王様は魔法使い✨#31〜スピカン王編 Ⅺ
スピカン王の合宿当日
地上では
厚い曇に覆われた空だったが
雲を抜けると
穏やかな青い空が広がっていた
合宿所に向かう王様は
晴れ晴れとした気分だった
王様の国から
遥か遠い合宿所だったが
行くと決めれば
距離や時間は関係なかった
合宿所につくと
すでに他の者たちも集まっていた
スピカン王のように
相談屋になりたい者
癒しのエネルギーを使う者など
様々だった
スピカン王からの宿題は
「3年後どうなっていたいかを
明確にする」だった
王様はワクワクする気持ちを
書き記したが
手が勝手に動いて
思っていたこととは違う文字を
書いていた
誰が書いたのだろう?
王様は不思議な気持ちだった
しかし
そこに記されているのは
自分のお役目のひとつなのだろうと
感じ
力が抜けていくような
安心感に包まれた
最後に音楽が流れ
呼吸を整えた
自分の呼吸に意識を
合わせているうちに
違う空間へ移動したかのような
静けさを感じた
スピカン王の最後の問いに
「光」と「愛」を観じると
涙がとまらなかった