今週のとんぼ:第303話「平均の法則」
13番パー5で痛恨の素ダボを叩き、チーム勝利への貢献が難しくなったつぶら。
今大会の出番はもう終わり? と思いきや、今週、再び登場です!
14番パー4のセカンド地点、つぶらのボールには、雨でもないのにボールに泥がついています。
13番のセカンドも、バンカーの難しい場所にボールが止まる不運に見舞われていましたが、14番でまたしても……。
ゴルフをやっていると、なぜか立て続けに不運に見舞われること、ありますよね。
ラウンド後、同じコンペの仲間にスコアを聞かれると……
「10番でボールが木に当たってOBで、次のホールは目玉で、ほんと今日はツキがなかったわー」
ついつい、いかにツキがなかったかをアピールしてしまいます。
つぶらもそんなふうに言い訳したいところだったでしょうが、そんなときに父との会話を思い出します。
「人はね、不運をぼやくけど、幸運には気づかないことが多い」
これは、故・中部銀次郎氏が語っていた「平均の法則」。ゴルフのみならず、人生にも当てはまる含蓄のある言葉です。
たしかに18ホールもあれば、不運の1つや2つあって当然です。その代わり、ボールがカート道で跳ねて30ヤード前に飛んだとか、バンカーレーキのおかげでバンカーに入らずに済んだとか、ラッキーも1つや2つ、起きていたはずです。
今回のつぶらのように、不運に思えることが重なっても、それを嘆くのではなく、目の前の一打に最善を尽くす。そうやってひたむきにプレーしていると、どこかのホールで幸運が巡ってきたりするものです。
結果的に、18ホールおしなべて考えると、幸運なことと不運なことは同程度訪れる。これが中部氏の言う「平均の法則」です。
つぶらのケースは、マイナスからプラスへの平均の法則が働いた例ですが、逆のケースもよくあります。
たとえば、出だしからパー、パー。次のホールは適当に打った長いパットが入ってバーディ! 普段経験したことがないような好調ぶりに、なんとなく居心地が悪くなってしまって、次のホールからボギー、ボギー、ダボ。結局終わってみればいつも通りのスコア……。
こんな経験をしたことがある人も多いはず。
居心地の悪さなんて感じる必要はないのに、「こんなのはいつもの自分じゃない」と変なブレーキをかけてしまう。あるいは同伴者から「このままいけばアンダーパーだね」などと声をかけられ、不必要に意識してしまう。
こうしたプラスからマイナスへの「平均の法則」については、精神的な要因が大きいような気がします。
解決策は、先ほどと同じで、結果やスコアを手放して目の前の一打に最善を尽くす。これに尽きると思います。
しかしそうと分かってはいても、実際のラウンド中は、ついよからぬ思考が頭をよぎったり、地に足がつかないまま打ってしまったり……。
結局砂地獄のごとく「平均の法則」の呪縛に絡めとられてしまう。
それも含め、自分の実力ということなのでしょう。
今週のとんぼも、非常に考えさせられる内容でした。
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