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ハリケーン「イアン」の分析(CFACTの記事)

写真出展:David MarkによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/12019-12019/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=86025

 2022年10月3日にCFACTは、ハリケーン「イアン」に関する解説記事を発表した。内容は、というものである。最大級の被害が出たということで話題になっていたが、地球温暖化ではなく、科学的にその実態を明らかにする優良な記事である。地球温暖化の注意喚起として本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Getting real about the “meaning” of Hurricane Ian)
https://www.cfact.org/2022/10/03/getting-real-about-the-meaning-of-hurricane-ian/

1.本記事の内容について
・今回のハリケーン「イアン」について理解するため、過去の大規模ハリケーンの天気図等を見てみることにする。
 まず1960年のハリケーン「ドナ」の天気図を見てみよう。(図1)

 現在ほど細かく気圧配置が記載されていないが、1008phaの領域が200マイルに及んでいることが分かる。
・次に2017年のハリケーン「イルマ」を見てみよう。(図2)

「ドナ」よりも影響範囲が大きい。ことがわかる。
・では今回のハリケーン「イアン」を見てみよう。(図3)

影響範囲がかなり小さいことがわかる。チャーリー(図4)はもっと小さく、50マイル程度の影響範囲である。

・では個々のハリケーンのデータについて見て行こう。1960年の「ドナ」は、風速時速120マイルを記録し、45分間も継続した。当時のフロリダには500万人が居住していたが、現在は2210万人となっていることから、これより規模が小さなハリケーンが襲来しても被害は大きくなると考えられる。過去のデータと比較することなく発言する専門家の説明には注意が必要である。
・次にドナとイルマの衛星画像を比較してみよう。(図5、図6)

 過去10年間でアメリカ本土に上陸したハリケーンは、ピークを過ぎた状態で上陸している。このため、発生時の気圧ではなく上陸時の気圧などを考慮しなければ、ハリケーンそのものを理解することはできない。経済規模も人口も増大している現在において、大規模ハリケーンでなくても被害額が大きくなるのは当然のことである。テレビ司会者のドン・レモンや政治家のクロブチャーなどはこういったことを考慮せずに扇動しているように見える。脊髄反射的に短絡的な結論を出してはならない。

2.本記事読後の感想
  2022年に入ってようやく大きな被害につながりうるハリケーンが発生した。被害者が最大などと喧伝されていたが、実際の規模はそれほどでもなかった。むしろ、被害が大きくなった理由がどこにあるのかを冷静に分析する必要があるだろう。予報が的確ではなかった、防災上の対応が遅れた、これまで大きな被害が発生したことがない地域が被災したといった要素があるのかもしれないが、地球温暖化論者の扇動に惑わされてはならない。
  静岡県の水害もそうであるが、たいていは都市計画やインフラの不備であり、地球温暖化や線状降水帯などのせいではない。普段から洪水が想定されていない河川や地域に想定以上の雨量が流れ込めば洪水や浸水が発生するのは当然であり、防災上の対策が不十分か否かを検証することなく顕著な気象現象だけに原因を求めてはならない。
  今回は政治的なニュースが多いためか、それほど扇動が強くないように見えるが、過去の事例としてハリケーン「イアン」の事例が再利用される可能性もある。気象災害は、社会的な視点と同時に、科学的なデータも視野に入れて理解するべきである。

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