火災保険は新築の火事に適応可能なのか?建築中~引き渡しまでの火災被害の補償とは
注文住宅の依頼をして、さあもう少しで引き渡しのときがやってくると思っていた矢先に火事に遭うというシーンを想像したことがあるでしょうか。
私も現実に目の前でそれが起こるまでは全く考えたこともありませんでした。火災でもうダメになってしまって二度とマイホーム生活はできないかと思っていたのですが、何とか無事に引き渡しを受けることができました。
この際にどんな方法を取ったのかを書き留めておくので、いざというときに参照して下さい。
建築中~引渡し前に火災があった場合の対処法とは
新築住宅の建築中、引き渡しを受ける前に火災が発生してしまったときにはどうしたら良いのか、相当悩みました。まだ建築中なので、当然ながら火災保険は使えません。
保険会社に相談したときにも「設計の図面などから火災保険の内容や金額決められるけれど、引き渡しを受けるまでは自分のものではないから加入するのは引き渡し日以降」と言われていました。そのため、火災保険の加入手続きは済ませていましたが、適用される期間に入っていなかったのです。
念のため、保険会社に電話をかけてみた結果、やはり火災保険の期間が始まっていないので補償はできないという回答でした。
関連しているのは建築を依頼した工務店しかないと思って連絡したところ、きちんと対処ができました。
私が依頼していた工務店では下請け業者に依頼して家を建てていました。工務店の営業担当者によると、この場合の責任は下請け業者が持つことになるから工務店の方から連絡をして対応させると教えてくれたのです。
つまり、もし建築中~引き渡し前に火災が発生してしまったときには、建築の依頼先に連絡をして対処するのが適切だということがこの一件からわかりました。
引き渡し前の新築物件で火災があった場合の補償内容とは
引渡し前の新築物件で火災があったときには、施工をしている業者が全ての責任を負ってくれます。私の場合にも追加で一円も支払う必要なく、その時点から再建築を始めて、きちんと引き渡しをしてくれました。
ただ、話を聞いてみると、業者によってはこのように誠実に対応してくれるとは限らないということです。きちんと補償を受けられるように業者が保険に入っていないと交渉になる場合もあるとのことでした。
ただ、施工会社が建築を完了させる義務を負っているので、民事裁判を起こせばきっと全額を補償されるという話を聞きました。「そこまでやらずに対応してくれる業者で良かった」というのが正直な感想です。
火災保険に摘要された場合の補償内容を紹介
建築中の火災に対して火災保険が適用されるときにはどのような補償内容になっているのでしょうか。
業者がどのような内容の火災保険に加入しているかによって違いはありますが、基本的に、火災で悲惨な状態になってしまった建物を元通りのところまで復旧するためにかかる費用の全額から免責金額を引いた金額が補償される仕組みになっています。
ただし、保険金額をどのくらいに設定しているかは業者によって違っています。確実性を重視して新築した家の価値と同じ保険金額にしている業者もあれば、建築途中だから少し低めでも対応できると考えて何割か少なめにしていることもあるのです。
私の場合には骨組みも壁もきちんとできた段階で、作業員の一人がたばこの不始末を起こして失火してしまい、ほぼ全焼する状況になりました。一度、更地に戻して建築し直していたのでかなりの金額になったのだろうと思われます。
話を聞いて見ると燃えて捨てなければならなくなった建材の処分費用についても補償されるとのことでした。実質的な損失は免責金額分だけだったという話です。
火災保険への申請手順
建築中に起こってしまった火災については自分が加入していて補償を受けるわけではないので、業者が全て対応してくれます。個人でも業者でも申請の手順は同じなので、自分が申請をしなければならなくなったときのことを想定して流れを理解しておきましょう。
まず、火災があったらすぐに保険会社に連絡をして申請書を送ってもらいます。そして、送られてきた保険金請求書、事故内容報告書などに記入し、復旧にかかる費用の見積書と現場の状況写真をまとめます。
これらを送付すると保険会社から第三者機関に調査依頼が出されるので、その調査員からの連絡を待ちます。そして、日程を調整して現場を確認してもらい、結果を保険会社に連絡してもらうというのが流れです。
これで火災保険の適用範囲内と認められれば保険金を支払ってもらうことができます。
まとめ
建築中の家が火災に遭うようなことはないと思いがちですが、たばこの不始末や放火などで燃えてしまう可能性はあります。
その際には建築を請け負っている業者が責任を負ってくれるので心配ありません。きちんと対応してもらえるように注文住宅を依頼した工務店やハウスメーカーなどに連絡しましょう。
後は基本的に請け負っている業者が保険を使って再建築してくれます。特別な手続きは必要がないですが、誠実な対応をしてくれる業者でないと交渉や裁判になる可能性もあるので注意が必要です。
参考:よくある火災保険の質問(記事中段)