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インドの石炭調達(CFACTの記事)

写真出展:S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/pixel2013-2364555/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3767893

 2022年6月12日にCFACTは、インドの石炭確保政策に関する記事を発表した。内容は、インドがポストコロナで経済が活性化することで石炭不足が発生していることから、炭鉱の再開、輸入規制撤廃などの手段により、石炭を調達しようとしている現状を紹介するものである。再生可能エネルギーの流れで化石燃料は悪者にされているが、現実的には化石燃料が無ければ経済を保つことができないという現実が良く分かる内容となっている。今後のエネルギー価格や確保の問題にとって参考になると考えられることから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(India’s coal proliferation contradicts global climate drama)
https://www.cfact.org/2022/06/12/indias-coal-proliferation-contradicts-global-climate-drama/

1.本記事の内容について
 ・世界第二位の石炭消費量を誇るインドが窮地に陥っている。石炭の在庫が枯渇しつつあることから、この問題を解決するため石炭の輸入規制を撤廃し、数百の閉鎖された炭鉱を再開し、既存の炭鉱に最大量の生産を求め、石炭を運搬するために民間の貨物列車を停止するという非常手段にまで手を伸ばしている。
 ・インド13億人の生活を支える電気のうち、石炭火力発電が70%を占めている。2022年3月は前年比で3.12%も石炭火力発電量が増加しており、石炭不足はインド経済を直撃する状況にあるのである。昨年もたびたび石炭不足に悩まされてきたが、今年も問題が浮上し始めている。中央電力委員会の4月29日報告書によると、56の発電所が10%以下、26の発電所が5%以下の在庫しか保有していない状況である。
 ・この状況に対処するため、政府は42本の列車を停止し、石炭を運搬する貨物列車が自由に運航できるようにした。鉄道省長官は、昨年度と比較して石炭の消費量が年間20%増加し、2022年4月は前年比で15%の増加になる見込みであると発言している。またインドは製鉄などのため、コークスも大量に輸入しているが、一般の石炭がコークスの重量を凌駕する見込みである。
 ・インド政府は輸入促進のため、輸入規制の撤廃に乗り出しており、更に沿岸部の石炭発電所に輸出借款まで供与している。結果としてオーストラリアからの石炭輸入が急増し、世界市場にも影響を与えている。ほとんどの国は国内生産量だけで消費を賄うことが可能であるが、インドは増産が追い付かない状況であり、4月の石炭採掘量は前年比で27%を記録した。
・先週インド政府は閉鎖された100の炭鉱を再開することを承認したが、既存の炭鉱には環境審査を免除するという特例を認めた。このことにより、既存の炭鉱の生産量は40%程度増加し、1億5000万トンの増産が見込まれている。
 ・2030年の石炭生産量目標は14億トンとなっており、今後も化石燃料の消費を増加させていこうとしている。隣国の中国も2021年の15の省で前代未聞の大停電が発生したことから、石炭生産を増加させている。発展している経済にとって、化石燃料が現実的なエネルギーであることを示している。

2.本記事読後の感想
  過去に何度かインドの記事を取り扱ったが、国益を確保するべく政治がうまく立ち回っていることが良く分かる。化石燃料は経済の原動力であり、石油派生製品は現代の生活に必要不可欠なものばかりである。お花畑の再生可能エネルギー派に唯々諾々と従っていると、国益が損なわれるということが明確になっている。この国際情勢で生き残るには、あくなき国益の追求が必要なのであり、賢明な国はむしろこの状況から脱却しさらに強固になっていくだろう。こういった観点からも国際情勢を見極めなければ、外交・安全保障政策もまともに策定することはできない。今後ともエネルギーを巡る動きを注視していく必要があるだろう。
  それに引き換え日本の岸田政権はというと、新しいエネルギー政策は出さず、物価対策もせず、節電を要請するといった程度の何ら効果がない政策しか実施していない。これだけ無能を晒しているにもかかわらず、異常な支持率を維持しているのが不思議でしょうがない。私はメディアの操作がそれなりに入っており、実際の支持率は30%程度でしかないと思っているが、日本人の諦めというか情けなさが際立っているように思う。政権が無能なのは仕方がないとしても、国民は選挙で政権を交代させる力を持っている。参議院選挙は政権交代選挙ではないが、自民党に大きな打撃を与えなければ、増税や非現実的な環境政策などが推進されかねない。黄金の3年間などを岸田政権に渡すような愚を犯すのではなく、参議院選挙で鉄槌を下さなければならない。

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