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紹介シリーズ【う】~馬の群れ 思い出すのは 都井岬
海と山に囲まれた都井岬に生きる御崎馬(みさきうま)。
都井岬に馬が生息するようになったのは、1697年に高鍋藩が「御崎の牧」という官牧をひらいたのがはじまり。
創設当時から、人為的な餌やり場や馬舎はなく、山野や林間で放牧されていた。この粗放な飼い方は現在も引き継がれていて、馬たちは半野生の状態で、のびのびと暮らしている。
しかし、それは反面、御崎馬たちが常に自然の厳しさの中にいることを意味する。食料はもちろん、自分達で確保しなければならない。食料の豊富な春・夏はまだいいが、冬は林で、シダなどを食べて飢えをしのぐ。また、台風や大雨が来れば、過ぎ去るのを林の中でじっと待つしかない。
この過酷な状況下では、仔馬の半数余りしか成馬になれないという。加えて、交通事故死する馬や観光客が与えた餌で、胃腸障害を起こす馬がでるなど、人間ががさらに追い討ちをかける例もある。
愛らしい姿を見せてくれると同時に、自然の厳しさを教えてくれる御崎馬。たくましく生きる姿を今一度、再評価することが必要ではないだろうか。
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