今週のとんぼ:第314話「本当に欲しいもの」
先週はあまりにバタバタしていたため、お休みしてしまいました。
この程度の文を書くだけでも、毎週となるとなかなか大変です。
毎週、この何十倍もの文量の原作を書き上げるかわさき先生と、22ページにもわたる絵を描き上げる古沢先生に、改めて尊敬の念を抱かざるを得ません。
と自らの失態を利用して両先生をヨイショしたところで、今週のとんぼに参りましょう。
* * *
小梅 vs マニーの迫真のバトルも目が離せませんが、最後の最後で、え? え?
トヨタジュニアの勝敗は、チーム3人のうち、上位2人のスコアで決まります。13番でつぶらがダボを打った時点で「おみそ」決定。日本の勝利はとんぼと小梅に託された……はずでした。
ところが、17番を終えたつぶらの元へ、血相をかかえたコーチがやってきます。
小梅 vs マニー、とんぼ vs プリンはともに一進一退。このままいくと、チームのトータルスコアが同スコアでフィニッシュということもありえます。
はて、同スコアだった場合、どうなるんだっけ……。
てっきりプレーオフになると思っていたつぶらでしたが、なんとそうではなく、勝敗は3人目のスコアで決まる。つまり、つぶらのスコアがとっても重要になるのです。
すっかり蚊帳の外だったつぶらに、突然スポットライトが当たることになりました。
さすが、かわさき健。
小梅のプレーに皆の目線をぐわっと引きつけておきながら、裏に飛び出たのは日本のエース・つぶら。
戦況を俯瞰で見つめ、常に一歩先を読む頼れる司令塔のごとく、鮮やかなスルーパスをつぶらに送ってみせたのです。
――とみなさんはお思いかもしれませんが、何を隠そう、「先を決めない」のがかわさき先生。
昨年末のこと。
「そういえば、トヨタジュニアって、チームスコアが同点だった場合、どうなるんでしたっけ? プレーオフかな?」
とかわさき先生。
「え? 18番で決着がつかないんですか?」
「いやぁ、まだ決めてないんですが、一応聞いておこうかと」
ま だ 決 め て な い ?
さ、さすがかわさき健。この最終盤で、まだどっちが勝つか決めていないとは……。
ともあれ私も迂闊なことに、同スコアだった場合の大会のレギュレーションは把握していなかったので、急いでトヨタジュニアの大会事務局に問い合わせると
「プレーオフはありません。3人目のスコアで勝敗を付けます」
そんなわけで、幸か不幸か再びつぶらにスポットが当たることになったわけです。
果たして最後にゴールを決めるのは――!?
……もちろんまだ、決まっていません。
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