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公共事業と気候変動対策規制(CFACTの記事)
写真出展:TemelによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/colibrie-15745216/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=8866846
2024年7月5日にCFACTは、ユタ州の石油輸送を目的とした鉄道整備事業の裁判に関する記事を発表した。内容はユタ州の鉄道整備事業が、環境推進派の起こした裁判により執行停止された事案を概観し、今後の裁判の方向性を予測するものである。
アメリカの裁判所には左翼的な判事が少なからずおり、環境推進派はこういった判事がいる裁判所を利用してエネルギー産業を妨害している現状がある。日本でも地裁レベルでの異常な判決により公共事業の推進が止められるということがたびたび発生しており、他人事ではないだろう。今後の公共事業の在り方を考える参考として、本記事の概要を紹介させていただく。
↓リンク先(Supreme Court to decide whether climate studies will be required for Infrastructure projects)
https://www.cfact.org/2024/07/05/supreme-court-to-decide-whether-climate-studies-will-be-required-for-infrastructure-projects/
1.本記事の内容について
・6月24日、最高裁はユタ州東部の石油輸送用鉄道事業に関する裁判を受理することを決定した。この事業は官民共同で計画された、油田から石油を運搬する鉄道を整備するものであるが、ワシントンDC巡回控訴裁判所は本事業が気候変動対策を十分に考慮していないとして執行停止の判決を下したが、最高裁に上告されることとなったのである。
・本鉄道が完成した暁には、ユインタ盆地から日量35万バレルの石油が輸送される予定となっていたが、本事業が停止されることで現在のタンカートラックによる運送が継続することとなる。鉄道よりも大量の排気ガスを排出し、かつ高額となる運送方法を容認することと同義であり、控訴裁判所の判決は何ら環境を配慮したものではない断と言えよう。
・控訴裁判所の判決は、本事業に対する陸上輸送委員会の環境アセスメント承認は拙速なものであり、かつ連邦法に違反していると断じており、掘削やメキシコ湾地域への石油の輸送に伴う環境負荷を考慮していないとした。ユタ州はこの判決を重く受け止め、開発者、投資会社、インフラ共同企業経営体などと共に最高裁に上告したのである。
・ユタ州らは、裁判所が環境評価を行う団体に裁判所が法令で与えられている以上の権限を認めることになれば、それは「事実上の環境政策皇帝」を生み出すことになると主張した。対して環境団体と民主党のベネット上院議員は、地球温暖化への影響とコロラド川に石油流出する危険性を根拠として反論した。
・最高裁判所の4名の判事が裁判を受理するとしており、鉄道事業推進派にとっては良い兆候である。2004年の運輸省対パブリックシチズンの判決では、国家環境政策法の下では、権限外の部分についての環境評価をする必要はないとしており、連邦裁判所はこの判例に倣ってきたが、ワシントンDC巡回控訴裁判所のような左翼的裁判所は権限を拡張する見解を示してきたのである。
・油田や石油輸送インフラの妨害は、グリーンエネルギーを推進したい環境派の目的とする所である。直近の西バージニア州対環境省の判決等において、裁判所は議会により承認された範囲以上の権限を連邦省庁に認めてこなかった。今回の裁判は秋に開始され、判決は2025年6月に下される予定となっており、この国が地球温暖化ヒステリーに負けるのか、それともまっとうな路線に進むのかが決することになるだろう。
2.本記事読後の感想
今回はアメリカのケースであるが、日本においても地裁のよくわからない判決で阻害された政策がいくつあっただろうか。原発再稼働などはその最たるものだ。政治権力の抑止のため一定程度裁判所が歯止めをかけられるというのは法治国家として当然の仕組みであるのだが、これは民主的に決定された事項を恣意的な法運用で覆すことができるということを意図したものではないはずである。もし今回のように、裁判所が法解釈でもって行政機関に権限を自由に付与することができるということになれば、三権分立といっても到底容認できないだろう。
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