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自主大会8-2準優勝 【リザードンex】構築過程とミラー研究解説

割引あり


2/8 更新 各対面の動きを追加

▶自己紹介

 こんにちは、かるたです。
 普段は京都で調整メンバーとプレイしている大学生です。2019年からポケモンカードをプレイしており、シニア最終年のシーズン2020から本格的に競技の場で戦うようになりました。競技歴は4年と、なかなかに長いですがまだまだ成長の途中です。

▶主な実績

シーズン2020
シティリーグ top8

シーズン2021 PJCS優先権
シティリーグ top8
シティリーグ  準優勝

シーズン2022 PJCS優先権
シティリーグ 準優勝×2
PJCS2022 top128
csp340  91位

シーズン2023 PJCS優先権
シティリーグ best8
CL愛知エクストラ top16

シーズン2024(今シーズン)
シティリーグ 準優勝
その他自主大会複数入賞

(WCS目前で毎回逃してるから流石に行きたい…!)

 毎年安定して結果を残すことが出来ており、プレイヤーとして最近は独自に環境を解釈してデッキを作成できるようになってきました。

 参考としてスタン落ちした過去の有料記事を無料公開しました。1年前に購入していただいた方、ありがとうございました。

▶︎環境考察

 始まって1、2週間はリザードンexパオジアンexが強い環境になると考えていました。それ以降のtier2については、良いデッキはどんどん開拓されていくのでこの時点ではわからないというのが本音です。

 ただ、強いて言うならアルセウス系統やサーフゴーexには地力があるのでもっと増えてくるのかなぁとは考えています。

 代わりになるかは分かりませんが、私が最近デッキリストと一緒にメモやデッキの序列を管理している方法を紹介します。


PC版なら簡単にチャンネルの上下を触れるため、
常に自分の思うデッキの序列をアウトプットできる

 最近やっているdiscordの個人チャンネルでポケカの情報を管理する方法です。考えているデッキの強さ、流行りの序列を整理しながら流行しているリストやそれに関するメモを各チャンネルにまとめています。
 出先で思いついたことをスマホからメモを取ったりしたときに、内容をPCやタブレットでも同じように見れるほか、もし誰かに考えていることを一気に伝えたい場合にはチャンネルに招待して全部見るということもできます。

▶はじめに


 それでは本題です。今回は120人規模の自主大会で8-2の高勝率を叩き出し、準優勝することのできたリザードンexのデッキを解説していきます。60枚同じリストで同日他会場の自主大会でも3位の結果を残しているので、環境初期段階での考え方としては自信があります。
 また、単にデッキを説明するわけでは無く、そこに至るまでの過程にも注目して方法論的にも面白い読み物になるように心掛けています。ぜひ読んでいってください。



 内容については下記の目次をご参照ください。


 前半部分では大会での対面レポート新レギュレーションのリストを作成するまでの前提と考えの過程を掲載しています。
 後半部分では使用したリストの解説と、今回の経験を踏まえて改善したリスト案(記事公開時点で使用中)、簡単な動かし方を掲載しています。また、多くなると考えていたピジョットリザードンのミラーについては個別に考えを詰めました。その結果、動きを知っているか知っていないかで大きく勝率が変わりました。知識の有無で勝率が変わるからこそ重点的に解説していますので、リザードンex+ピジョットexのデッキをシティリーグやチャンピオンズリーグで使用することを考えている方にはおすすめの内容になっています。
尚、後半部分は有料とさせていただきます。購読していただければ幸いです。
 公式用語ではない俗語も利用しますのでご了承ください。

2/8 追記
 新弾のデッキを大方触り終えたため、各対面での戦い方を追記しました。

 3週目に差し掛しかかろうとしているところで、環境が進みピジョット型リザードンexの立ち位置が変化していることもここで触れたいと思います。
 分かってきたことはピジョット型リザードンexが相手の動きに合わせて戦わなければならなくなってきたということです。LO系統以外のデッキであれば、どのデッキにもある程度当たり障りなく戦っていくことができ、動きも堅い本デッキですが、どうしても対策される側として大変な思いをすることがあります。それを踏まえて、動きや再現性が安定しているからこそ、どのように落としどころを作って戦っていくかについて追記しました。

▶︎デッキの基本方針

 そもそもリザードンexの何が強いの?という話です。深い話に移る前に簡単に整理していきます。

※顔が良い

◆強み
①攻撃するためのエネルギーを自身の特性で補える。
②後半の火力で並の耐久のポケモンex,Vを押し切ることができる。
③HPが非常に大きく1回の攻撃で倒すには弱点、青天井、ポケモンのどうぐ等の工夫が必要。

 3つに整理してみましたが、それぞれについてさらに考えていきます。

 まず、①のエネルギー周りの強みです。「特性:れんごくしはい」のお陰で進化したタイミングで山札からエネルギーが付き、即時に攻撃できます。
 副次的に起こってくる利点として、エネルギーを管理するシステムポケモンが必要ないために自ずとベンチの枠の節約盤面形成のハードルが下がる他、リストの枠的にも構築の自由度が高まります
 構築によってはサブのアタッカーを育てられることも踏まえて、環境屈指の自由度と強さを兼ね備えています。

 次に②、③の強みです。HPやワザの数字の部分も非常に高水準です。ワザのダメージは基本的には中打点、終盤にかけては高打点が見込め、一回の攻撃で倒すことができるポケモンが増えていきます。HPは特に高く、相手視点上記のような工夫を絡めて突破していくしかありません。
この数字の部分は、1体のリザードンexで取ることのできるサイドの枚数に関わってきます。仮に、リザードンexがサイド2枚のポケモンをトレードできたとします。その返しのターンで相手がリザードンexの高HPを乗り越えることができなければ、さらに1枚、もしくは2枚のサイドをこちらが取ることができます。リザードンexは本来サイド2のポケモンですが、倒されなかった場合には3,4枚分サイドを取ってくれるお得な働きをしてくれます。
 それを加味すると、ナンジャモをはじめとした相手の動きを制限するカードを利用してリザードンexが生存ターンをより伸ばしてあげるという基本的な行動が強いと分かりやすいと思います。

◆ポケモンカードでサイドを逆転する方法例
・サイド1のポケモンのポケモンでポケモンex,Vを倒す。
・サイドを進めつつ相手の攻撃を耐える。
・1回の攻撃で複数体のポケモンを倒す。等々…

ポケカやってると1回は聞く有名な話

よく言われることですがポケモンカードでサイドを逆転して勝っていくには、大体この3つのどれかの軸に当てはまった戦い方をしていくことになります。
リザードンexがサイドを進めながら耐えるという動きもこれに該当しています。また、デッキ単位の話をすると、かがやくリザードンもサイド1分で相手のサイド2のポケモンを倒すことができ、逆転の要素になります。

 そして、これらのリザードンの強みを活かして戦っていくことを目指します。

▶簡易対戦レポート

予選5-1

R1 パオジアン W
 マナフィがサイドに落ちで序盤から厳しい展開に。先2にげっこうしゅりけんで盤面が崩れたが、リザードンexを一体作ることができなんとかゲームを継続。そのままの進行では流石に厳しそうな中、対戦の流れで手にエネが無さそうでビーダルを縛れそうなタイミングが来たため、1ターン前に縛ってお祈り。それが通ったため次ターンにナンジャモ+リザードンexで攻撃して、そのまま要求を押し通して勝利。

R2  ピジョットリザードン L
 理想的なプランを通せて盤面的には悪くない状況だったが、ラストターン手前に機転の効いたロトムv置き→そくせきじゅうでんを使われた。ナンジャモを使い切っていたためハンドを流せず、盤面に置かれていた輝くリザードンと裏呼び+マキシマムベルトの要求を達成されてピジョットexが取られて負け。

R3  サーナイト W
 ネオラントvとロトムvがサイド落ちし厳しい展開だったが、必要なターンにスイーパーと裏呼びが揃いフワンテとサーナイトexを倒すことができて勝利。ちょっと運は良かった。

R4.  アルセロコン W
 アルセウスVSTARをボスで触りながら、攻撃し続ける必要のあるアローラロコンVSTARにサイドを先行させ、カウンターキャッチャー×2で効果を解除。そのままナンジャモを使用しながら倒して流れで勝利。

R5  サーナイト W
 盤面がしっかり並び中盤では抱えた手札から、後半ではナンジャモ後の手札から欲しいタイミングでスイーパーと裏呼びを揃えることが出来た。フワンテとサーナイトexをテンポよく取って勝利。

R6  ミライドン W
 後1ペパーと充電から盤面をつくり、返しに備えることが出来た。しかし、ライコウVでの先殴りを我慢されて複雑な展開に。本当は先殴りはしたくなかったが手張りでエネルギーを貯められるとライチュウVを絡めて2-2-2を通される裏目があり、待てずに後2バーニングダークを宣言。返しでプライムキャッチャーでピジョットが取られたがカウンターキャッチャーでエネルギーのついていないライチュウVを倒し、リザードンexの生存ターンを伸ばして勝利。サイドに釣り竿が落ちていたとのことで、実はちょっとまずかった。(無いと思ってた)


トーナメント 3-1

R1 パルキアサーフゴー W
 初手が弱く、後手1の盤面でロトムv前、ヒトカゲ、ポッポの盤面だった。充電した後の先2でヒトカゲが取られたが、げっこうしゅりけんまで使われなかった為ポッポとロトムvの盤面からゲーム継続。サポートは幸い充電から引けていたのでとりあえず盤面を作って番を返す。再びサイドを一枚とられて返ってくる。リザードンexがゴールドラッシュで倒されることや、サーフゴーexの特性で後半に要求を上げにくい都合上、早期からかがやくリザードンを使用して捲る必要があった為、無理やり3エネ付けてサーフゴーexを倒し、サイド残り4-4。スターポータルでエネの付いたかがやくゲッコウガでトレードされて4-3。ここで流石に手前のターンで無理をしすぎて後ろのサイド2を倒す要求が揃わなかった。(リザが立たなくてエネがない) パーツをそろえれば次のターンにはナンジャモ+リザードンexを通すことができるが、ヒトカゲが一体しかいない盤面だったのでどうにかして守る必要があった。そこで、釣り竿でかがやくリザードンとエネを返し、ボスでヒトカゲを取った場合、呼び出し札の枚数の都合上相手の踏むサイド1-1-2になるように意識させ、エネルギーが空のリザードンexを前に差し出して番を返した。相手は渋々裏を倒さずにサーフゴーexでエネルギー7枚トラッシュしてリザードンexを取りサイド4-1。返しで守れたヒトカゲをリザードンに進化させ、満を持しての1ナンジャモ+バーニングダークでサイド2-1。(エネルギーを吐かせていたこともあって?)リザードンexが倒されない要求を通すことができ、ボスで残りの2枚のサイドを取り切って勝ち。

R2 ピジョットリザードン W (予選R2の方と再戦)
 お互い待ちの展開になったが、用意していたミラーのプランを通すことが出来て勝利。

準決勝 ピジョットリザードン W
 待ちの姿勢でしっかり準備していたところ、相手が早期から先殴りしてきたため、用意していたプラン(くどくてすみません)でカウンターして勝ち。

決勝 ギラティナ L
 序盤からしっかりロストを貯められロストマインで2枚取り→リザードンexにスターレクイエムまで通されてしまった。サイド進行ではなんとか喰らい付いていたが終盤の山もきちんと作られていて、2ナンジャモ+バーニングダークをアクロマ→プライムキャッチャーで返され、裏のサイド2システムが取られて負け。

▶︎F-Hレギュレーションになって変わったこと

EFGレギュ参考リスト

CL京都top16 Ryo選手[NNnNL-Ju8vMW-nnnnLn]

SV5K,SV5Mの発売に伴い、新レギュレーションが施行されました。基盤となる重要なカードがスタン落ちしたデッキもあれば、主要なポケモンが残り自ずとアーキタイプとして存続しているデッキもあります。
リザードンexのアーキタイプはその2つでいうところの後者で、デッキパーツの基本的な部分はスタンダードに残りました。しかし、Eのカードで再現できていた動きも多く、足回りは考え直す必要がありました

 そこで、まずはスタン落ちするカードを取り上げ、試行錯誤の段階でどのような問題に差し当たったのか整理しました。

①バトルVIPパス
 なかよしポフィンと代替するように見えるカード。しかし実際になくなった枠をそのままポフィンに変えてみると序盤にロトムVを置くハードルが上がってしまい、難しさを感じました。そのため、ロトムに依存しない構築を作ること、もしくはロトムVを置きやすいボールの配分に大きく変える必要があると考えました。

②レベルボール
 なかよしポフィンの盤面を広げる力が大きく、なくなってもそこまで気にならなかったです。ペパーからリザードにハイパーボールづてでないと触れなくなったことは痛いですが、なんだかんだでヒトカゲはポフィンの展開力で毎試合複数体置けているため飴+リザードンex揃えた受けはあったり、ナンジャモで通り過ぎていくリザードを広がった面に落としてあげることはむしろ以前より簡単で、なんとかなる印象を持ちました。

ミュウ(ふしぎなしっぽ)
  序盤の動きとなる飴やボールが揃えにくくなることは明確に大変になった点でした。なんらかのシステムを新たに入れてあげたり、ロトムvを置きやすくした構築でないと、毎試合安定した展開を作れないと感じました。

 このような流れを踏まえて実際にリストを練っていきました。

没案

試しに組んだピィリザ

 なかよしポフィンからピィが置けるところから、ロトムV、ミュウの代替になるのではないかと考えて組みました。
 しかし、実際に組んで回してみると欠陥が見えてきました。

問題点
・後攻でないと動きが弱い
・ハンドを消費しないとピィの技、にぎにぎドローの価値が下がる。
→ハイパーボールやペパーを抱えて組み合わせを作るのが強いが、それらを使ってハンドを減らした後に技を宣言することになるので相性が悪い。
→カウンターキャッチャーやつりざお等の重要なパーツを持った際に簡単に切れないため相性が悪い。

 結局ピィからのアプローチは失敗し、ボールの配分を変えてロトムVを使う方針に移行していきました。


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