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カリフォルニア州のAI規制法(Bulletin of the Atomic Scientistsの記事)
写真出展:Steve BuissinneによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/stevepb-282134/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=610101
2024年6月17日にBulletin of the Atomic Scientistsは、5月に成立したカリフォルニア州のAI規制法を巡る動きに関する記事を発表した。内容は、法案の規制条項等について概観し、今後のあるべきAI規制について提言するものである。カリフォルニア州は左翼的な政策で規制を強化する方向で物議をかもしているが、一方でシリコンバレーを擁する技術革新の先導者としての地位も確立しており、AI規制を巡る動きは注目に値するだろう。技術の発展と規制の在り方について理解を深める参考として、本記事の概要を紹介させていただく。
↓リンク先(California AI bill becomes a lightning rod—for safety advocates and developers alike)
https://thebulletin.org/2024/06/california-ai-bill-becomes-a-lightning-rod-for-safety-advocates-and-developers-alike/
1.本記事の内容について
・2024年5月、カリフォルニア州議会はAIの悪用を規制する法案を可決した。本保安は安全性確保を主眼とした規制法となっており、州外で事業を展開するAI関連企業は、イノベーションを大きく阻害するものとして反発している。ただ本法案を支持する人々は、急速に発展しているAI技術には一定の歯止めが必要であり、安全確保を法的に担保する動きの第一歩として歓迎すべきものだという見解を示している。
・本法案は2月から州上院にて提案され、5月に成立したが、6月には早くも改正に向けて審議されている。改正案は、定義が不明確な点をより詳細な記載とするだけでなく、本法案の主たる適用対象がグーグルやOpenAIのような大規模AI開発事業者となるよう制限する方向で検討されており、8月に議決される予定となっている。
・現在の法案は、大規模AI開発事業者にAIに関する説明責任を求め、深刻な被害が発生しないよう適切に補償させることとしている。深刻な被害については、大量破壊兵器であるABC兵器の開発、5億ドル以上の被害をもたらす需要インフラへのサイバー攻撃、同規模の窃盗、知的財産、治安への被害をもたらすAIの行動と定義されている。AI開発事業者は、これらの被害が発生した際には即座にAIを停止する措置も求められている。
・規制対象となるAIの規模については、使用するパソコンの処理能力が10の26乗FLOPS以上、1億ドル以上の計算資源を用いるAIとなっている。この規模は現在開発されている大半のAIモデル以上の規模ものを対象としているのであり、将来を見据えたものとなっている。更に毎年度モデルについてのコンプライアンスについて認定を受ける必要があり、事件発生時にはカリフォルニア州技術省に報告が求められるのである。
・ここまでは主に規制する条項について見てきたが、その規制の在り方については、適正な運用が必要不可欠である。つまり、イノベーションの障害とはならないようにしつつ、被害を最小限に食い止めることが必要である。今回の法案ではカリフォルニア州以外の域外にても適用される可能性があるが、アメリカ全体で600もの法案が審議されているとされており、近い将来この法案と同様の規制はアメリカ全体に適用されることになるという点で、大きな問題にはならないと見られている。
・AI開発事業者が求められる具体的な取り組みとしては、基本安全性テストや優良事例の確立であり、被害が発生したとしても開発過程で適切に対応していれば罰則が適用されない建付けとなっている。ただAIの開発には多数の関係者が存在することから、第三者によるパラメーター設定や機械学習データの提供などを原因とした被害が発生した場合、AI事業者が不当に罰せられる可能性がある。また想定外の被害に対してどこまで注意喚起可能なのかは不透明であり、連邦法で求められる義務と重複する部分もあり、手続きの負担が企業に重くのしかかるという懸念もある。
・現在の連邦法による規制は、企業の自主的な取り組みを組み合わせたソフトなものとなっており、法的な拘束力はない。このようなアプローチは、政府が十分な知見を有さない技術分野に対して合理的な建付けではあるが、効果は限定的である。今後も規制の在り方について官民が双方で議論し、適切な内容としていくよう勧めていくことが重要である。
2.本記事読後の感想
今回はかなり長くなってしまったが、それでも取り上げる価値があると考え記事にした。カリフォルニア州は何かと左巻きの政策で周囲を振り回しているが、それでも学ぶべき点があることも確かである。今回の法案を参考として、日本でも適切なAI規制やガイドラインのようなものを策定していくことで、
ただ日本が同じような法案を上程するとしても、内容は似て非なるものとなり、イノベーションなど配慮せずなく、ただ政治家や官僚の権限や利権拡大目的とした社会主義的政策になってしまうだろう。無能な者が規制当局になるぐらいであれば、規制がない方がましである。ただこれは、政治や官僚機構だけの問題ではなく、失敗を極端に嫌う日本人の気質も影響しているだろう。技術革新には自由がつきものであり、失敗を未然に防ごうとしてあまりにも強い網をかけては、創造力など生まれる土壌が損なわれてしまう。適切な距離で技術と向き合うというバランスの取れた政策を訴えていき、国民意識を変えていくという地道な作業が必要である。
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