2023年の囲碁界7大タイトルを振り返る
2023年も残り僅かとなりましたが、8日に行われた王座戦を持って今年の囲碁7大タイトル戦は終了しました。この記事では今年行われた7大タイトルをざっくり振り返ります。2022年はこちら↓。
2023年の囲碁界7大タイトルを振り返る(時系列順)
左がタイトルホルダーで右が挑戦者です(開始時)。
1.棋聖戦 一力棋聖vs芝野名人
遂に実現した令和の三羽烏同士(一力先生、芝野虎丸先生、許家元先生)の3大タイトル戦(棋聖戦、本因坊戦、名人戦)となりました。
結果は一力先生が防衛しましたが、これから何回もこの組み合わせで名勝負が繰り返されると思うと楽しみですね。
ただし2024年の棋聖戦は井山先生が挑戦者に決まっています。「魔王」井山先生が若手最強棋士からタイトルを奪取するか注目です。
2.十段戦 許十段vs芝野名人
こちらも令和の三羽烏同士のタイトル戦です。
結果は芝野名人が奪取し名人と合わせて2冠になりました。
2024年の挑戦者争いも白熱しています。
3.本因坊戦 井山本因坊vs一力棋聖
井山先生の前人未到12連覇がかかったタイトル戦でしたが、最後の最後に一力棋聖が奪取して井山先生は3大タイトルを全て手放すことになりました。
本因坊戦は1日制になるなど来期から大幅に縮小される残念な変更が決まっています。いつの日か2日制に戻ることを祈っています。
↑今年の本因坊戦は大盤解説にも参加しましたがとても勉強になりました。
4.碁聖戦 井山碁聖vs一力棋聖
本因坊戦と同時期に開催されていた碁聖戦。この時は毎週のように井山先生vs一力先生の対局が行われていました。本因坊戦で失冠した直後でしたが、井山先生がストレートで防衛に成功しています。井山先生は来期碁聖戦を防衛すると通算10期の大台に乗ります。
5.名人戦 芝野虎丸名人vs井山碁聖
令和の三羽烏同士相手に挑戦する側に回った井山先生ですが、残念ながらタイトル奪取とはなりませんでした。両対局者は杭州アジア杯の団体戦ではチームだったので、日程的にも難しいタイトル戦だったと思います。
6.天元戦 関天元vs一力棋聖
個人的に一力棋聖は関天元に苦手意識があるのかな?と思っていましたが、一力棋聖が天元を奪取して棋聖・本因坊・天元の3冠となりました。
7.王座戦 井山王座vs余八段
本因坊戦、碁聖戦、名人戦と共通していますが昨年と同じ組み合わせでのタイトル戦となりました。最終局まで縺れこむ激戦となりましたが結果は井山先生が防衛して碁聖と合わせて2冠を堅持しました。
7大タイトルまとめ
一力先生、芝野先生、井山先生で7大タイトルを分け合う形となりました。
一力先生:棋聖、本因坊、天元
芝野先生:名人、十段
井山先生:碁聖、王座
来年も「観る碁」が楽しみ
来年の見所はまた記事する予定ですが、「観る碁」がもっと流行れば良いなと思っています。youtubeの中継を観ていると解説している先生方のトークで盛り上がったりしている(王座戦の最終局を視聴しましたが、高尾先生のお酒や競馬、結城先生の時刻表の話など)ので、囲碁が分からなくても1度覗いて観て欲しいです。自分の棋力向上も必要ですが、来年も「観る碁」を推していきたいと思います。
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