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IPCC気候モデルの不当性(サイエンスの記事)

写真出展:MediamodifierによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/mediamodifier-1567646/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3078543

 2021年7月27日にサイエンスのホームページで、IPCC第6次評価報告書で採用されているモデルについての記事が発表された。内容は、CMIP6を科学的側面や数値に基づいて批判するものである。8月9日の報告書が発表される前のものであるが、科学的にわかりやすく論じた良質な記事であることから、その概要を紹介させていただく。

↓リンク先(U.N. climate panel confronts implausibly hot forecasts of future warming)
https://www.sciencemag.org/news/2021/07/un-climate-panel-confronts-implausibly-hot-forecasts-future-warming

1.本記事の内容について
 ・世界気候モデルセンターは、二酸化炭素排出量に応じた各種の想定シナリオの試算を
行っており、その結果は、第6 期結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP6)が取り合まとめている。この結果はIPCC第6次評価報告書にて採用されており、気候変動の影響評価だけでなく、保険会社や経済やインフラなどに関わる金融機関の経済への影響調査などにも用いられている。
 ・過去の多くのモデルでは、気候感度(二酸化炭素濃度が工業化前(1850~1900 年の平均値)の2倍になった場合の気温上昇)は、2℃~4.5℃の試算となっていたが、昨年の最新モデルでは、2.6℃~3.9℃という試算となった。IPCCの報告書にある最大5℃という予想よりも低い値となっている。このモデルはあまりにも二酸化炭素の影響が大きく、例えば2万年前の氷河期の気温を試算したところ、工業化前-6℃ではなく、-12℃という結果となった。
 ・モデルの研究者は、モデルの欠陥を調整するため、雲の性質の再現に注力してきた。例えば大気中の氷の結晶について現実的なものとなるようにしてきたが、熱帯の雲の温暖化効果が過大になってしまっており、更に他の欠陥が明らかになった。
  この欠陥の修正は間に合わなかったが、IPCCはそのまま本モデルを採用しており、体裁を整えるため、試算を過去数十年の気温上昇と帳尻を合わせたものとした。例えば、2100年時点における予測が最大で5℃上昇となっているところを、4.2℃にまで下げることができる。
・ 一部のモデル研究者は、モデル見直し期間の延長やモデル作成を2班に分けるなどの改善を提案している。他の気象学者は、CMIPモデルの極端な温暖化予想を過大に評価するべきでないとも指摘している。

2.本記事読後の感想
  先日発表したIPCC第6次評価報告書に関する記事の続報と言う位置付けであり、今回はモデルに着目することとした。前回の記事でも軽く触れたが、CMIP6の成果では自然要因は気候変動にほとんど寄与しないとしているが、一方で二酸化炭素は過大な影響力を持つよう変数が調整されている。未来予測がうまくいかないならまだしも、過去の気温もまともに再現することができないのであり、こういったモデルの予測が信頼できないものであり、極端な予測は単なる政治的プロパガンダに過ぎない。今後、IPCCの報告書に基づく極端な科学的論文や記事が量産されることが予想される。しかし、IPCCが採用している成果それ自体が不当なものであり、これを科学の根拠に用いてはならない。
  日本語で入手可能な情報は、おそらくIPCCの報告書に基づいたものがほとんどになるだろう。地球温暖化やエネルギー政策を正確に理解するには、こういった情報だけでなく、批判的な情報についても広く入手することが重要である。今後も、このような既存の見解とは異なる優良な情報を皆様にご提供できるよう、尽力していきたいと思う。

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