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火災保険、何回も使える説は本当か?2度目以降の火災保険使用についてまとめてみた
火災保険、何回も使える説は本当?
火災保険は加入期間中、何回でも使えると聞いて本当なのか疑わしいと思った人もいるでしょう。しかし、原則として火災保険は損害を受けたら何回でも申請して保険金を受け取ることができます。
建物が全損してしまったときにはそれが最後になりますが、それ以外の場合には火災に遭ったり、台風の被害を受けたり、集中豪雨があったりしたときの被害に対して、その都度保険金を請求することが可能です。同じ災害による損害についても複数回に分けて申請することができます。
※ただし、損害の原因になった災害などが発生してから3年以内でなければ保険は支払われないので注意しましょう。
全損の場合はどうなる?
全損のときだけはなぜそれが最後になってしまうのでしょうか。
考えてみれば簡単なことで、全損とは建物が完全に壊れてしまうことを指します。火災保険は対象物件を決めて契約するので、建物が壊れて無くなってしまった場合には損害補償の対象がなくなります。
そのため、それ以降は保険金を受け取れませんが、そもそも請求しようとしても対象になる損害が生まれない状況になるのです。
火災保険の契約もその時点で終了するので、保険料を支払う必要もなくなります。保険金を使って住宅を再建したら、新たな住宅を対象物件として火災保険に加入して災害に備えることになります。
火災保険利用したら保険料が高くなる?等級が下がる?
火災保険を使ってしまうと、次から保険料が高くなるのではないかと不安になる人もいるかもしれません。しかし、火災保険は何度使ったとしても保険料は変わることがないので安心です。
自動車保険のように事故を起こして保険金の請求をすると、その後は保険料が高くなるタイプの保険もあります。自動車保険では保険に加入していた期間や無事故の期間などによって等級が決まります。その等級によって保険料が決定される仕組みです。
自動車保険の請求をするときには事故を起こしてしまった場合が多いでしょう。
運転者が細心の注意を払っていれば起こらなかった事故の可能性もありますし、事故が起こりやすい場所を頻繁に走行している場合もあるでしょう。
運転者の車の操作の仕方や走行路の選び方によりリスクが左右されるため、一度使うと今後も再び保険金の請求をする可能性が高いと見なされて保険料が高くなります。
しかし、火災保険が対象としているのは自然災害のように本人の心がけだけでは回避が困難な原因による損害です。例えば、台風が直撃するのを保険対象としている住宅が避けられるわけではありません。
そのため、被害を受けたために保険料が高くなるということはなく、そのままの保険料が維持されます。
2回目以降の火災保険使用、注意ポイントは?
1回目のときと2回目以降では火災保険を請求するときに注意すべきポイントはあるのでしょうか。
実はあまり神経質になって気にすべきポイントはありません。損傷が発生したならその内容を特定して、証拠の写真や修繕に必要な費用の見積書などを用意し、申請手続きをすれば良いだけです。
ただし、あまりにも短い期間に頻繁に保険金を申請したり、火災保険の加入直後に大きな金額の請求を何度も行ったりすると疑問視されることはあるでしょう。
その際には火災保険会社の依頼を受けて、鑑定の資格を持っている調査チームが現地調査に来る可能性があります。それでも本当のことであれば何も問題はなく、災害との因果関係がはっきりとわかれば保険金が下ります。
ただ、写真一枚では済まない場合もあり、事故や自然災害による損害だと証明するために証拠集めが大変になる覚悟は必要でしょう。不安があれば火災保険を申請する前に、火災保険に強い調査会社に依頼して証拠を揃えておいてもらうのも良い方法です。
プロの目から見て確かに災害による損害だとわかるように情報をまとめておいてくれれば、火災保険会社の依頼を受けた鑑定チームが来たときにもスムーズに調査が終わって審査を通れるでしょう。
参照:申請箇所の事例(記事やや上段)
まとめ
火災保険は加入している間は何回でも保険金を請求できます。火災保険の契約期間は長いという影響もあって、実際に繰り返し申請している人も大勢いるので心配ありません。
保険金をたくさん請求しても保険料が上がることもなく、申請が難しくなるケースもあまりありません。ただし全損の場合には建物がなくなってしまうので、再建後にまた契約することが必要です。
損害が発生したときには原因をよく考えて、火災保険の補償対象になっていたなら迷わずに申請しましょう。保険金を払っているからには有効活用していくのが重要です。