「デザインに行動経済学を組み込む」【2024年事例】
こんにちはkazuです!
先日、仕事帰りにスーパーに寄って夜ご飯に必要な具材を揃えていました(確か、チゲ鍋だったな)。お腹が空いていたので目に入った惣菜もカゴに次々と投入して帰宅しました。
帰って冷静になると「なんで買ったんだろう?」と思うものが多く、無駄にお金を払ってしまったという後悔があります。
ここからわかることは人間はいつも決まった動きをしない、統計やデータでは測れない生物ということです。そんな人間の特徴と経済を結びつけた「行動経済学」をビジネスに取り入れて、活用している事例が多々あります。今回はデザインの世界ではどのように「行動経済学」が活かされているのかを執筆していきます。
あなたが普段何気なく目にしているものも実は行動経済学が活用されているものかもしれません。楽しんで読んでください!
・行動経済学の基礎知識
まずは行動経済学についての基礎知識について触れていきます。
「人間はいつでも合理的に動くわけではない」これが行動経済学の根本的な考え方です。人間は感情で動く生き物で、いつでも合理的な判断を下すわけではないのです。
日常生活でこんな経験はありませんか?セールの広告を見て、つい必要のない物まで買ってしまったり、締め切り間際に焦って仕事を仕上げたりすること。導入で紹介した私の例はまさに当てはまりますね、、。こうした行動は、すべて行動経済学が説明しているテーマです。
伝統的な経済学では、人間は常に最も合理的な選択をする、つまり、最小のコストで最大の利益を得るための行動をとるとされています。しかし、実際の私たちの行動はそうではありません。私たちはしばしば感情や直感に左右され、結果的に非合理的な選択をすることがあります。
例えば、「プロスペクト理論」というものがあります。これは、私たちが利益を得るときよりも、損失を避けるためにより強く行動する傾向があるという理論です。たとえば、10,000円を得る喜びよりも、10,000円を失う痛みのほうが大きいと感じるのです。
行動経済学は、こうした人間の行動を理解し、より良い意思決定をサポートするためのヒントを提供してくれます。皆さんにとって、この分野の知識は、マーケティング、マネジメント、デザイン、さらには日常生活でも役立つと思いますよ!
以上が行動経済学の基礎知識です。次は行動経済学とデザインがどのように結び付いているのか事例を紹介しながら執筆していきます。
・行動経済学の原理を活かしたデザインの具体例
・ナッジ理論
より良い選択を
ナッジ理論は、人々がより良い選択をするために、選択肢の配置や情報の提供方法を工夫することを意味します。ここで重要なのは、強制力を使わずに自然に望ましい行動を促すことです。簡単に言えば、少しの工夫や助言で、人々の意思決定をポジティブな方向に導く方法です。
例えば、スーパーでレジに並んでいるときに床に足跡のマークが貼られていることがありますよね?あれもナッジ理論を活用したもので人々が列を乱さないような選択肢を与えているのです。
具体的な事例
あるオンラインバンキングアプリでは、ユーザーが新しい貯蓄目標を設定しやすいように、「おすすめ貯蓄プラン」を自動的に提案する機能があります。
この機能では、ユーザーの過去の取引データや収入に基づいて、貯蓄目標額や期間をあらかじめ設定し、ユーザーが簡単に目標を受け入れられるようにしています。これにより、ユーザーは貯蓄を始めやすくなり、長期的な財務目標を達成しやすくなるのです。
・目標勾配効果
ゴールを明確に!
目標勾配効果とは、目標に近づくほどその達成に向けて努力を強める傾向があるという現象です。目標が明確で、その進捗を実感できると、モチベーションが維持されやすくなります。人はゴールが見えると、より一層頑張ろうとするのです。
具体的な事例
フィットネスアプリを例に説明していきます。フィットネスアプリでは、毎日の運動目標を達成すると、画面に大きなチェックマークが表示されます。また、達成した日数が連続するとカレンダーに記録されるので、次の目標に向けての意欲が高まります。これにより、ユーザーは運動を続けやすくなります。
・F型視線誘導
重要な情報はどこへ置く?
F型視線誘導とは、ユーザーがウェブページをF字型にスキャンするという視線の動きのことです。このパターンを理解すると、重要な情報をどこに配置すればユーザーが見やすいかがわかります。この手法はニュースサイトなどで主に取り入れられていますね!
具体的な事例
ニュースサイトやブログでは、重要な見出しやサムネイル画像を左上に配置し、その下に詳細な記事を続けて配置することが一般的です。
また、ウェブショップでは、商品の写真や価格情報をページの左上に配置し、購入ボタンやカートに追加ボタンを視線の動きに沿って目立つ位置に置くことで、ユーザーがスムーズに購入まで進めるようにしています。
・アンカリング効果
何事も最初が肝心!
アンカリング効果とは、最初に提示された情報がその後の意思決定に大きな影響を与えることを指します。人は初めに見た情報を基準に判断をする傾向があるのです。この初めの情報が基準点となり、以降の判断に影響を与えます。
具体的な事例
オンラインショッピングサイトでは、商品ページにまず通常価格を表示し、その後に割引価格を大きく表示します。これにより、ユーザーは割引価格が非常にお得に感じられ、購入意欲が高まります。
また、ホテル予約サイトでは、最初に高価格の部屋を見せ、その後に割引価格の部屋を表示することで、割引価格がより魅力的に見えるようにしています。
・フレーミング効果
見せ方に一工夫を
フレーミング効果とは、同じ情報でも提示の仕方によって受け取り方が変わることを指します。情報をどうフレームするかによって、人々の反応が異なるのです。ポジティブにフレームするか、ネガティブにフレームするかなどの提示の仕方次第で、同じ内容でも異なる印象を与えることができます。
具体的な事例
例えば、サブスクリプションサービスのアプリで、「月額たったの500円」と表示するのと「年間6,000円」と表示するのでは、ユーザーが感じるコストの重みが異なります。前者はより手軽に感じられ、契約しやすくなります。また、オンライン投票アプリでは、「この候補者は70%の支持を得ています」と表示することで、より多くの支持を感じさせ、投票行動に影響を与えるのです。
・終わりに
行動経済学の理論をデザインに応用することで、ユーザーの行動をより良い方向に導くことができます。今日紹介した事例の原理を理解し、デザインプロセスに組み込むことで、ユーザーの行動を予測し、彼らが直感的に操作できるインターフェースを提供することが可能なのです!
今日学んだ内容をもとに、あなた自身のデザインにどのように応用できるかを考えてみてください。またユーザーにとって使いやすく、魅力的なデザインを作り上げるための新しい視点が得られることを願っております。
そして、あなたのデザインがユーザーの生活をより良くする力を持っていることを忘れずに。次回も、さらなるクリエイティブと具体例を共有していきますので、楽しみにしていてください。それでは、引き続き素晴らしいデザインを生み出していきましょう!!
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