クアッド及び中国の重要技術評価(4)(ASPIの報告書)
本記事は、クアッド及び中国の重要技術評価(3)(ASPIの報告書)の続編である。前回までの記事は、以下のリンクを参照。
表3:遺伝子組み換え技術に関する各国の政策
論文、特許申請双方で、アメリカが圧倒的な件数を占めている。COVID-19パンデミック最中の2019年から2020年にかけて、バイオテクノロジーの分野における特許申請件数及び論文数に大きな下落は見られない。
特許資産指標グラフは、特許の経済への影響力を示す。関連技術グラフは特許がその分野において付随する研究開発をどの程度支援しているのかを示す。
黄色の棒は、ポートフォリオサイズに基づいた特許の数量を示す。
赤色の棒は、個々の分野における国家の平均競争力(特許の経済力)を示す。
中国は特許件数が多いが、比較的競争力が低い。このことは、平均的な特許の質が低く、史上影響力も小さいことを示している。
中国は特許発表までの期間が平均0.92年であるのに対し、クアッドは2.26年から2.49年となっている。このことは、中国が医術の商用化・生産化を重視していることを示している。またオーストラリアとインドは論文数が多いが、これは研究に注力している、もしくは、商用化がうまくできていないかのいずれかであることを示している。
オーストラリアは優れた研究成果を出しており、政策目標を順調に達成している。
中国の研究は経済的効果が相対的に大きいが、その質は高いとは言えない。経済成長しつつあるもののマーケットシェアが低く、他の重要技術特許と比較して、国際的な影響力が小さいことを意味している。
インドは明確な政策を持っていないが、特定の研究活動の成果は、一定の高い影響力を持つ特許を産出している。
アメリカは遺伝子組み換えの世界的リーダーである。ただ、遺伝子組み換えの研究は学会がリードしており、明確な戦略的方向性を持っているのか否かは不明である。
日本は具体的な戦略及び目標を掲げているが、研究の影響力はいまだ比較的低水準である。
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