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今週のとんぼ:第305話「怒り、のち……」

13番パー5で2オンしたにもかかわらず、不用意にも3パットしてしまったとんぼ。
つぶらの期待を裏切ってしまったことに不甲斐なさを感じ、とんぼは自分自身に腹を立ててしまいます。

腹を立てたおかげで、続く14番のティショットがいつもより飛距離が出たのはいいのですが、セカンドも飛距離が出すぎてしまい、ボールはグリーン左奥のカラーへ。

ここまでが前回のお話。

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5~6mの距離なので、パターで打ちたいところですが、ボールの目の前に自分のピッチマークがあるため、ボールを浮かせる必要があります。

しかし、強い下り傾斜のため、ウェッジで30センチ程度のキャリーを出すという繊細なアプローチが要求されます。

ここでとんぼが選択したのが、これ。

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なんと、グリップの最下部どころか、シャフトの真ん中ぐらいを持って打ったのです。

たしかに規則上、グリップを握らなければいけないと定められているわけではありません。

規則書には
「プレーヤーはクラブと球の間に一瞬の接触があるようにクラブヘッドで正しく球を打たなければならず、球を押し出したり、掻き寄せたり、すくい上げてはならない」(10.1a)
とあるだけで、これに違反しなければどのように打っても構わないのです。

しかし、そうと分かってはいても、いざ本番でこういう打ち方を選択できるでしょうか。

カッコ悪いからやらない、という人が大半だと思います。

ゴルファーの頭のなかにある理想の動きは、タイガーであり、マキロイであり、遼くんであり……見た目にカッコいいフォームこそが、良いスウィングの基準と考えられています。

でもとんぼには、そういう概念がありません。

イメージした球筋を実現できる打ち方が、とんぼにとって最高の打ち方なのです。

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今回も、ちょこんとそのへんにボールを落とすだけなら、これがいちばん! と導き出したのが、この極端に短く持つ打ち方。

見た目がカッコ悪かろうが、ズルいと言われようが、関係ないのです。

私もゴルフを生業としていながら、自分のスウィングは動画で直視できないほどカッコ悪いのがいたたまれないのですが、とんぼのこうしたシーンを見るたび、「結果が良ければ格好なんて気にする必要はないんだ」と自分に言い聞かせております。

しかし結果が伴わないので、すぐに形を疑うという堂々巡り。

シングルに手が届かないのは、このあたりに原因があるのかもしれません。

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