個人投資家がなぜ「あおぎり高校/千代浦蝶美」さんに注目するのか(コラム)
はじめに
カバー株式会社(5253)の決算を予想・分析する筆者がなぜVtuber他事務所の「あおぎり高校(株式会社viviON)所属 千代浦蝶美」さんに注目するのか。
個人投資家の筆者が独自の視点から番外編としてコラムを書いていきます。
※極力各方面に配慮した表現を使用したつもりですが、不適切な表現がありましたらお詫び申し上げます。その際はご指摘いただけますと幸いです。
Vtuber事務所の勢力図
世界のVtuber事務所二大巨頭はカバー株式会社の「ホロライブ」、ANYCOLOR株式会社の「にじさんじ」という認識で問題ないだろう。会社の時価総額、IP所有クリエイターのチャンネル登録者数で見てもこの2社が業界トップクラスだ。
一方、株式会社viviON(株式会社ゲオHD100%子会社)が展開する「あおぎり高校」は贔屓目に見ても業界中堅事務所だ。一見すると関連性は薄いように思えるが、Vtuber業界に疎い筆者でも、奇抜な発想により業界の異端児とも思える事務所に投資のヒントが隠されているように感じている。その理由は後述する。
企業を分析するうえで心掛けていること
銘柄に惚れるな
カバー株式会社に限らず、企業を分析するうえで心掛けていることはその企業へ必要以上に傾倒しないこと。よく「銘柄に惚れるな」という格言を耳にするが、先人の遺した言葉は偉大である。
人間心理として、好意的な事柄はメリットばかりが見えてしまいデメリットが見え辛くなることがある。そのため筆者は企業を分析することに際し、極力フラットな視点で分析することを心掛けている。それは筆者の性格上、趣味と投資を切り離してフラットに考えることが苦手だからだ。特に問題ない人は気にする必要が無いだろう。
業界の研究とフラットな視点維持の両立
ファンダメンタル分析を行う上で、業界の研究は必須事項としている。幸いVtuber業界の様子を窺うハードルは非常に低い。Youtubeにアクセスしてクリエイターの配信を開くだけだ。
一方、Vtuber事業は一種のファンビジネス。先述の通り、筆者は銘柄分析を行う上でその銘柄に傾倒しすぎないよう注意している。そのため、カバー株式会社のホロライブ関連の配信動画はあまり拝見しすぎないよう自重している。優秀なクリエイターばかりなので、特定のクリエイターに夢中になってしまう可能性があるからだ。
好きこそ物の上手なれ
とは言ったものの、あくまで業界に疎い現在の筆者の立場ではそのような選択肢を取っていることにすぎない。
好きこそ物の上手なれということわざがある通り、ホロライブファンの方にしか見えない視点も当然あるだろう。当然筆者より知識が多いことで高度な分析ができ、成果が上がりやすい可能性もある。投資で最後に信じるのは自分自身の感性だ。
なぜ「あおぎり高校/千代浦蝶美」さんに注目するのか
業界研究を行うにあたり
「ホロライブ」を運営するカバー株式会社、「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社は上場企業である。先ほど述べた通り、筆者はフラットな視点を維持するため、投資対象となり得るこの2社がIPを保有するクリエイター以外の配信を探していた。
恥ずかしながら、筆者がVtuberの存在をある程度認知したのはANYCOLOR社が上場した2022年6月、Vtuberに注目を始めたのはカバー社が上場した2023年3月である。全く業界を知らない筆者がクリエイターを探すのは至難の業であった。
ラジオ番組「千代浦蝶美のちよっと夜更かししていかない?」
筆者はラジオを流しながら銘柄分析を行うことがある。7月の土曜、文化放送のラジオを偶然流していたら深夜ながら楽しそうな声色の番組が聴こえてきた。そう、あおぎり高校の千代浦蝶美さんが番組パーソナリティを務める「千代浦蝶美のちよっと夜更かししていかない?」である。
偶然にも、千代浦蝶美さんのお名前はこのラジオ番組を拝聴する前から存じていた。少々不純な理由で申し訳ないが、カバー株式会社の業績を予想するうえで、PLAY BOARDからSuper Chat売上高を予想するために月間のSuper Chatランキングを参考としており、そこのVtuber Topic上位に彼女の名前が登場している。それも毎月トップ10前後であるから印象に残っていた。
アイドルVtuber「あおぎり高校/千代浦蝶美」さんの特異性
改めてPLAY BOARDを確認すると、Vtuber TopicにおけるSuper Chatランキングは「ホロライブ」または「にじさんじ」関連のクリエイターが上位を占めている。それも毎月トップ30位くらいまではほぼこの2社に関連したクリエイターだ。
そんな中、彼女は安定して毎月ランキングトップ10付近に居る。記事の投稿時点であおぎり高校のチャンネル登録者数が約75万人、彼女のチャンネル登録者数が約10万人であることから、一般的に2社のクリエイターと比較して知名度という視点においては差が生じていると言えるだろう。そんな状況において、この数字は驚異的だ。
また、Super Chat以外にも彼女の歌配信では想像できない数のメンバーシップギフトが配られることがある。あまり他のクリエイターの配信に詳しくない筆者だが、チャットの名前欄がほぼ緑色なのは希有なのだろうというのはなんとなく分かる。なお、私もギフトを頂いたのでこの機会に感謝申し上げる。
アイドルVtuber「あおぎり高校/千代浦蝶美」さんの魅力
千代浦蝶美さんに興味を持った筆者は、彼女のラジオ番組や配信のアーカイブ動画を中心に拝見した。歌配信を中心に行う彼女に惹かれるポイントは人それぞれであると思うが、筆者が感じたのは「①歌配信で魅せる歌唱力」、「②夢を一途に追いかける彼女への敬愛心」、「③丁寧なSuper Chat御礼の誠実さ」である。
特に筆者が最も驚いたのは③である。2023年7月31日に登録者10万人耐久配信が行われたが、配信時間が約5時間を超えたため後日Super Chatの御礼配信が実施された。その御礼配信がなんと約10時間という長さで、18時30分から始まった配信が終わったのは翌日5時頃であった。どちらが耐久配信か分からない。
余談だが、筆者はインフラ系企業に勤めるサラリーマンであるため勤務時間が変則的になりがちだ。その日は日付が変わって帰宅するとまだ配信が続いていることに驚愕した記憶がある。Vtuber業界に詳しくない筆者であるが、さすがに10時間の御礼配信はなかなか類を見ないだろう。このような誠実な姿勢がファンに支持される最も大きな理由の一つではないかと思う。
アイドルVtuberとしての共通点
彼女は自分自身をアイドルVtuberとして紹介している。一方、カバー社もホロライブ所属のクリエイターにアイドル性を持たせてプロモーションしていることから、彼女たちの魅力性には一定の類似点があると考察する。少し極端かもしれないが、彼女のファン層はホロライブのファン層と近似している部分もあるのかもしれない。
なお、彼女が所属するあおぎり高校は細かい設定に捉われない大胆さ、少々…ではなく割とセンシティブな内容が多めであり、事務所の運営方針としては両者で異なっていると感じる。これはどちらが良い悪いというものではなく、厳しい顧客獲得競争の中で事業拡大・存続を懸けた環境で導き出した方針であり、現に成長を続けていることから双方の判断に敬意を表する。
最後に
いろいろと考察を書いたが、結局は自分自身が楽しいと感じることが出来るコンテンツを楽しむことが重要である。
筆者自身も最初はラジオ番組から彼女を知り、少し不純な理由を経由しつつも、歌配信など銘柄分析を行いながらラジオ感覚で楽しませていただいている。間違っていたら申し訳ないが、筆者(26歳)とそこそこ同世代~である気がするのでセットリストがドンピシャだ。
企業に所属するVtuberに限らず、個人で活動するVtuberもいるなかで、彼らの企画力や行動力は心の底から尊敬する。筆者が一般的なサラリーマンであることから、なおさらクリエイティブな活動をする彼らに敬意を感じるのかもしれない。
Vtuber事業は二次元カルチャーの最先端。まだまだ市場規模が大幅に拡大することが見込まれる中で、多角的な視点から長い目線で彼らの活動を窺いたい。個人的には、最も夢のある事業の一つであると自信を持って言えるだろう。