入学できたのは、中学3年生の春に初めて行った個別指導塾で、油井先生という方と出会ったことが大きかったと思います。顔は忘れてしまいましたが、名前だけは今でもしっかり覚えていますね。当時苦手だった比例を分かりやすく教えてもらえ、塾の先生はこんなに教え方が上手なのかということに感動したことから、勉強に対して少し前向きになり、受験勉強を始めました。始めたというものの、それほど頭がいいわけではなかったので、最終的には、ぎりぎり偏差値60程度の私立高校に進学しました。

その後、高校で勉強をしっかりと行い、最終的には大阪大学人間科学部に入学することとなります。高校生時代のエピソードについて長くなってしまうので、今回は割愛しますね。いつか、別のnoteで書こうかな。なんにせよ、高校ではクラスメイトより多少多く勉強したので、大阪大学に入学できたのです!


大阪大学の入試について

さて、ここまで長話をしてしまいましたが、やっと本編に入ってきます。ここまでの自己紹介でお伝えしたかったことは、私はもともと頭がよいわけではなかったということです。某ギャルのように、本当は地頭もよく、進学校の中で落ちぶれただけの人間が得意科目2つだけで慶応大学に入ったような、それ詐欺じゃん、というような話をしたいわけではありません。共通テスト(当時はセンター試験)を受験し、2次試験も受けなきゃいけない国立の入試のお話をします。

大阪大学の入試を語る前に、他の大学の入試を見てみましょう。例えば、人気の高い早稲田大学なんかだと、三科目受験が多いですね。文系だと、国語と英語が必須で、社会か数学かのどちらが必須とされているようです。MARCHや関関同立も似たようなものです。日東駒専や産近甲龍だと、2科目受験というのも少しずつ出てきますね。国公立はどうかというと、共通テストで5教科7科目が課され、二次試験では少なくとも3科目、東京大学や京都大学になってくると4科目、5科目と科目数が増えているのが特徴的です。国公立が私立より難しいといわれるのは、受験に必要な科目数が多い点にあります。

では、大阪大学の人間科学部はどうでしょうか。共通テストは他と同じく、5教科7科目です。そして、二次試験もスタンダードに3科目(国語・英語・数学)となります。科目数が多いのは、どうしても国立なので、仕方ないですね。ただ、大阪大学の人間科学部の特徴は、共通テストと二次試験の点数配分が50%:50%という点です。これは、言い換えると、どちらかが得意であれば何とかなる、ということを示しています。共通テストで少し失敗してしまったけれど、二次試験で取り返せばいいやともなるし、共通テストの点数が高ければ二次試験でちょっとくらい点数が取れなくても大丈夫、となります。実際に受験をするときに感じますが、この考え方をできるだけで、非常に冷静になれます。心が落ち着いているというのは、受験では相当重要なファクターです。大阪大学を受験する人は、他の受験生に比べて気持ちの上で非常に楽、というのは、受験のプレッシャーを知っている人からするとうらやましいものでしょう。

もう一つ人間科学部の特徴があります。それは、共通テストは文系でも理系でもどっちでもよいということです。多くの文系国公立大学は、共通テストでは必ず社会科目を2つ、理系基礎科目を2つもしくは理系科目を1つとしていますが、人間科学部は文理融合のため、どちらでも受験できます。つまり、誰にでも門戸が開かれているということです。私も高校2年生までは理系だったのですが、大阪大学の人間科学部に進学すると決めて、文系に転身しました。とはいっても、センター試験は理系科目でしたけど。では何が文系かというと、数3をやらなかったのです。これは受験においては非常に大きなアドバンテージとなりました。他の理系国公立志望の人たちが、数3や理系科目の2次対策を行う中、数2Bまでの勉強でよく、また、理系科目もセンター試験レベルでよかったので、他の勉強に使える時間が多かったのです。しかも、数学は得意だったので、それほど勉強する必要もなかったのは大きいですね。

また、そのほかの特徴としては、入試倍率が2倍~3倍程度で収まっていることもあげられます。記念受験の人も含めての人数なので、両隣に勝てば合格すると考えると、少し気が楽になりますね。

さて、ここまで人間科学部の特色について話しましたが、ここからは大阪大学の入試問題に焦点を当てて話をします。先に結論を記載すると、国語以外は意外と簡単、ということです。

<英語>
英文和訳、和文英訳、長文読解とスタンダードな問題構成となっており、ひねった問題はありません。いずれもある程度の英語力と国語力が求められますが、しっかり勉強すれば鍛えられるレベルに設定されているので、まったく訳が分からない、というほど難しくはありません。解答時間も十分であり、時間が足りなさすぎるということもありません。また、あまり細かい文法は問われず、大まかに要旨をとらえられているか、それを言語として表現できているかが問われる試験のため、暗記が苦手な人でもチャレンジしがいのある問題だと言えます。
こう書くと、いやいやそうはいっても難しいんでしょ?、と思われるかもしれませんが、そう思う方は一度解いてみてください。基本の延長線上にある問題しか出題されていないことにびっくりすると思います。

<数学>
ザ・文系数学、という問題が出題されます。3問中2問は文系だけの問題で、1問は理系と共通の問題となります。難易度は、理系からすると簡単で、文系からするとちょっと難しいレベルです。理系との共通問題は少し難易度が高いですね。王道の問題が出ることが多く、苦手範囲が出題されなければ満点を取ることも難しくない試験ですので、ここで高得点を取りたいですね。実際に合格者に聞いてみたところ、3問中2問は完答、1問は途中で諦めて部分点をもらった、という方が多いです。高校2年生の知識で回答できる問題も多いので、これも試しに解いてみることをお勧めします。最初は難しいと感じるかもしれませんが、回答を見ると意外と簡単だということに気づけます。

<国語>
こいつは鬼です。個人的な感覚ですが、日本の入試問題でもトップレベルに難しいと思います。難しくしている要因としては、①読解するのが難しい文章が出題されること、②各大問の最後に文章全体の趣旨を正しく理解していないと書けない要約問題が出題されることの2点があげられます。この国語で得点できるのであれば、大阪大学への合格はぐっと近づくと思います。
難しいことはわかっていたので、私は最初から諦めていました。最後の要約問題は解こうとせず、他の設問を解くのにすべての時間を使った記憶があります。実際、私の本番の点数は4割でした。ただ、これもそれほど低い点数ということはなく、恐らく合格者の中でも平均よりちょっと下程度でおさまっていたと思います。
全問解答できる可能性がある数学と比べてできなくても、焦る必要はない科目です。

まとめ

さて、ここまで大阪大学の入試について分析してきましたが、最後に何がねらい目なのかを記載して終わろうと思います。
簡単にまとめると、以下のようになります。

・文系でも理系でもどちらでも受験できる
・共通テストと2次試験の配転割合が概ね50%:50%のため、苦手科目があったとしても、得意科目で挽回できる可能性が高い
・2次試験が3科目(英語・数学1A2B・国語)で受験できる
・2次試験の英語と数学が基本問題で構成されているため得点しやすい(特に理系からすると数学は簡単に思えるレベル)
・倍率が2倍~3倍程度とそこまで高くない

理系の学生が理系の大学を受験するとなると、二次試験の数学3を含む数学に、英語、理系科目2科目と、勉強しなければならない科目数が多いです。そのうえ、共通テストの対策もする必要があるとなると、勉強時間なんていくらあっても足りませんし、そんなに勉強なんてしたくなくなるはずです。大阪大学の人間科学部であれば、そんな悩みとはおさらばできます。
共通テストは同じですが、二次試験科目が、
英語・数1A2B3・理系2科目

英語・数学1A2B・国語
に変化します。

しかも、その国語に至っては、受験生全員の平均点が低いので、目指すべきハードルも低く、勉強に必要な時間も少ないです。
理系に進んで、大学院までいって、とそんなに勉強したくないなと思っている人は、ぜひ、文系に転身して、人間科学部を受験してみたらいかがでしょうか?
心理学や教育学など、幅広い学問を学べますし、大学1回生の間にやりたいことを決められるので、今学びたいことが決まっていない人にもお勧めできます。

個人的には、人間科学部で教育学を専攻できて楽しかったですし、そこで学んだことが現在の人事という仕事に活かせているので、進学してよかったと思っています。

それでは、皆様の受験勉強をかげながら応援しています!

次回、高校生時代にどうやって偏差値を上げたかをまとめてみようかな…

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