代替エネルギーは詐欺師の愚行(CFACTの記事)
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CFACTは2021年9月8日に、代替エネルギーの非現実性に関する記事を発表した。内容は、代替エネルギーと既存エネルギーの発電量の比較、発電用エネルギーとしての信頼性などについて論じるものである。日本が2050年までに代替エネルギーの比率を大幅に引き上げるとしているが、その結果としてどのような事態になるのかをよく示した記事であることから、本記事の概要を紹介させていただく。
↓リンク先(Alternative energy: The folly of fraudsters)
https://www.cfact.org/2021/09/08/alternative-energy-the-folly-of-fraudsters/
1.本記事の内容について
・代替エネルギーは、一般に環境に優しいと考えられている。しかし発電効率などを考慮すると必ずしもそうではなく、例えば4エーカー(約0.016km2)の面積の天然ガスの発電所を風力発電所で代替すると、2500エーカー(約10.12km2)の面積が必要となる。よく「代替」エネルギーは、「再生可能」エネルギーと混同して用いられるが、あくまでも代わりになるという意味であり、風力発電や太陽光発電を意味しないのである。
・風と太陽はその性質として断続的であり、信頼できるエネルギーにはなりえない。発電所には高度な安定性が求められ、1秒間当たりの周波数の乱れ(59.5もしくは60.5)といったわずかなずれでも、送電にとっては脅威となる。
・正確に言うなら、風力発電と太陽光発電は、「補完的」電力である。発電所は24時間365日絶えることのない電力を提供する必要があるため、石炭、原子力、天然ガスを主体としており、風力や太陽光は補完的にしか用いられない。
・オーストラリアでは、再生可能エネルギーを支援するため炭素税を導入したが、停電などの被害に苦しめられ、現在は炭素税を廃止している。ドイツでは風力及び太陽光発電にすでに1000億ユーロを費やしているが、今後20年で4500億ユーロの予算を計上しようとしている。結果として、ドイツの電気料金はヨーロッパで最も高く、アメリカの2倍になっている。更に、風が吹かない日は電力使用量を抑制するよう求められ、二酸化炭素排出量もあまり下がっていない。
・地熱発電についてはアイスランドが有名であるが、立地条件的に恵まれている国はほとんどなく、規模も小さく数十億人の生活を支えるには不十分である。水力発電はカナダで盛んであるが、他国ではそれほどでもなく、むしろ干ばつなどで縮小を余儀なくされている地域もある。
・代替エネルギーをすべて利用すれば問題ないとする意見もあるが、これらは全て補完的な位置づけでしかなく、むしろ発電所の不確定性が増大するのみである。アメリカで利用されている既存のエネルギー源は、石油35%、天然ガス34%、石炭10%、原子力9%であるのに対し、「代替」エネルギーは水力2.5%、バイオマス4.2%、地熱0.2%、風力2.9%、太陽光1.2%である。近い将来、「代替」エネルギーが既存エネルギーを置換することはできそうになく、現状としては既存エネルギーを有効活用するしかないのである。
2.本記事読後の感想
代替エネルギーの非現実性が明らかになる記事である。2019年の日本における発電量で見ると、既存エネルギーは石油6.6%、石炭31.9%、天然ガス37.1%、原子力6.2%であり、代替エネルギーは水力7.8%、太陽光6.7%、バイオマス2.6%、風力0.7%、地熱0.3%となっており、既存エネルギーに過度に依存している。更に日本はエネルギーをほぼ輸入に頼っており、他国よりも格段に不安定性に苦しめられるのである。現実的な政策は、エネルギーをえり好みすることなく、あらゆる選択肢を残しておくことであり、特に原発の稼働は急務である。
2021年7月26日に公表された地球温暖化対策計画(案)では、家庭のエネルギー消費を約3分の2に抑制するとしており、とてもではないが実現できそうにない。
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