もらい火で火事になった場合は火災保険は適用されるか？隣家が火災になったさいの対処法について紹介

2020年12月11日 17:49

火災保険は自分のミスで失火してしまったときに使えますが、もらい火のときにも適用されるのでしょうか。

私はこのことについて全く理解していなかったので、本当に隣の家が燃えてしまったときには途方に暮れてしまいました。

もらい火に遭ってしまったときに私がどうしたのかを皆さんのためにお伝えします。結局、火災保険でうちを直せたのかどうかについても詳細を説明するので、もらい火の被害に遭ったときにどうなるかを覚えておいて下さい。

隣家の火災で自宅が燃えた場合の補償はされる？

火災保険は失火や放火による火災があったときに補償を受けられることはよく知られています。

しかし、隣家からもらい火をしてしまったときには、責任は隣の家に住んでいる人にあるのだから、火災保険では補償されないのではないかと思っていました。

損害賠償を請求して修理するという流れになるのだろうと考えていましたが、実は隣で火災が発生したときに燃え移ったような場合にも火災保険で補償されることがわかりました。

考えてみればもっともなことだなと思いました。隣の家は燃えてしまって住んでいる人は大損害を受けています。その状況で何百万円、何千万円というお金を請求されても到底払うことはできないでしょう。燃え移ったのが1軒だけなら可能かもしれませんが、何軒もあったら億単位の賠償になるかもしれません。

日本では失火責任法という法律があって、火災が周囲に広がったときには燃え移った先の建物や家財に対して責任を負わなくて良い形になっています。そうしないと結局は、もらい火の被害に遭った人が泣き寝入りすることになってしまうのだと考えると合理的な仕組みです。

隣の家が燃えたのも放火が原因だった可能性もありますし、火災の際には自分の火災保険で何とかするという仕組みの方がトラブルも少なくて済むでしょう。

火災保険に申請するときの手続きは、もらい火のときにはやや複雑でした。ですが、とりあえず必要なのは保険会社への連絡です。

そして、保険会社にもらい火で火災に遭ったから補償して欲しいことを伝え、状況の説明をします。すると今後の流れについて簡単な説明をしてくれて、提出が必要な書類を一式送ってもらえます。

その書類の作成ができてしまえば、保険会社に送るだけで終わりですが、書類の準備がかなり大変でした。

まず、写真の添付が必要です。自分の被った損害についての写真も必要ですが、もらい火だと判断されなければならないので隣の家の写真も撮らせてもらう必要がありました。面識があったわけではないので、恐る恐る連絡したのを覚えています。

また、修理にかかる費用の見積もりが必要になっていたため、リフォーム会社に連絡して見積書を作成してもらわなければなりませんでした。私の場合には色々と準備をしていると二週間くらいはかかってしまいました。

火災保険に申請するときに一番厄介だったのは、本当にもらい火だったのかを説明できる資料を作ることでした。隣の家も燃えたけれど、自宅も別の原因で燃えたとも解釈できるからです。

私の場合には調査会社に依頼して書類を整えてもらいました。客観的に隣の家が燃えた状況から見て、本当に自宅にまで被害が及ぶ可能性があるのかを証明するのは素人には難しいと思ったからです。

被害に遭った日はちょうど自宅が風下になっていたので火の粉が降り注ぎやすい状況にあったことなども調査して、これで誰もがもらい火だとわかる書類を作ってもらうことができました。このような書類作成がもらい火で火災保険に申請するには必要です。

参考：よくある火災保険の質問（記事中段）

火災保険で賄えるのかどうかは保険金額が十分か、免責金額を超える被害になっているか、建物と家財の両方を対象にしているかによって違います。

火災保険の対象になったとしても金額が足りないことはあるので注意は必要です。基本的には損害が大きいときには保険金額が不足する可能性があり、外壁が焦げた程度の被害では免責金額以内になってしまって賄えない場合があると考えると良いでしょう。

もらい火で家財まで燃えてしまうこともありますが、自分の失火ではないからといって建物しか補償範囲にしていなかったら家財までは補償を受けられません。

ただ、火災保険で賄えなかったときにも、隣の家の人が入っている火災保険で失火見舞金に関する付帯保険に加入している場合には見舞金でカバーできる可能性があります。

火災保険の申請では隣の家の人と話をする機会が必ずあるので、保険内容を確認してもらって付帯保険に加入しているなら合わせて申請してもらいましょう。

火災保険では周囲からのもらい火についても補償してもらえる仕組みになっています。失火責任法の影響で、もらい火をしても損害賠償は請求できないので、自分の家は火災保険で守る必要があると考えた方が良いでしょう。

もらい火のときには隣の家の人にも協力してもらうことが重要です。被害に遭ったときにはできるだけ早い段階で話をして、保険請求についての相談をしておきましょう。